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365回目 天空城の中

 天空城の大部屋へと通された俺達は、その場にいくつも用意されていたソファーに全員で座り込んだ。


 何と言うか、気疲れである。☆5『◇天空城『レナスティア』』の規模がデカ過ぎて、取り敢えず休憩したいと全員が座り込んだのだ。



「ガモンーー。こっちにお茶頂戴。冷たいヤツ」


「申し訳ありませんガモン様。私にも頂けますか?」


「「こっちもくれーー」」


「アタシ達にもくれーー。コーラがいい」


「ガモンよ、儂は熱い茶で頼む」


「……………………わかったよ。レティア、頼めるか?」


『お任せを』



 俺がスキル倉庫から取り出したテーブルにペットボトル飲料を次々に出すと、レティアがルービックキューブの様な体をバラして、それぞれ単独でペットボトルのキャップを掴んで運んでいった。



「…………凄いな、そんな事も出来るのか。どうやって掴んでいるんだソレ?」


『私の体は微細なナノマシンで出来ております。個の力としては小さいですが、集合体となればあのくらいなら持ち上がります』


「ナノマシンか。漫画とかゲームにはよく出て来るヤツだな。実際は凄く小さい機械としか知らないけど」


『私の場合はむしろ魔道具ですね。この体のお陰で出来る事は多いです』



 皆が休憩をしている間に、レティアから『レナスティア』に関する注意事項や、『レナスティア』が出来る事などを聞いた。


 この天空城は、人が住む事を前提として存在している。四つの浮遊島を見る限り、人間だけでなく亜人、つまりはエルフやドワーフと魚人なども住む対象になっているのは間違いない。


 だって、あの遺跡のある森とか鉱石の取れる岩山とか、それっぽいだろ。むしろエルフやドワーフの為にあると言っていいと思う。


 だがそれには問題がある。天空城は確かに人が住む事を前提としているが、それ以前にこれは俺のガチャアイテムだ。


 本来なら必要のない時はスキル倉庫にしまっておきたい。何故ならデカ過ぎるからだ。ずっと外に出しておくと、色んな所からクレームが来そうだ。


 しかし、この天空城は人が住んでいる状態ではスキル倉庫に収納できない。いや、人だけでなく、ダンジョンに関係ない、外から連れて来た家畜がいても収納できないのだ。


 このデカさでそれは困る。そこでレナスティアには『次元移動』と言う機能が備わっている。これは例え生物が乗っていたとしても使える機能で、次元を一枚隔てる事でまるで蜃気楼のような存在になるのだと言う。


 そこに確かにあるのに手を触れられない天空城。何そのロマンの塊。しかも、敵の攻撃も次元を越えられない限り届かず、こちらの攻撃は相手に届くと言う鬼仕様。マジでこれ、世界征服すら出来てしまうな。流石は☆5のクラッシュレアだ。性能のブッ壊れ方が他の追随をゆるさない。



「さて、まずは拠点登録と『拠点ポータル』の設置だな。レティア、『拠点ポータル』を設置するのにどこか良い場所はあるか?」


『では転移盤の集まる部屋がありますので、その近くなどいかがですか?』


「いいなそれ。じゃあそこに案内してくれ」


『かしこまりました。それと、天空城はクランメンバーであれば壁に向かって「どこに行きたいか」を告げれば亜空間ゲートを開く事ができます。この城の中の施設にしか移動出来ませんが、使用してみますか?』


「そんな機能が付いてるのか」



 物は試しと、部屋の壁に近づいて亜空間ゲートを呼び出した。行き先は『転移の部屋』である。



「おおっ! これが亜空間ゲートか…………」



 亜空間ゲートは、まるで渦巻く闇のような姿で現れた。正直、これに入るのは凄く度胸がいる。



「…………これに入れば任意の場所に移動できると?」


『はい。この天空城の中限定ですが、その通りです。例外として、私がいれば天空城の玄関ホール限定ですが、外からの亜空間ゲートを開く事も出来ます。…………行かないのですか?』


「え? あ、いや、行くよ? 別にビビッてた訳でもないから!」



 意を決して亜空間ゲートに潜る。そして出た先は天空城の何処かの廊下だった。窓がある壁の反対側には、何枚もの扉が大きく間隔を開けて並んでいた。それぞれの扉には、何やらマークが付いている。


 これは、ツルハシと金槌か? それがバツ印に交差していて、その下には金床と酒の瓶が描かれている。


 あーー、何となく解った。これあれだ。レナスティアの四つの島を表すマークだ。これは多分、岩山の島だろう。



『お気づきになりましたか? これらの扉はそれぞれ特色のある島へとつながる転移盤の部屋であることを示しています』


「やっぱりそうか」



 取り敢えず目の前にある扉を開こうとドアノブに手を掛けて扉を開いてみた。すると中には、転移盤と思わしき魔法陣が乗った台座が幾つもあったが、その転移盤はどうやら起動していない様だった。


 レティアに聞いてみると、転移盤は天空城の外のヤツを起動しないと、使用できないらしい。


 その辺りは一筋縄ではいかないのか。まぁでも、それは後回しだ。


 俺はそれら転移盤がある部屋の近くの部屋に『拠点ポータル』を設置した。これでいつでも天空城へ瞬間移動が出来るようになった訳だ。

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