表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
203/607

203回目 敵の狙い

 総合評価が2000を越えました。ありがとうございます!!


 こうして目に見える形で応援して貰えるのは本当に励みになります。これからもよろしくお願いします。

「…………私…………? …………ハッ!? ニッカ!! ダッカはどこ!?」



 来客用の部屋でベッドに寝かされていたカーネリアが目を覚ました。それと同時に騒ぎ始めたので、ベッドの横で控えていたシエラが、カーネリアを落ち着かせようと宥めている。


 ちなみにこの部屋にいるのは、俺のパーティーメンバーである四人だけだ。


 カーネリアは死にかけた。いやもう、俺の認識だと一度は死んでいた身だ。これだけ騒げる元気があるなら何よりとも言えるか。



「落ち着いてくださいカーネリア。ダッカは無事です、貴女が護ったんですから」


「ダッカは…………? ならニッカは拐われたのね!? アイツら、最初からニッカとダッカの二人を狙って来てたのよ!!」


「だからまずは落ち着けよカーネリア。ニッカを拐った連中は、いまキャンパーが後を追っている。お前は死にかけたんだからな? まずは自分の身体を確認しろ。どっか異常はないか?」



 俺達の顔を見て少しだけ落ち着いたのか、カーネリアは自分の身体を確認しだした。



「…………大丈夫みたいね。私、確かにお腹に穴を開けられた筈なんだけど…………?」


「塞がってるから安心しろ」


「…………あんなの、治癒魔法で何とかなると思えないんだけど…………」


「俺って『エリクサー』とかも出せるからな」


「なるほどね」



 流石に目覚めたばかりのカーネリアに、あの時の状況を詳しく話す気にはなれないので、俺はエリクサーで誤魔化した。実際、あそこまで危ない状況でなければ、エリクサーは欠損部分も治せるのだ。


 俺はスキルの倉庫から出した電気ケトルでお湯を沸かすと、お湯を注ぐだけで出来るカップスープを作ってカーネリアに渡した。



「あ、これ美味しいわね」


「気にいったなら良かった。まあ、ゆっくり飲め」



 カーネリアに渡した後、俺達もカップスープを作って飲んだ。カーネリアはこのカップスープが気に入ったようで、もうひとつ飲んでいた。


 そうして落ち着いた所で、俺達は本題に入った。



「…………少し落ち着いたな。なら、お前には何があったのかをちゃんと聞きたい」


「いいわ。最初から話すわね」



 カーネリアの話によると、襲撃は俺達が城に向かった二時間後に起きたらしい。突然、屋敷の周囲を囲む塀の一部に魔法を撃ち込まれ、その直後には屋敷全体を聖なる結界が覆った。


 敵に真っ先に気がついたのはモンテナで、モンテナは直ぐにフレンド・チャットを使って襲撃を伝えると、敵の姿を確認し、更に屋敷にいるメンバーのフレンド・チャットに指示を出した。


 モンテナは当初、敵の狙いはドゥルクだと思ったらしい。聖属性の結界を張られ、敵に死霊使いや神官の姿を見たのだからそれは仕方のない事だ。


『◇キャンピングカー』には、近くにいたアルグレゴ小隊の兵士が駆け込み、これによってまずドゥルクは封じられてしまったが、キャンパーがドローンを展開した事で人数の不利は抑えられた。


 ドローンを展開し、防衛用ドローンで足止めをしつつ攻撃用ドローンの銃器を使い敵を無力化していくキャンパーは、「戦わなくていい! 奴隷のガキを探せ!!」と言う敵の言葉を聞いてそれをドローンの通信網でモンテナ達にも伝えた。



「私はその時、ちょうどニッカとダッカの二人と一緒だったの。だから二人を護るために色んな手を打ったんだけど…………」



 敵の中に三人程、かなりの強者が紛れていたらしく、カーネリアの近くにいたドローン達も破壊され、カーネリアの魔法は逸らされた。


 だが、敵としてもカーネリアの存在は厄介だったらしく、敵は拐うのを一人に絞り、ダッカに向かって強力な魔法を放った。


 カーネリアはそれを相殺しようとしたが力が足りず、最後は自分の身体を盾にしてダッカを護ったらしい。


 そして、敵がニッカと共にダッカをも拐おうとしたその時に、アレスが到着した。


 アレスが来た事により、敵は俺達も来ると予想して撤退。アレスの足止めに一人残して去っていった。この後に、俺達も現着したわけだ。



「敵の狙いはニッカとダッカだった。…………って事は、間違いなく二人を拐わせた奴だろうな。何か目的があって拐わせていたのか…………」


「それに、この国の上位貴族が犯人ですね。俺も実際に剣を交えましたが、あの強さの刺客をあれだけ揃えるのにはかなりの金が掛かります。それに、ドゥルク翁の事も知っていたとなれば、間違いないでしょう」


「ガモン様。陛下や宰相様に伝えておいた方が良いのではないですか? 誰が犯人か解りませんから、フレンド・チャットを使うのがよろしいかと」


「そうだな。あぁそうだ、カーネリア」


「なに?」


「ダッカを護ってくれてありがとう。もし嫌になってなければ、改めて仲間としてよろしく頼む」


「もちろんよ。ニッカも取り返さないといけないし、ガモンが嫌だと言ってもついていくわよ」



 俺はカーネリアと向き合って握手を交わすと、カーネリアをフレンドとして登録した。カーネリアは命がけでダッカを護ってくれたんだ、これで信用しないなんて事は、あり得ない。


 俺に頼もしい仲間が、また一人増えた。

面白い。応援したい。など思われましたら、下の☆☆☆☆☆から評価をお願い致します。


モチベーションが上がれば、続ける力になります! よろしくお願いします。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ