103回目 VSクリムゾン・アント
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「火の精霊よ、我らに加護を与えたまえ! 『火精の加護』!!」
クリムゾン・アントの体から発っせられる熱で周囲の景色が歪んでいるのを見たシエラが呪文を口にすると、シエラが掲げた両手から溢れた光が弾け、俺達の体に赤い紋章が浮かんだ。
「加護をかけましたので熱に対する耐性が付きました! ですがそれほど強力な訳でもないので、ご注意を!!」
「わかった! サンキュー、シエラ!!」
『マスター! クリムゾン・アントの片方は防衛用ドローンで撹乱します! その間にそちらを倒すことを推奨します!』
「よし! トルテ! アレス! やるぞ!! シエラは援護を頼む!!」
「「おう!!」」
「了解です!」
回復も出来るシエラを後衛に回し、俺達は三人でクリムゾン・アントを囲んだ。アカメアリと違ってコイツは単体でEランクのモンスターだ。オークやフォレストウルフがFランクである事を考えると、それよりも一段階強いのだ。油断できる相手じゃない。
クリムゾン・アントからはジリジリとした熱を感じるが、シエラが掛けてくれた耐性のおかげで無視できるのがありがたい。俺達はクリムゾン・アントの牙や尻の毒針に注意を向けながらも、クリムゾン・アントに襲いかかった。
『ギイィーーッ!!』
「…………ぐっ!? クソッ! 硬ぇ!?」
俺がいま使っているのは☆3の『バスタードソード(+4)』で、ここにバフが付き、更にはスキルとして『力+10%』『体力+10%』『剣術の心得(初級)』『斬撃強化(小)』なども付けてあるのに、俺の攻撃はクリムゾン・アントの甲殻にはキズひとつ付かなかった。
そしてそれは、トルテやアレスも同じだったらしい。まったく、コイツの硬さはどうなっているんだ!? トルテやアレスの武器に至っては☆4の武器だぞ?
「クリムゾン・アントの甲殻は斬れません! 狙うなら頭と胴体の繋ぎ目、つまり首です!!」
「そりゃ解ってるさ! 甲殻がデカ過ぎて首が狙えないんだよ!!」
「なら俺が行きます!!」
「アレス!?」
アレスは俺達に宣言すると、手に持った『反射の盾』を前に出してクリムゾン・アントに突っ込んだ! アレスの狙いはクリムゾン・アントの頭で、頭に横から強い衝撃を受けたクリムゾン・アントは、頭を大きく横に曲げさせられて弱点である首を晒した。
「ナイスだアレス! うおりゃあっ!!」
俺はアレスのおかげで丸見えになったクリムゾン・アントの首めがけてバスタードソードを振り下ろす! そしてその一撃は、見事にクリムゾン・アントの首を叩き割った!!
『ギィィッ!?』
短い断末魔を上げて一匹目のクリムゾン・アントが倒れる。しかし、クリムゾン・アント自体はまだまだいるのだ。油断はできない。
だが、クリムゾン・アントの倒し方だけは今ので学習できた。俺達は続いて来る二匹目も同じ方法で倒す。ただし、今度はクリムゾン・アントの頭に突撃したのは俺で、首を斬り落としたのはアレスである。
『第二波、来ます! 数は同じく二体!』
「キャンパー! この盾を使え!」
再び防衛線を越えるクリムゾン・アントが迫る中で、俺は『ガチャ・マイスター』の倉庫から『ド派手な盾(+4)』を二つ出して防衛用ドローンに持たせた。
何故なら、先程クリムゾン・アントを一匹抑えていた二台の防衛用ドローンが、体を張って足止めしていた為に、その機体に備え付けられた盾がボロボロになっていたからだ。
『了解しました!』
俺が防衛用ドローンに持たせた☆3『ド派手な盾』は、スキルが一段階だが解放されている。そのスキル名は『クギヅケ』と言い、『一定確率で相手の視線を盾に固定する』という効果である。囮となって足止めをするには丁度良いスキルだ。
「ガモン! 今度は俺が倒したいから、もっとデカイ武器をくれ!!」
「お前にやったの☆4の武器なんだけどな。まぁいいけど」
俺が防衛用ドローンに盾を渡していると、トルテがデカイ武器がいいと言い出した。なので☆3の『マチェットナイフ(+4)』を新たに渡した。ナイフはナイフだが刃渡りが長いから、これならイケるだろう。
そしてシエラのバフや回復を受けつつ、第二波、第三波、第四波とクリムゾン・アントを始末していく。一応、攻撃用ドローンもクリムゾン・アントを攻撃し続けているのだが、敵が硬いのと、使い勝手がいいからと数を優先して『〇〇の弾丸』シリーズを一切強化していなかったのが裏目に出て、クリムゾン・アントには有効的なダメージを大して与えられていなかった。
そのせいでクリムゾン・アントの数は中々減らないのだ。アカメアリはすでに全滅しているが、それは主に殺虫剤のおかげだろう。
そして第六波を倒しきり、この戦いに終わりが見えて来た所で、新たな問題が発生する。
「あ、あれ? …………な、なんだ…………?」
「うぅ…………。か、体が…………?」
「お、おい? トルテ! アレス! どうした!?」
トルテとアレスの二人がフラフラと後退り、急にパタリと倒れたのだ。
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