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196回目 金の話をしよう

 昨日、感想で『我聞はスキルにお金を入れまくっているけど大丈夫なの? 無くなるんじゃない?』という内容がありましたので、今日はお金の話です。


 ちょうどタイミング的にも違和感なく入れられそうだったので良かったです。


 あまり深く考えずに、読んで貰えると幸いです。この世界はこうなんだなー、くらいでお願いします。

 金があるからとテンションが上がって、誘惑に負けて買ってしまった『☆5装備確定チケット』。せっかく買ったのだから使ってしまおうかと手に持った所で、俺はふと疑問を覚えてしまった。



「……………………うぅん?」


「どうしたの、ガモン。はやく使って見せてよ」


「…………いやさ、ちょっと気になって…………」


「…………?」



 急に動きを止めた俺を見て、仲間達の視線が集まった。…………うん。気になるし、『☆5装備確定チケット』を使う前に聞いてみよう。



「何が気になったのですか? ガモン様」


「俺さ、かなり大量に金貨だの白金貨だの白金板だのとスキルに入れてるんだけど、よく考えたらコレ大丈夫なのかなって…………」


「…………と、いいますと?」


「いやだからさ、お金の流通的にって言うか、無くなったりしないのかなって」



 俺の言葉にシエラ達はそろって首を傾げた。


 え!? ウソ、通じない? ごく普通の疑問だったと思うんだけど!?


 って言うか、よく考えれば今までも結構つぎ込んでいたのに誰にも突っ込まれなかった。大商人である筈のゲンゴウすらスルーだったのは、おかしくないか?



「ちょっと何を言ってるのか解らないんだけど。お金が無くなる訳ないじゃない。国で管理してるのよ?」


「いやいやいや。カーネリア、そうじゃなくて。こうさ、国が作ってそれが回っているのは解るんだよ。でも俺のスキルって金を飲み込んでいるだろ? だから、無くなった金はこの世から消える訳で、そうするとドンドン減ってくだろ?」


「減らないわよ? だってお金ってそういう物でしょ?」



 あれ? 話が通じない。なんか凄いスレ違いを感じるんだけど、なんだコレ?



「えーーっと、まずお金って国が作るだろ?」


「お金を作るのはダンジョンでしょ? 国はそれを管理しているだけじゃない」


「おぉっとぉ!?」



 ダンジョン!? え、何! お金ってダンジョンで出来るの!? ダンジョン産なの!?


 …………はい。結論から言うと、地球とこの世界では、そもそもお金の作り自体が違いました。いや、そりゃ話が通じないわ。


 取り敢えず俺は、地球の…………と言うか日本における貨幣の流通の話をした。とは言っても俺が解る範囲での話だ、そんなに詳しい事は俺には解らないからな、興味持った事もなかったし。



「…………へぇーー。大変なのね。そんなんじゃすぐに資源が無くなっちゃうんじゃないの?」


「確かにな。それに比べて、こっちはダンジョン産なんだよな。そうなると資源はいらないし作る手間もないのか。そう考えると便利だよな」



 この世界の貨幣は、全てが特定のダンジョン産である。このダンジョンは様々な場所にあり、その全てをそれぞれの国が管理している。なぜならそのダンジョンからは、貨幣しか出て来ないからだ。それが宝箱からでもモンスターのドロップでも、貨幣しか出て来ない特殊ダンジョンが、各国にある訳だ。



「…………よくそんな怪しげな物を世界の共通貨幣なんかにしたな。俺だったら意地でも避けるぞ、それ」


「まあガモン殿の言う通りで、最初は避けていたらしいですよ? ですがこの貨幣は特殊で一切の加工が出来ない上に、特殊なスキルを使う事で管理も楽だったんですよ」



 このダンジョン貨幣は、金貨や銀貨などあるが実際は金でも銀でもないらしい。ダンジョンから無限に出て来るなら溶かして延べ棒にすれば…………。なんて考える奴はやはりいる訳で、実際にやってみたところ金貨は塵となって消えたのだと言う。


 さらにこの貨幣は、『セクレタリー』と言うスキルで簡単に管理が出来る。そのため国の財務省に勤めるには、この『セクレタリー』保持者である事が絶対条件なのだそうな。



「この『セクレタリー』のスキル持ちが国にある貨幣の流通量を把握すると、ダンジョンから貨幣が産出されるのよ。国内の貨幣が多いとダンジョンから出る貨幣は減って、逆に国内の貨幣が減り過ぎると、ダンジョンから多く貨幣が出て来るようになるわ。だから『セクレタリー』のスキルはダンジョンの意思と繋がっているって言われているわね。国はこの『セクレタリー』から報告を聞いて、そのダンジョンに兵を派遣するのよ」


「このような性質を持つのは貨幣が出るこのダンジョンのみですね。俺の国にいたダンジョン研究家は、そもそもこの『セクレタリー』というスキルを生み出したのがダンジョンであり、このダンジョンは貨幣と『セクレタリー』というスキルを持って、国に寄生している『寄生型ダンジョン』なんて事を言っている人もいましたよ」



 この貨幣の性質と『セクレタリー』のスキルがあれば、偽金を作ったとしてもすぐにバレるし、この貨幣は、要するに魔力で出来ている。


 実際に、俺のスキルみたいにお金を要求してくるスキルは他にもあるし、この貨幣が無いと動かないダンジョン産の魔道具なんてのもあるそうな。


 …………この仕組みがあるから、俺がスキルにどれだけ金を使っても、誰も何も言わなかった訳だな。この世界においての貨幣とは、スキルや魔道具に普通に使われる物だった訳だ。


 …………ダンジョンから手に入る貨幣を国が『セクレタリー』のスキルで管理する。それから国が提携する各種ギルドに渡って流通が始まる。そして税金などで戻って来る。ってのが流れだけど、ここにスキル等で消費されるってのも加わる。消費された分はまたダンジョンから産出されて、国の管理に戻る。


 …………頭が痛くなってくるけど、取り敢えず使っても問題ないって事で納得しよう。考え過ぎるとドツボにはまりそうだし、こういうのは何となく知ってるくらいで丁度いいよね。


 簡単にいえば、この世界の貨幣はダンジョンが魔力で作っているし、ダンジョン自体は国が管理しているから、少々スキルに使った所でそう簡単には無くならないって事だ。

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