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30回目 前倒し

 ザコモンスターとは言え、駆逐する勢いで大量に狩り過ぎると生態系が壊れる。


 特に生態系ピラミッドの下の方、スライム・ゴブリン・コボルト・オーク、他にはより動物に近い草食モンスターや数の多い虫系のモンスターは、絶滅すると深刻な事態を引き起こす。


 俺達が使った『寄せ集めの香木』では、草食モンスターや虫系モンスターは現れなかったが、スライム・ゴブリン・コボルトに関しては、わんさかと集まり、装備の差で負ける心配は無かったが、総数にして四百を越える数を狩り尽くした。ちなみにこの半数はスライムである。


 戦いが終わった後、死屍累々となった平原を見ながら、もう素材なんていいから全部燃やしてしまおうと提案したのだが、さすがにこの数を討伐して素材を捨てると町で混乱が起こる、と主張したバルタが冒険者ギルドに走り、冒険者ギルドから派遣された職員に手伝って貰って、素材の回収と死体の始末が行われた。


 結構な人数がいたのに、素材の回収と後始末は夜まで掛かった。かなり大変だったのに、それらの素材は今回のペナルティとして、冒険者ギルドに無料で引き渡す事になったので完全なタダ働きである。


 …………いや、反省はしてますよ。本当に。


 そして俺達は今、宿屋で床に正座させられた上で、冒険者ギルドのギルドマスターを背後に立たせたティムから説教を受けていた。



「ゴブリンやコボルトは草食モンスターや虫系モンスターが増えすぎるのを防いでいるし、スライムは自然界の掃除屋だ。自然のバランスが崩れると一部のモンスターが増えすぎて深刻な状況を生み出すのは、バルタなら知っているだろう! 今回はまだキズが浅いから、しばらくの間いくつかの依頼を取り下げて様子を見るだけですむけど、下手をすると増えすぎたモンスターでスタンピードすら起きるんだぞ!!」


「「…………はい。すいませんでした」」


「モンスターを特殊なアイテムや魔法を用いて集めて倒すのは禁止されてはいませんが、もっと影響の少ない場所で行い、キチンと素材は回収できるようにして頂きたい。もう少しランクの高いモンスターがいる地域で行えば、そのモンスターらの気配に恐れをなして弱いモンスターは集まらないのですから、そういう場所であれば、問題はありませんよ」



 などと、普通のおじさんに見えるギルマスからも注意をされた。


 不幸中の幸いと言うか、最近は森からフォレストウルフが姿を消した事もあって、補食対象だったゴブリンやコボルトが数を増している所だったそうだ。


 だから、実はそれほど問題にはならないのですがね。と、ギルマスは俺達を安堵させるように笑ったが、俺達三人は顔を見合わせて黙ってしまった。


 西の森からフォレストウルフが姿を消した原因を、俺達は知っているからだ。


 そしてギルマスが帰った後、俺達は話し合う事になった。



「ガモン、あの緊急クエストの期限ってどうなってるんだ?」


「ちょっと待ってくれ、確認してみる。…………うん、あと三日になってるな。予定通りだ」


「しかし危ういですぜ。フォレストウルフが西の森から姿を消したって情報が、こんな小さな宿場町にある冒険者ギルドのギルマスにまで伝わっているって事は、その調査依頼を出すのも時間の問題でさぁ」


「もしかしたら、今回ゴブリンやコボルトが一掃されたのを好機と見て調査を始めるかも知れないね。そうするとオークキングとフォレストウルフの群れが見つかるのが早まるかも知れない」


「…………本当はもう一日は使いたかったけど、予定を早めた方がいいな。今日の事で新しいスキルも手に入ったし、装備をどうするか決めようか」


 取り敢えず、今の俺達の装備を紹介しよう。



 《ガモン》

 メインウェポン:銅の剣(+4)

 サブウェポン:山賊の槍(+4)

 腕装備:反撃の盾(+4)

 頭装備:銅の鉢金(+4)

 体装備上:銅の胸当て(+4)

 体装備下:銅の腰当て(+4)

 足装備:スニーカー(+4)

 アクセサリー:防魅了の御守り(+4)

 アクセサリー:寄せ集めの香木


 とまぁ俺はこんな感じで、次はティムだ。



 《ティム》

 メインウェポン:氷魔弾の弓

 サブウェポン:癒しの杖(+4)

 腕装備:鱗の盾(+4)

 頭装備:革の帽子(+4)

 体装備上下:カジュアルスーツ(+4)

 足装備:スニーカー(+4)

 アクセサリー:風属性の弾丸

 アクセサリー:回復の弾丸


 これを見ると分かるように、○○の弾丸シリーズはアクセサリー扱いだった。別に装備しなくてもアイテムとして普通に使えるのだが、アクセサリーとして装備すると、例えば弓の場合は使いたい弾丸をイメージしながら弓を引くだけで、その矢が出現するのだ。


 つまり手間が無い分、扱い易くなる訳だ。もっとも、弾切れや種類を変えたい時には装備し直す必要はあるのだが。



 《バルタ》

 メインウェポン:スリングショット(+4)

 サブウェポン:ひのきの棒(+4)

 腕装備:革の盾(+4)

 頭装備:気合いのハチマキ(+4)

 体装備上:革の胸当て(+4)

 体装備下:革の腰巻き(+4)

 足装備:商人の足袋(+4)

 アクセサリー:衝撃の弾丸

 アクセサリー:擬態のマント


 以上が現在の俺達の装備だ。そして俺とバルタの装備で限界までランクアップしてある装備は、すでに熟練度がMAXまでいっており、スキルも手に入っている装備となっている。


 そう、俺は新たに十四ものスキルを手に入れたのだ。

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