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374回目 アリア強化計画

沢山の、それはもう沢山の誤字報告を頂きました。

ありがとうございます。そしてお手数をお掛けしました。大変に助かっております。


…………誤字ぃぃ。何で書いてる時に気づけないかなぁ…………。

 魔王『ウミガメ』を一旦海の向こうに押し流して時間を稼ぐ中、アレスとカーネリアから、フリント王国とバゴス王国にて、魔王の封印に成功したとチャットが入った。


 仲間達はスタンピードを止めて魔王の封印に尽力した事もあり、この二国でしばらく足止めをされる事になる。


 まあ、二国としては突然現れた天空城と、そこからドラゴンに乗って降りてきた者達を放っておく事も出来ない。それは想定済みだったので、繋がりを作って来るように言っておいた。


 無論、無茶振りされたら即座に帰って来いと言ってある。俺の仲間達はハッキリ言って強いからな。多少無茶をしてでも国に引き込もうとする奴らがいる事も解っている。


 ナメた態度で来るなら、繋がりなどいらない。態度の悪い国とつながっても、嫌な思いしかしないからな。



「ところでガモンよ、お主にひとつ頼みと言うか、提案がある」


「提案?」



 ひと仕事終えて、天空城の中にある適当な部屋で休んでいると、ドゥルクが俺の対面にあるソファーに座って、そんな事を言って来た。



「ウム、アリアの事じゃがな。あの嬢ちゃん、賢者の中でも相当に能力が高い。知力や魔力については、底が見えん程に才能がある」


「まぁそりゃな。アレスの『聖騎士』やアラムの『竜騎士』もそうなんだけど、アリアの『賢者』だって、その資質は天使のお墨付きだからな。才能はそりゃ凄いだろうな」


「そこでなのじゃが、お主の☆5アイテムにある☆5『モンスターチェス』を、アリアに預けてみたいのじゃ」


「『モンスターチェス』をか? あれはモンスターを登録して召喚するアイテムだろ? 賢者用のアイテムかアレ?」


「あれこそ正に賢者のアイテムと言えるわい。アレを前に調べた時に解ったんじゃが、『モンスターチェス』はあの盤上に、敵すらも駒として取り込む事が出来る。そして手駒と敵の双方に、チェスのルールに則った強化と制限を課す事が解っておる」


「ふぅん?」


「あまりピンと来ておらんようじゃが、要はチェスのルールとモンスターの性質の全てに気を配りながら、駒を動かす必要がある。と言う事じゃ。戦闘中にこれはかなり難しいぞ?」


「アリアならそれが出来ると?」


「…………少なくとも儂はアリアにチェスで負け越しておる。とは言え、八勝十三敗程度じゃがな」



 結構負けてる!? マジでかアリア。頭使う系のゲームでドゥルクに勝つとか、かなりヤバイだろそれ。


 ドゥルクと言えばあれだぞ? 超が付く負けず嫌いが老人の皮を被っている存在だ。最初に手加減するとか言っときながら、いざ自分が負けそうになると本気をブッ込んで来る大人げなさの化身みたいな奴だ。


 それに勝ち越すって事は、アリアは本当に強いのだろう。



「…………まぁでも解った。取り敢えず使う機会も無かったアイテムだし、☆5をずっと眠らせておく訳にもいかないか。アレは使うのに準備がいるアイテムだしな。でも、モンスターはどうやって揃えるんだ? どうせなら強いモンスターとか有能な奴で揃えたいだろ」


「当然それは考えねばならん。強いモンスターも有能なモンスターも心当たりはあるから、クランメンバーの何人かとパーティーを組んで、対象のモンスターの所に行こうと思っておる」


「おいおい、まさかアリアを連れて行く気か? 『モンスターチェス』って確か、直に触れなくても魔石さえあればいいんだろ? アリアを連れて行かなくても…………」


「ガモンよ、アリアは確かにまだ子供じゃが覚悟が無い訳ではないぞ? その証拠に、この交渉をお主としてくれと頼んで来たのは、他ならぬアリアじゃ」


「…………うぅむ」



 そうか、言い出したのはアリアなのか。アリアも、俺達の役に立ちたいと考えているのだろうな。


 俺としては、いかに有能でも子供を戦場に立たせたくはない。しかし『モンスターチェス』とは上手い所を突いて来る。あれは指揮官のような立場でモンスターを動かして戦う事が出来る。賢者が盤上で考えた戦術がそのまま現実になるのだ。


 危険は少ない。しかし幾らクランメンバーとパーティーを組んだとしても、自分で魔石を取りに行くのは…………。でも、そこまで覚悟があるなら任せてやりたい気持ちも…………。ああ、迷う。決断するには、もうひと押し欲しい…………。



「ちなみにアリアに頼まれたと言う事実を、最後のひと押しに使ってくれと言い出したのもアリアじゃ。このタイミングも含めてのぅ」


「……………………完全に手の平の上で転がされてるじゃねーか」



 今のドゥルクの台詞で、俺の背中は確かにトンッと押された気がした。俺の背中を押したのは、他ならぬアリアの手だな。こうなると、認めてやるのが正しいだろう。



「…………ふぅ、解った。☆5『モンスターチェス』はアリアに預けるよ。ただし! ドゥルク、お前が面倒を見てやってくれ。モンスターを倒しに行く時のメンバーも一任するから、しっかり頼むぞ」


「ウム。もう準備は始めておるから安心せよ」



 これもまた、アリアの手の平の上…………っと。ここまで策を巡らせるアリアなら、大丈夫な気もするな。


 まぁでも、全ては今回の緊急クエストが終わってからだ。緊急クエストの下部にある魔王カウンターに付いたバツは四つ。そして残る四つの内、ひとつは既に対処済みだから残りは三つだ。


 そして、緊急クエストの期限は、残り六日となっていた。

面白い。応援したい。など思われましたら、下の☆☆☆☆☆から評価をお願い致します。


モチベーションが上がれば、続ける力になります! よろしくお願いします。

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