第四話(たちばなもみじ)
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私はたちばなもみじ。最近、気になっている人がいる。そう、おおもりさん。
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なぜ好きになったかって、それは一途なところ。お姉ちゃんを愛する気持ち、その純粋な気持ちに恋をした。
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最近、おおもりさんがよくお墓参りに来る。気になったので聞いてみた。
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「おおもりさん、なんで最近、頻繁にお墓参りするの?お姉ちゃんと夢の中で会ってるんでしょ?」
「共有夢は永遠に続かないんだよ。だからこうして会いに来ている。」
「これは本当にお姉ちゃんが望んだことなのかな?」
「もみじちゃん、急にどうしたの?」
「お姉ちゃんが好きな気持ちはわかるけど、このまま一生結婚もせず、独身でいるつもりなの?」
「ああ、そうだよ。」
「もう知らない。」
私は帰った。
044
その日の夜、私は考えた。近くにいる私よりもこの世にいないお姉ちゃんの方がいいなんて。でも一途なところにひかれたんだから。私は電話をした。
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「さっきはごめんなさい。」
「いいよ、僕の方こそごめん。僕の将来を心配してくれたんでしょ、ありがとう。」
「なんか、ちょっと違う。」
「え。」
「もういい。」
私は電話を切った。