ファイアリー
なんて無責任な女神だよ…
そう思いつつも、どうせまた人間になれるだろうと思っていたから、軽い気持ちでいた。
人間の時に得たスキルは、「言語」。すべての言葉が分かるようになったようだ。
今は、―――って、め、女神!?
「あら、また会いましたわ。」
「ゴートニンフィ!?」
「ええ、そうよですわ。まさかあなたが女神になるとは思ってもみませんでしたわ。」
「それは私も一緒だ。」
「ところで、あなた名前はなんですわ?女神誕生を役所に届けださねばならないですわ。」
語尾、必ず「ですわ」にするんだな…
「無視するのですわ?」
「あっ、いや、名前が無いんです。」
「そういうことですわね。それなら中級女神ゴートニンフィの責任であなたの名前を決めていいですわ?」
「はい、もちろん!」
と、言いつつ、内心、本当はもっとお偉いさんのほうがいいなぁと、思っていた。まあ、知ってる、信用できる女神はまだゴートニンフィだけだし良いかな、と思ってOKした。
「中級女神、ゴートニンフィの名において、新女神に『ファイアリー』の名を授ける。ですわ。」
どうしても「ですわ」って付けたいんだな。
「あなたがもともと炎の精霊だったから、ファイアーと、フェアリーを合わせて、『ファイアリー』
ですわ。」