表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
175/607

175回目 モンテナの討伐指導

「違う! 相手をよく見て判断しろ! 初めて対峙するモンスターでも、その行動をよく見れば対処方法はおのずと見えて来る! 戦いながらもしっかり観察しろ! 敵が無意識にでも庇っている場所があるだろう、そこを攻めるんだ!!」


「おう!!」



 モンテナの指導を受けながら、俺はモンスター化した樹木であるトレントと戦っていた。


 ちなみに戦っているのは俺一人だ。最初はシエラとアレスの三人で戦っていたのだが、時には一人で戦わないと自分の強さを勘違いすると指摘を受けて、今は一人ずつ戦っている。



「無意識に庇っている所と言われてもな…………」



 俺は、モンテナの言っていた事を踏まえて改めてトレントを見る。トレントは針葉樹のモンスターであり、太い根っこをワサワサと動かして移動して来る。


 攻撃方法は伸ばした枝を振り回したり叩きつけたりするものと、鋭い葉や固い実を投げつけてくるもの、それと風魔法である。


 この風魔法がかなり厄介なのだが、つい先日、とうとう☆5装備『七星の盾』の熟練度がMAXになった事で、俺のスキルには永続スキルの『物理防御+100・魔法抵抗力+100』が付いている。永続スキルは装備する必要なく継続的に俺のステータスにプラスされるので、俺は一気に硬くなったのだ。こんなトレントの風魔法ぐらいなら、直撃してもダメージを負わない程度にはな!


 なので俺は敵の風魔法は一切無視してトレントと戦っている。叩きつけられる風で押される感じはあるが、風の刃でも切られる事はないので、そのまま戦えるのだ。


 そしてトレントの胴体にある、顔のような切れ込みが入ったコブを狙っていたのだが、ここで俺は気づいた。トレントは常に、その顔の正面を俺に向けていると。



「もしかして…………!」



 常に俺に対して正面を向いているトレントにフェイントをかけて横へと回り込んだ。するとトレントは、慌てた様子で木の根をワサワサ動かし、俺に顔のある正面を向けて来た。


 コイツあれだ。正面を常に向けてるのは戦う為と言うよりも、俺に背中を向けないようにしているんだ。つまり、コイツが庇っている場所が背中にあると言う事だ。



「そうと解れば!!」



 俺は右に左にと動きながらトレントの攻撃を誘い、トレントが放って来た大振りの一撃を躱すと、素早く横を通り抜けてトレントの背中側に回った。すると、トレントの顔があるちょうど反対側にも小さなコブがあり、そこには逆三角に並べられた丸い穴が顔の様に配置されていた。



「これが弱点だな!! でやぁっ!!」


『グオォォーーーーム!?』



 俺は☆4『重撃の大ナタ』を振るってトレントの弱点に叩きつけた! するとトレントは体をビクリと震わせると、その枝や根っこを縮こませて前方にバタリと倒れた。



「よーーし、よくやった! だが避けれる魔法は避けろ、眼に魔力を集中させれば魔力の動きで魔法を撃つタイミングが分かるから、そう難しくはない筈だ! それとトレントは倒した後に必ず倒れるから、倒したと確信したら直ぐに離れろ、巻き添えを喰らったら結構ダメージをくうぞ!!」


「はい!!」



 モンテナからしっかりとダメ出しも貰ったが、それでも一人でやりきった満足感に浸っていると、シエラがタオルを持って来てくれた。



「お疲れ様ですガモン様」


「ああ、ありがとう。ステータスが上がったからか、結構動ける様になってきたな。次はシエラだっけ?」


「はい、行って来ます」


「おう、頑張れよ」



 俺と入れ替わりに今度はシエラがモンスターと戦う。その次はアレスで、それが終わったらまた俺だ。一人二回ずつと言っていたからもう一周だな。



「ガモン殿、始めますよ」


「はーい」



 本当はシエラやアレスの戦いも見たい所だけど、そうもいかない。俺は次の出番が回って来るまでにトレントの素材を回収しないといけないからな。これも勉強だ。



 素材の回収を教えてくれるのはアルグレゴ小隊の副官イージドだ。トレントはデカイので、他の兵達も手伝ってくれた。



「まずトレントは弱点のコブにある魔石を取ります。これは倒して直ぐに取らないと、トレントの中に魔力を流し続けて新しい若木を作ろうとするので、倒したらすぐに取ってください。植物系のモンスターは大体そうなので、植物は倒したらまず魔石! と覚えておくといいですよ」



 イージドに言われてトレントの弱点を割ると、中から緑がかった魔石が出てきた。大きさはゴルフボールくらいで、トレントの体から考えると小さい気がする。イージドは色のついた魔石は属性を持っているので高く売れると、俺の幸運を喜んでくれた。


 魔石を取ったら枝葉を落とし、丸太にして完成だ。トレントの木材は『トレント材』と言われて重宝される為、ギルドでの買取価格も高い。ただ、このデカさだから中々持ち運べないので、基本的に冒険者はトレントを狙わないそうだ。


 トレントを狙うなら、丸太が入るだけの『マジックバッグ』が必要になるからな。まあ、ギルドでも金さえ払えばマジックバッグを貸してくれるらしいけど。


 ちなみに俺の方に問題は無い。確かに俺のスキルの倉庫にはガチャアイテムしか入らないが、俺には『◇キャンピングカー』がある。『◇キャンピングカー』が出ている時だけの限定だが、キャンパーに頼めば『◇キャンピングカー』の倉庫に仕舞っておいてくれるのだ。


 フハハハハッ! ちょっとトレント狩りでもしちゃおうかな。大分儲かりそうだ。

面白い。応援したい。など思われましたら、下の☆☆☆☆☆から評価をお願い致します。


モチベーションが上がれば、続ける力になります! よろしくお願いします。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ