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381回目 VS『ロックジャイアント』

 ジャラジャラという鎖がぶつかり合う音に遅れて、森の木を薙ぎ倒し、重い物が地面を引き摺られる音が鳴り響く。


 鎖の音は俺が手にする☆5『神罰の鎖』からの物だ。そして引き摺られて来る重い物とは、まるで動く山とでも表現できそうな程に巨大な『ロックジャイアント』が地面や周囲の木々を削り薙ぎ倒す音である。



 いやいやいやいや! 映像で見てたからデカイのは知ってたけど、コイツ映像より更にデカくなってるよな!? …………あぁ、周囲の削った地面とかも吸収しているのか。


 いやぁダメだわ。これはダメだわ。こんなのちょっと走って体当たりするだけで要塞の壁を粉砕出来るもの。これは確かに、ラグラフ達の所に行かせちゃダメなヤツだ。



「お前の相手は、俺がしてやるよ!!」



 ☆5『神罰の鎖』は、相手の重さもかなり軽減してくれるらしく、『トライフォース』を通じて俺の手に伝わる重さは、実際の『ロックジャイアント』から考えればかなり軽かった。


 この『トライフォース・レオ』のパワーに加えて『神罰の鎖』の効果があれば、巨大なロックジャイアントが相手でも十分に戦えると、俺は確信した。



『うぉおおらぁぁーーーーっ!!』



 俺は『神罰の鎖』にイメージを伝え鎖の本数を増やしてロックジャイアントの束縛をさらに強め、その巨体を引き摺って振り回した。


 俺の下半身もまた、『神罰の鎖』にガチガチに固められている為、むしろ安定して振り回せる。力を込めて周囲の木々を薙ぎ倒しながら振り回したロックジャイアントの巨体はそのうち地面から浮き上がり、俺は振り回すスピードを上げた後に鎖を振り下ろして、ロックジャイアントを地面へと叩きつけた!!



『ゴブォッ!?』



 ロックジャイアントから聞こえるくぐもった声、どうやらちゃんとダメージはあるらしいな。『ロックゴーレム』じゃなくて『ロックジャイアント』だった時点で、きっと中身は生物(ナマモノ)なのだろうと思ってはいたが、やはりそうだったらしい。あの岩やらは、あくまでも纏っている鎧なのだ。



『ならやることは一つだ。その鎧、引き剥がしてやる!!』



 レオのパワーで鎖を引き寄せ、折り畳み式の爪を出してロックジャイアントに一撃を加える。


 流石に岩の鎧を一撃で粉砕とはいかないが、ロックジャイアントの岩鎧には大きく削れた爪痕がつけられた。


 だが、同時にその手応えから岩鎧の頑強さと分厚さを察した。これ、爪で削ってたらどれだけ掛かるか解らないぞ。



『ゴガァァーーッ!!』


『ん? ぐあっ!?』



 敵は鎖でグルグル巻きだと油断してた俺に、ロックジャイアントが一足飛びに距離を詰めて蹴りを放って来た。デカイ脚はまるで巨大な丸太だ。とても躱せるようなものじゃ無い。


 その蹴りを俺はモロに喰らったが、下半身が固定されているせいで吹っ飛ばされず、逆にそれが大きなダメージと隙に繋がってしまった。



『グロロロロッ!!』


『がっ!? ぐはぁっ!?』



 岩の巨体を持つロックジャイアントの攻撃は重く、その長身から振り下ろされた頭突きはまるでハンマーを振り下ろされているが如く途轍もない破壊力を持っている。


 機動鎧『トライフォース』を装着しているから俺にまでは直接的なダメージが来ないが、鎧の中にまで響く衝撃だけで気を失ないそうになる。



『ヤ、ヤベェ!?』


『グォロロロッ!!』



 トドメとばかりに身体を反り返らせ力を溜めるロックジャイアント。この攻撃を喰らえば、いくら☆5の『トライフォース』と言えど壊れるかも知れない。だが、俺にはまだ奥の手がある!



『来い! 機動武装ドルフィン!!』



 俺の声に反応して、近くの地面に青い魔方陣が浮かんで弾けた。そして青い光の粒子が集まって、一頭のロボイルカが現れた。



『キュイーーッ!!』



 ロボイルカが一声鳴くと、イルカの周囲に小さくて青い魔方陣が現れ、そこから氷の槍が飛び出して頭を振り上げたロックジャイアントに突き刺さり、ロックジャイアントは反り返ったまま、後ろ向きに転がる様に吹っ飛んでいった。


 ヤバかった! 今のはヤバかった! 簡単に勝てるかもと調子に乗ったツケだ。


 俺はもう調子に乗らない事を心に決め、機動武装をドルフィンに変えると、『トライフォース・ドルフィン』の能力である魔法をロックジャイアントに撃ち込んでいく。


 機動武装ドルフィンは、攻撃が魔法に片寄っている。敵を視認するや視界の中に『ファイヤランス』『アイスランス』『アーススピア』などと選択肢が並び、そこから意識的に選ぶ事で魔方陣が生成され、魔法が射出される仕組みだ。


 視界の右下には『23/30』と言う表示があり、左の数字は魔法を撃つ度に1ずつ減っていく。


 これが、魔法の残弾数と言う事なのだろう。魔法を撃つのを止めていれば、大体五秒につき1回復していた。


 何にせよこれは便利だ。さっきみたいにヤバい一撃を喰らわないように、遠距離から魔法で仕留めてやる!!


 …………などと考えていたのだが、ここで少し事情が変わってしまった。☆5『機動鎧『トライフォース』』の熟練度が貯まって、新しいスキルが解放されたのだ。


 その名は《フォース・トライデント》。機動鎧『トライフォース』の専用武器である。これがあるから、『トライフォース』に乗るにあたって、体装備だけでなく武器も装備出来なかったのだ。


 ロックジャイアントは魔法で仕留めようと思っていたが気が変わった。せっかくの専用武器なのだ。その威力、試してみよう。

面白い。応援したい。など思われましたら、下の☆☆☆☆☆から評価をお願い致します。


モチベーションが上がれば、続ける力になります! よろしくお願いします。

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