救助!
登場人物
ライル:精霊使い。黒髪の華奢な男性。称号『暴発乱舞』
ユイナ:豹族の獣人。真紅の髪と瞳を持つ女性。称号『紅』
真紅の髪をなびかせ同色の瞳を持つ女性
フラウ:アルマジロ系獣人。金髪に緑の瞳の女性。体の一部に鱗。称号『月ノ環』
以上3人のパーティ名:『紅月の舞』
ポルゴ:タヌキ獣人の男性。美味しい食材を求め同行する料理人
ヒルド:ユイナの同族の戦士長
ターミャ:虎族の獣人。イエラガ男爵の第3夫人の娘
バロ,カロ:元軍馬。黒い牡馬がバロ、茶色の牝馬がカロ
「うわっ危ない!」
ライルが飛びかかってきた10才くらいの豹族の女の子を避けると、女の子は直ぐに振り向いて掴みかかってきた。それを何とか抑えようとするが、自分が傷つくのも気にせず目一杯振り回される腕や足は10才の女の子と言えどとても抑えられるものではなかった。
「僕に任せて!」
ライルがもみくちゃになりながら対応していると、プーカが女の子に向けて手をかざしながら闇魔法を唱えた。すると、女の子の体から黒い靄が弾き出されるように出ていき、あれだけ暴れまわっていた体から力が抜けた。さらにプーカが唱えると、女の子は深い眠りに落ちたのだった。
一息ついたライルが周りを見渡すと、いたる所で争いが起こっていた。
そして集会場の中から、準備を終えたユイトとターミャ達それに族長が、一気に激しい戦いの音が聞こえてきたのに驚き飛び出してきた。
「何が起こっている!?」
「どうやらユイナ達が向かった方向から闇の精神支配の魔法が集落全体に飛んできたようです!何か混じってるみたいなので、ドリアードの魔法かも。…ユイナとフラウはどうなって……いえそれより、操られている者が多くてかなりまずいです!」
ライルが焦りと心配の入り混じった顔で状況を説明すると、
「むぅ!それで免疫のない女・子供や老人が仲間に襲い掛かっているのか!!内と外から攻められたら一気にやられるぞ…ユイナとフラウさんは心配だがここは信じて、一刻も早く収めねば…何か手は……」
と族長とユイトが焦った顔で周りを見渡し、状況の把握と何をすべきか、何か良い手はないかを探し始めた。
ターミャはライルの傍の女の子に気づき、
「その子は?」
とライルに問いかけた。
「とりあえず近づいて魔法を使えば、この子の様に一人ずつ直すことはできるのですが…」
とライルが答えると、
「それは助かる!…けど、一人一人だと……」
と時間がかかり過ぎることに苦しげな表情となった。
するとそこへバロとカロの馬車を操ってポルゴが現れた。
「ライル、この子達どうにかならないかも!?」
そう言ってポルゴが荷台を開けると、そこには子供達が5人苦しげな表情で寝転び、呻いていた。
「この子達は?操られていない!?」
「子供達を避難所に連れて行こうとした時に、まっ黒な靄が覆い被さってきたから、急いで馬車に積んであった状態異常用のポーションを飲ませたんだも!」
「すごい!直ぐ治すよ」
急いでライル(プーカ)が治療をして、先に治してた女の子と一緒に集会場に運び込んだ。
そして、あまり動けない族長に集会場の守護についてもらうことになった。
「うむ、ここは儂に任せよ。ユイトよ、とりあえず、やれることをやっていくぞ!ターミャ様、ライルさん、ポルゴさん、そして騎士の方々、ユイトと一緒に、まずは挟撃されている柵の守備隊の方へ助けに向かってくれ。」
「分かりました、行ってきます!ターミャ様や騎士の方々は状態異常用のポーションを持って暴れるのを抑えて下さい。ライルさんは抑えられた人から治して下さい。ポルゴさんはライルさんが治した人を馬車に乗せて、集会場へ運んで貰えますか。」
「「「了解!(も!)」」」
そうして柵の方へ向かったライル達は、混乱しまくった守備隊の助けに入った。
「ポーション持ってきた!一人一人抑えるよ!」
ターミャが大声で周りに伝えながら、守備隊と取っ組み合っていた人を後ろからヘッドロックしてポーションを飲ませた。そしてそれに続くようにユイトと騎士達も暴れる人達を抑えていき、ライルが治してポルゴと一緒に馬車に乗せていった。
「ありがたい!」「助かった!!」
助けられ息を吹き返した守備隊も加えながら、鎮圧して馬車が一杯になるとポルゴに集会場まで輸送してもらうのを繰り返したが
(数が多すぎる!間に合うか!?)
とライル達は焦りを感じ始めていた。
そして門に近づくと、戦士長のヒルドが門を守る戦士達の方へ行かないように、立ち塞がって3人の相手をしているのが目に入った。その足下には既に2人が気を失って倒れているようだったが、がむしゃらに向かってくる3人に力加減をしながら対応しなければならず、ヒルドは押されているようだった。
「今助ける!」
即座にターミャとユイトが1人ずつ抑えると、ヒルドが残り1人を気絶させた。
「ヒルド、大丈夫か!?」
「…ふぅ。助かりました。こちらは何とか持ちこたえていますが、柵全体も部落内も厳しい状況です。他を助けに行って……なに!?」
その時、柵の向こうから今までにない明かりと音を感じ皆が見上げると、部落に向けて火矢が降り注いでくるのが見えたのだった!
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