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220回目 懐かしい顔、初めての顔

 クラン『G・マイスター』発足!! とは言ったが、まだやる事はある。クランの拠点の登録と、ギルドに手数料を払いはしたが、クランメンバーの登録が残っているのだ。


 クランメンバーの登録方法は、まず俺がクランメンバーとなる者のリストを作り、冒険者ギルドに提出する。


 次にクランメンバーとなる者が冒険者ギルドを訪れ、受付でクランに入った事を告げてギルドカードを出す。


 そして冒険者ギルドが預かっているリストとギルドカードの名前を照らし合わせて、間違いがなければクランメンバーとして認められる。


 これを十日以内に規定人数分(リーダー含め十名以上)行わないと、クランの登録は取り消される訳だ。


 ただ、俺の場合はギルドマスターのモンテナと親しい事もあり、『フレンド・チャット』のグループチャット機能でクランメンバーになる者を紹介すれば認めてくれるそうだ。ただし、タミナルで登録している冒険者に限るって話だけど。



 ◇



『到着しました。マスターの屋敷です』


「…………着いたか。凄く久し振りな気がするな」



 タミナルにある俺の屋敷に帰って来た。取り敢えず全員が降りたので『◇キャンピングカー』をスキル倉庫に仕舞い、俺達はお隣のカラーズカ侯爵家の屋敷から手伝いに来ている使用人に出迎えられて中へと入った。



「おかえり兄ちゃん!!」


「おかえりなさい!」


「ただいま。アラム、アリア、元気にしてたか? 母さんも、ただいま帰りました」


「お帰りなさいアレス。ガモンさん達も、お帰りなさい。初めて見る方々もいますが、みんな無事で良かったです」



 屋敷の玄関ホールでは、アレスの家族達が出迎えてくれた。そしてその奥には見知った顔がもう一人。



「久し振りでやすねガモンの旦那。元気そうで安心しやしたぜ」


「バルタ! ああ、久し振りだな。バルタも元気そうで良かったよ」



 ティムの護衛としてテルゲン王国へと戻ったバルタが、帰って来ていた。バルタはある目的のために、カラーズカ侯爵家の従者を辞して、俺の所へと来たのだ。



「これから世話になりやすぜ。旦那」


「ああ! 俺こそ頼りにしているよ、バルタ!」



 そんな風に俺とバルタが握手をしている横で、アリアとアラムも、新しい出会いをしていた。母親であるアレマーの陰に隠れるようにして二人が覗き込んでいるのは、同じようにカーネリアの陰に隠れているニッカとダッカの二人だった。



「どうしたのアリア、アラム。二人と友達になるのでしょう?」


「ニッカとダッカもよ。会えるのを楽しみにしていたんでしょ?」



 アレマーとカーネリアに背中を押されて、子供達が対面した。


 実はこの四人、顔を会わせるのは初めてだが、会話だけはしているのだ。もちろん『フレンド・チャット』で。


 俺の『フレンド・チャット』は、同じフレンドでも顔を合わせていない者とはチャット出来ない。ただ、これには抜け道があって、互いと接点のある第三者が双方をグループチャットに招待したならば、顔を合わせてなくてもチャットが出来るのだ。


 アリアにアラム、ニッカとダッカは、双方と顔見知りであるシエラを通してグループチャットでやりとりをしていた訳だ。


 だからすぐに仲良くなる。と、俺は思っていたのだが、どうやら実際に顔を合わせたものだから、多少照れているようだ。



「「こ、こんにちは」」



 だがそれでも、子供達はお互いに挨拶を交わして徐々に距離を詰め、やがて仲良く遊び始めた。



「ふふ。子供同士というのは、打ち解けるのが早くて可愛いですね」


「良い子だもの、ニッカとダッカは。アレスの所にも同じくらいの子がいたのね」


「ああ、ちょうど同じ年だな。俺としても妹と弟に同い年の友達ができたのは嬉しいよ」



 アリアはニッカと、アラムはダッカと仲良く遊んでいる。やはり遊び相手は同性同士に落ち着くのだろうか。まあ子供達の事はアレマーさんにお任せしよう。


 その後、仲間達とリビングで談笑しながらスキルを確認していると、『ガチャ・マイスター』の『クラン作成』が使えるようになっていた。冒険者ギルドの方の登録はまだ仮登録みたいな物なのだが、スキルとしては、条件を満たしたと見なされたらしい。


 俺は『クラン作成』の画面を開き、予めクランメンバーとして話をしていた『フレンド』を登録していった。


 その中には、本人の要望で『モンテナ』の名前もある。冒険者ギルドのギルドマスターがクランのメンバーになっていいのかとも思うが、国とギルド本部からクランメンバーに入って動向を見守るようにと言われているらしいのだ。要するに見張り役か。



「まぁ見張り役には違いないが、お前達の目的を考えると、国やギルドとのパイプ役はいた方がいいだろ。俺の事は気にせず好きにやっていいぜ。もちろん俺に出来る事があるなら頼ってくれ」



 モンテナはそんな風に加入について話していたので、俺もクランメンバーとして登録した。


 そして『ストーリークエスト』をクリアした事で、『クランガチャ』という新たなガチャが回せる要になった。いつものガチャ画面ではなく、クラン専用の画面で回せるあたり、普通のガチャとは違うようだ。

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