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22回目 物欲センサー

 俺のスキル『ガチャ・マイスター』の中にあった『マイスター・ショップ』にて『☆3装備ランクアップ・クリスタル』と言う物が売っていて、ひのきの棒をランクアップさせる目処は立った。…………のだが。


 お約束と言うか何と言うか、ランクアップ・クリスタルは二つまでしか買えず、あと一個足りないと言う状況になっている。



「さてどうするかだけど。まあ、選択肢は二つ。ひのきの棒が出るまてガチャを回すか、大人しくひと月待つか、だな。ああ、第三の選択として、何度かガチャを回して、出なかったらひと月待つってのもある。俺はこの三番目がいいと思うけど」


「僕は一番かな。付け加えるなら『☆3装備確定チケット』も併用するべきだと思う。ひのきの棒が出なくても、装備はあった方がいいしね」


「若様の意見に賛成でさぁ。ガチャを引く金はあっしが出しやす。もちろんこれは、完全なひのきの棒を譲って頂ける事が前提でやすが。それと代金も、言い値で払わせて頂きやす」


「まあ、バルタの目的にはひのきの棒が必要なんだろうし、ガチャの金も出して貰えるなら譲るのは全然いいけども。熟練度はどうするんだ? いや、俺が上げきってから渡せばいいのか」



 ガチャ装備はまだ少ないが、熟練度の大切さは解っている。これを上げとかないと本領が発揮されないからな。



「そうだガモン。僕の氷魔弾の弓の熟練度を見てくれないか? 僕が使っても熟練度が上がるのか知っておきたいんだ」


「わかった。ちょっと待ってくれ」



 俺はスキル画面を開いてアイテム欄や装備欄を開いてみた。が、そこには氷魔弾の弓が載っていなかった。俺は少し考えて、今度はフレンドを見てみると、そこには新たに『仲間装備』というのがあり、そのティムが持っているガチャ装備の記述があった。



「おおっ、上がってる。熟練度『8』だ」


「じゃあ次にガモンが氷魔弾の弓を持ってみてくれ。それで熟練度が変わらないなら、誰が装備して上げてもいいって事になるだろ?」


「確かに。…………おっ、大丈夫そうだな」



 氷魔弾の弓を一度装備して熟練度を見てみたが、表記は『8』のままだった。これなら、ひのきの棒はあとひとつ集めるだけで済む。


 俺は氷魔弾の弓をティムに返して、ガチャのショップメニューから『☆3装備確定チケット』を買う事にした。大金貨一枚で百万円のチケットの上限は三枚だったので、三枚買った。クールタイムはランクアップ・クリスタルと同じく30日である。



「旦那、金はあっしが出しやすぜ?」


「ああ、さっきランクアップ・クリスタルを買えなかった分の大金貨五枚が残ってたから使わせてもらったよ」


「ああ、それならいいんでさぁ」



 俺はさっそく、買ったばかりの『☆3装備確定チケット』を使用した。その結果は…………。


 ☆3 革の腰巻き

 ☆3 銅の鉢金

 ☆3 銅の剣


 …………うん。まあそう簡単に欲しいのは出ないよね。あとやってみて気づいたんだけど、これ『☆3装備確定チケット』で『以上』って言葉が付いていないから、☆3しか出ないようだ。…………百万円かぁ。どうなんだろコレ。


 取り敢えず、せっかく出たので革の腰巻きと銅の鉢金を装備してみる。革の腰巻きは幅のある長い帯で、それを腰に巻いて留めるだけの簡単な物だ。銅の鉢金についても、額に巻くだけである。…………違和感しかないが、慣れないとな。


 あと銅の剣は地味に嬉しかった。ひのきの棒から卒業である。ふふっ、人生の中で剣を持つ事があるとは思わなかったな。



「それがチケットを使って出た装備ですかい。ここで出てくれりゃあ、話は早かったんですかね、やはりそう簡単じゃありやせんね」


「まあな。じゃあまずは残った大金貨二枚分で、ガチャを回すぞ?」


「ええ、出るまでお願いしまさぁ」



 という訳で俺達の、と言うかバルタとガチャの物欲センサーの戦いが始まった。


 回すのはノーマルガチャ、つまり出て来るのは、基本的に駄菓子である。☆1と☆2のオンパレード、10連ガチャを二回まわして、出てきた☆3はひとつだけ。その内容は『プレミアムゴリゴリくん』と言う、ちょっとだけお高い棒アイスが複数個入った箱アイスだった。


 それは即、スキルに収納した訳だが。俺のスキルのアイテムボックスにはガチャで出たアイテムしか入らないが、そのかわり入れている物の時間は止まるらしく、アイスだって溶けたりしないので安心である。



「…………どうするバルタ?」


「いってくだせぇ」



 そう言って、躊躇わずに白金貨を出したバルタに本気を感じる。俺はバルタから受け取った白金貨をスキルにチャージして、更にノーマルガチャを引いた。


 そうして10連ガチャを引き続けること十四回目。この最後の10連ガチャにて、ついに『ひのきの棒』が姿を現した! …………三本も。



「…………ガチャあるあるだな。一個でいいのに複数個出る」


「ま、まあ、考えようによっては良かったんじゃない? ☆3のランクアップ・クリスタルが丸々残るんだし」


「あ、そっか!」



 言われてみればティムの言う通りである。バルタも、ひのきの棒さえ手に入るなら後は好きにして良いと言うので、このランクアップ・クリスタルは俺が貰っておく事になった。


 ちなみに、計140回分のガチャで、ひのきの棒以外に出た装備は二つだ。☆3自体は他にも出たのだが、装備では無かったのだ。ちなみに出たのは以下の二つである。


 ☆3 スニーカー

 ☆3 防毒の御守り


 スニーカーは、まんまスニーカーだった。問題はもう一つの方、防毒の御守りである。なんとこの防毒の御守りは、既にスキルが解放されていたのだ。しかも、熟練度の上限は他と変わらず20なのだが、これが何もしていないのに、既に溜まっていた。


 他に類似品が無いから確実ではないが、もしかしたらアクセサリー扱いの物はこうなのかも知れない。まあ確かに、御守りの熟練度の上げ方なんて分からないもんな。

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― 新着の感想 ―
[良い点] どんどん金貨が飛んでいく! ひのきぼうが出て良かったね。 [一言] 奥が深い、深すぎる(笑)
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