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289回目 帰って来た仲間達

「お帰りさないませ、ガモン様! お顔を見れて、やっと安心しました!」


「お久しぶりです、ガモン殿」


「お帰り。取り敢えず元気そうで安心したわ」



 屋敷に帰ると、まずシエラに抱きしめられ、アレスとカーネリアも俺の存在を確かめるように、腕を軽く叩かれた。



「お、おう。皆も元気そうで何よりだよ。…………って言うか、昨日もチャットで話しているだろ?」


「チャットでは顔が見えないではないですか! 私はガモン様の顔を見て安心したかったのです!」


「ホント、ガモンはそういう所がなんか冷めてるわよね。気をつけた方がいいわよ? 場合によっては、相手を落ち込ませるから」


「あ、ああ。ゴメン、気をつけるよ…………」



 カーネリアに謝りながら、仲間達にすすめられるままにソファーへと座ると、俺の左右にシエラとカーネリアが座り、アレスもまたシエラの隣に座った。


 俺達が座ったのは広いソファーではあるが、流石に四人が並んで座ると少し狭い気もする。って言うか、ソファーは他にもあるんだから、そっちに座れよ。



「よう、ガモン! 久し振り!!」


「おう、トルテ。お前も元気そうだな」


「まぁな! ちゃんと二つ目の禍津像も取って来たぞ! 俺達のは『オカピ』とかって知らない動物だった」


「『オカピ』かぁ。なんか馬とシマウマを合わせたようなヤツだな確か。アレス達の方は?」


「俺達は『ヒバリ』です。鳥類ですね」



 オカピにヒバリ。あまり生き物に詳しくない俺としては、『名前くらいは知ってる』程度だな。魔王としては、どこに封印されているのかも知らないが、それは後で調べて貰おう。



「これでまた二つ追加だな。みんな、お疲れ様だ。やっぱり大変だったか?」


「そりゃな! 俺達がいったダンジョンは、とにかく罠が多くてさ、兄ちゃん達にモンスターの相手を完全に任せて、俺は、ずっと罠の解除ばかりしてたよ!」


「へぇ、罠か。そりゃトルテの出番だな」


「おう!」



 俺は仲間達をねぎらい、その苦労話を聞きにまわった。そして夕食の席では、新たにフレンドに加わったアルジャーノンや、トレマとイオスの双子の姉妹を紹介し、女神であるヴァティーの話も軽く出した。


 なぜ軽くなのかと言うと、本格的な話なんかしたら、夕食どころじゃ無くなるからだ。アレス達と一緒に食事をするのも久し振りだからな。


 俺はこの時間を楽しみにしていたから、あまり深刻な話はしたくなかった。せっかくの再会なのだから、楽しく過ごしたかったのだ


 そして、長めに取った夕食の時間も終わり、俺達は場所を屋敷から、屋敷の庭に出ている『◇キャンピングカー』に移した。



「ドゥルク! 久し振り!! あ、紹介するよ。この双子はバルタの妹達でトレマとイオス。で、こっちはエルフとドワーフのハーフでアルジャーノンだ。こう見えてアルジャーノンは、ドゥルクよりも年上らしいぞ?」


『おお、久し振りに会って早々に、えらいもん紹介してきおったな。と言うか少し落ち着け。…………ふむ。お主らがバルタが助けたがっていた妹達か。ワシは『ドゥルク=マインド』じゃ。石化の呪いから解放されたようで良かったの』


「「ど、どうも…………」」



 伝説の大魔導師にして幽霊でもあるドゥルクに声を掛けられて、双子はバルタの背中に隠れた。


 あまりにもフレンドリーに接してくる幽霊に、結構ビビっているらしい。



『マスター。ワタクシとも挨拶をしましょう。お久し振りです』



 次いで寄って来たのは『◇キャンピングカー』の管理AIであるキャンパーだ。



「いや、キャンパー。お前は屋敷には居たじゃないか。防衛用ドローンの姿で」



 しかもキャンパーには『フレンド・チャット』を使う権限も与えているので、普通にチャットにも参加できる。全然久し振りって感じはしないのだ。



『本体で会うのは久し振りなので良いではないですか。それに、ドローンの姿ではトレマとイオスには何故か怖がられていましたからね』



 そんな事を言いながら、キャンパーがその球体に付いたメインカメラを双子に向けると、二人は「「ひっ!?」」と小さな悲鳴を漏らしてバルタの背中に更に隠れた。



「…………ダメみたいだな?」


『何故でしょうか。ワタクシ、本体は丸くて愛らしい筈なのですが?』



 キャンパーは、自分の事をそんな風に認識していたのか。まあでも、俺としてはトレマとイオスの気持ちの方が分かる。だって、機械の目玉が飛んでるように見えるもんな。そりゃ怖いよ。



「へぇーー。ガモンくんから話は聞いていましたが、本当に幽霊なんですね。ドゥルクくん、ですね? 僕はアルジャーノンって言います。後で色々と教えてくださいね?」


『くん!? フォッフォッフォッ!! よもやこの歳で、しかもこの様な存在になってから子供扱いされる事があるとはのぅ! 長生きはするもんじゃの』


「いや生きてはいないだろ。まあいいけど」



 取り敢えずは、仲間達がそれぞれ仲良くやれそうな雰囲気があるので良かった。トレマとイオスも、そのうちドゥルクやキャンパーに慣れるだろう。何せほぼ毎日、顔を合わせるからな。慣れてくれないと困る。


 …………さてと、仲間達との再会も喜んだし、本題だな。

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