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316回目 ☆5『虚言の面具』

 ☆5『虚言の面具』

 ・《幻術反射》あらゆる幻術を、その術者に反射する。アイテムが元になっている場合は、その効果を無効化する。

 ・《真なる虚言》この面具をつけて話した事を、相手に真実と思わせる事が出来る。それはどの様なアイテムを持っていても防ぐ事はできず、どのようなスキルを持っていても無効化できない。ただし《真なる虚言》というスキル名を知っている者には、効果が無くなる。

 ・《幻想の息》炎や氷など、様々なブレスの幻想を出す事ができる。それによって敵がダメージを受けるかどうかは、その敵がこの幻想をどれだけ信じたかに比例する。

 ・《虚飾の幻聴》見える範囲のどこからでも、任意の声色で任意の声を出す事が出来る。



「「……………………」」


「…………うん。わかる。相変わらずブッ壊れているよな、☆5は」



 これは昨日、ティアナから渡された『郷愁の禍津像・モグラ』を破壊して手に入れた『禍津勾玉』。これをすぐさま使って出て来たのが、この☆5『虚言の面具』である。


 見た目としては、日本の戦国武将とかが付けている、顔の下半分を覆う仮面だ。厳つい鼻や顎に、口をカッと開いている。キレイに揃えられている髭が威厳を出しているのもポイントだ。首を護る前垂れもついているし、意外と防御力もあるかも知れない。


 これを装備して言葉を発する事で、それを聞いた相手はそれを真実だと認識してしまうらしい。


 後日になるが、この街で捕らえられている囚人で試してみた。その時の様子を説明すると。



「よう、久し振りだな」


「…………なんだテメェは。そんな変なモン付けてたって、テメェが知り合いじゃねぇ事くらいは解るぜ」


「おいおい、寂しい事を言うなよ。俺とお前は幼馴染みだろ。子供の頃から、何でも隠さずに話してきたじゃないか」


「…………そう…………だったな。…………わ、悪ぃ。あれ? なんで俺、お前の事を忘れてたんだ?」



 …………とまぁ、こんな感じだった。ちなみにコイツは山賊の頭領で、俺とは親子ほど歳が離れている。幼馴染みなんて筈がない事は、俺の顔を見れば解る事だ。…………俺が自分では気づいていない超老け顔でなければ。…………違うよね?


 まぁともかく、俺は「昔みたいに飲もうぜ」と言って、ソイツと一緒に缶ビールを飲みながら、色々と話をした。


 その中で、まだ見つかっていないアジトだとか、他の山賊の縄張りや顔繋ぎの方法などを聞き出せた為、カラーズカ侯爵家の騎士団にはとても感謝された。


 そして最後に、「俺は『真なる虚言』というスキルを持っている」と呟いた所で、ソイツに掛かっていた幻術は完全に解けた。そして、ソイツはもう二度と『真なる虚言』には掛からなくなり、その結果が出た後で、速やかに処刑が執行されたらしい。


 さて、話を戻して。


 俺は仲間に☆5『虚言の面具』と、そのスキルについて説明をした。



「ち、ちょっと待ってください! ガモン殿、それはつまり、今その『真なる虚言』と言うスキルを知ってしまった俺達には、もうそのスキルが使えないと言う事ではないですか!?」


「ああ、その通りだよアレス。このスキルの存在を知った皆には、もうこのスキルは使えない」



 あっけらかんと言う俺に、アレスは黙っていた方が良かったのでは? と言って来たが、俺はそうは思わない。このスキルについては、仲間には最初から話しておくつもりだったのだ。



「確か、ガモン様の世界には『敵を騙すには味方から』という格言がありますよね? 私もそれは、漫画で読みました。このスキルは、それを成す為にも必要だったのでは?」


「そうね。それにスキルを知る者が増えれば、それが漏れる危険も増えるわよ? そこから言っても、言わない方が良かったと思うわよ?」


「まあ、皆の言いたい事は解るし、俺も最初は黙っていようかとも思った。でも、そんないつ使うか解らないスキルよりも、信頼の方が重要だと結論づけたんだよ」


「信頼、ですか」


「ああ。例え一度きりとは言え、こんな防ぎようの無いスキルを使ったら、俺達の信頼に小さい棘が刺さると思ったんだ。そういう棘って、ずっと残るだろ? そんな棘を刺すよりは、最初からバラしておいた方がいいだろうと思ったんだ」



 こんなスキル使うのは、仲間じゃないもんな。こんなんで騙したら、これが無くなっても「もしかして」が残ってしまう。それはどうしても避けたい。


 そんなこんなで皆にも納得して貰えたので、俺は今回の王国軍の一件を、この☆5アイテムを使って解決すると宣言した。


 仲間には使わないけど、敵にはバンバン使っていく所存です。だってメッチャ強いもの、この☆5装備。


 これがあれば、王国軍が持っている『国王直筆の命令書』を、自分達の手で燃やさせる事すら出来るのだ。それをやる、おそらくは将軍にはちょっと悪いけども、やらないと俺達が終わってしまうからな、遠慮なくやらせて貰いますとも。

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― 新着の感想 ―
[一言] そもそもこのアイテムがあれば将軍裏切らせるのも余裕なんじゃ? 貴族に王の正統性がないとか信じ込ませるのも簡単だし、これだけで国落とせるわw
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