水神竜ミラカナチとの再会
ライル達がまずは現地を見てみようと、依頼書に記載されている出現ポイントに行ってみたが、アリゲーターの姿は見えなかった。
それなら、近隣の情報収集をしつつ、水神竜ミラカナチとミリ,ミル,ミレの3姉妹に挨拶をしようということになった。恐らく問題ないと思うけど、依頼書のアリゲーターはミラカナチの管理流域に居たので、討伐して問題ないことも確認しとこうという話になった。
ライルが以前3姉妹に会った場所で呼びかけてみると、
「やっほー。元気してたー?」
と3姉妹が現れた。
「今日は何の用?また何か面白いことがあるの!?」
「いや、今日はこの近辺の討伐依頼を受けたので、以前お世話になったお礼に寄らせてもらったんだけど...。それよりも、まず、服を着てくれない?」
ライルは視線を彷徨わせながら、真っ赤になって呟いた。
3姉妹は魔族との闘いを経てBランクになったので半人半竜の姿となり、上半身が美しい少女になっていたが、透き通る様な美しい肌と大きく膨らんだ胸には何も身に着けていなかった。
「あれー、私たちが気になるの?ほらほら」
「ふむ。その反応は新鮮だな。ほれほれ」
「あはは。追い込みたくなるやん。うりゃっと...じゃあこんなもんか」
そう言ってライルを少しからかった後、3人は魔力で水のヴェールを作って、そのスタイルの良い豊満な胸を覆っていた。(まだかなり刺激的なんだけど)とライルは思ったが、下手に言うと面白がって更にギリギリを攻めてきそうな気がしたので、黙っていた。
「さて、からかうのはこれ位にして、母上の所に連れて行こうか?」
「うん。今日は私とライルとフラウとシズクの4人にゃ。どうやって行くにゃ?」
「前みたいに、カマチ呼んだら良いじゃん。」
「え~あれしんどかったし、できればもうちょっと穏便な方法が...。」
「じゃあ、私たちに乗っていく?」
良い笑顔で3姉妹から言われて、顔が引きつってしまうライル達だった。
「じゃあ...カマチを呼ぶ方向で...。」
ライルが風の精霊カマチを呼ぶと、カマチは
「お、また楽しいことがあるのか?俺の力が必要か?」
と嬉しそうな表情で周りを見渡し、3姉妹がいるのを見ると
「げっ!あいつら居るじゃん!この前ひでぇ目にあったんだからな。あいつらが謝らねぇなら俺は帰るぞ。」
とライルに隠れるように小さくなりながら、言っていた。
「あ...ごめんごめん。あの時テンション高かったから。」
3姉妹はそんなカマチを見て、少し反省して謝っていた。
そんな訳で仲直りした4人が、
「じゃあ、行っくよー!」
と、ライル達を空気を取り込んだ水球の中に入れて運んでくれたが、仲直りを楽しむの優先で運んだので、当然中は撹拌されてひどいことになっていた。
精霊達が存分に楽しんで到着すると、ライルとユイナは前回同様くたばっていた。
「ふえぇぇ〜。」
フラウはアルマジロ獣人の特性から丸くなって、転がされるのにも問題はなかったが、それに何度も潰されたシズクは、
「ぐぇぇ。前回ユイナに潰された時よりも硬いし、重っ…。」
と口走って、
「シズクさん、今重いって言いました?」
「いや、ほら装備がね…」
とニッコリ笑いながら迫るフラウに、必死に弁明していた。
その後3姉妹が呼びに行き、ライル達は水神竜ミラカナチと面会することができた。
「ミラカナチ様、お会いして頂きありがとうございます。また、先日はご助力、ありがとうございました。」
「うむ。良く来た。お主たちこそ、良く魔族を退けてくれた。この界隈の精霊達を代表して礼を言う。大儀であった。北の山のヴァルレオスも救って貰ったしの。」
「勿体無きお言葉、ありがとうございます。」
「でもミラカナチ様のご助力がなければ、ヴァルレオスさんで手詰まりだったにゃ。本当に助かったにゃ。」
「そうよな。ライル達にとってはこの出会いこそが、何よりの力であったな。と言う事は我のおかげでもあるな。」
と言うシズクに対し、
「まぁシズクの戯言は置いとくとして、実行して成し遂げたのはお主たちであるし、娘たちも成長させて貰ったしの。本当に感謝しておる。」
そして、フラウに目を向け、
「その方は、会うのは初めてよな。」
「はっはい。アルマジロ獣人のフラウといいます。これからライルさん、ユイナさんとパーティーを組ませて頂くことになりました。よろしくお願いします。」
「ふむ。念話では話しておったでの。人柄は分かっておる。よろしくの。」
そう言って、ミラカナチの威厳に満ちた姿に緊張しているフラウに、優しく微笑むミラカナチであった。
「して、娘たちの話によると、依頼で近くに来たとの事であったが。」
「はい。実は本流にいたアリゲーターが、この前の川が暗くなった時に、街の近くの支流に迷い込んだみたいで、家畜が襲われているので討伐して欲しいとの依頼を受けました。そこでそのアリゲーターなのですが、討伐してしまっても問題ないでしょうか?それとも元の場所に逃がした方が良いでしょうか?」
「ふむ。環境が壊れたりしない限り、妾たち精霊は基本的に物質界に干渉はしないからの。好きにしてくれて良いぞ。まぁ迷い込んだ原因は妾にもあるので、迷い込んだ後に必死に戻ろうとしてるなら行先を示すぐらいしても良いのだがな。迷い込んだ先で生存競争をしてるなら、不干渉である。」
「分かりました。では気兼ねなくやらせて頂こうと思います。」
「うむ。娘たちの力も契約して使うのなら問題ないぞ」
「はい。ありがとうございます。ただ3人のパーティーとして初めての戦闘なので、まずは3人で確認しながら戦って、困ったら頼らせて頂こうと思います。」
そう言うと、3姉妹が
「困ったら私達に任せて〜。」
「ふふふ。秘密兵器ってことね。」
「あー強くなった力、試したくてウズウズするぜ。」
と乗り気だった。
その様子を見ていたミラカナチが、ふむ、と頷いて、
「頼みたいことがあるのだが、聞いてくれるか。」
と言ってきた。
「はい。私達にできることであれば。」
「うむ。良ければ、北の山のヴァルレオスの所に、娘たちを連れて行ってくれないだろうか。ヤツはあの後の詳細を聞きたいであろうし、妾としてはお見舞いと、娘たちの成長した姿も見せてやりたくてな。妾は動けぬし、昔は向こうから来てたから、娘たちはヤツの場所を知らぬのだ。」
「それでしたら、私達もお礼を言いに会いに行きたいと思っていましたので、是非やらせて下さい。」
「うん、是非やりたいにゃ。それと、ライルの両親のカイルとミチルも連れて行くと、ヴァルレオスさんが喜びそうだけど、そうしても良いかにゃ?」
「そうか。助かる。ライルの両親を連れて行くのももちろん賛成だ。」
「やったー、また旅ができるの!?」
「「楽しみ!」」
その喜ぶ娘たちを見たミラカナチは、
「もう1つ良いかの。これは無理することなく断ってくれて良いのだが…」
と少し申し訳なさそうに仰った。
「はい、何でしょう。」
「うむ…。娘たちであるが、成長し独り立ちするためには、色々な所へ行って見聞を広めるのが必要と思っていたのだが、まだ幼いとも思っておったのだ。しかし、今回の結果を見るに、早すぎると言う事はないと思ってな。もし良ければ、北の山だけでなく、遠くに行く時に、連れて行ってくれないか?いや、あいつらが大変なのは分かっているのだが…」
「良いですよ」
「良いにゃ」
「旅が賑やかになりますねー」
「いや、無理言って…なに?誠か?」
「「「やったー!」」」
「考え直すなら今だぞ?」
「大丈夫です。まだ遠くに行く予定は無いですが、行く時は必ず連絡します。その前にまずは北の山ですね。」
「であるか…そこまでして貰えるなら、妾もそれなりの事をせねばな。…ならばお主達を、妾の精霊の里に招待しよう。」
「何!我も行ったことないぞ!」
「うむ。シズクは別に来なくて良いぞ。」
「待て待て!それはあんまりだ!」
「ハッハッハ」
こうしてライル達は、水神竜の精霊の里に行くことになったのだった。
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