対魔族戦5!
魔族アグロスが自らの血を触媒に行った爆破攻撃により、アグロスの背後以外の地面がクレーター状にえぐれ、その威力の高さを伝えていた。
「ぐっ…」「あぁ…」「うにゃ…」
これに巻き込まれたライル達は、危険を察知した複数の精霊がとっさに防壁を張ったので、何とか致命傷を免れていたが、精霊を含め皆一様にボロボロで、地面に横たわり呻いていた。
「げほっ、はぁ……まさかこの技を使うことになるとはな…。」
爆心地で唯一立っているアグロスは、ふらつきながらも、立ち上がる者がいないのを見て取ると、
「ハハハッ!…なかなか手こずらせてくれたが、俺の勝ちだ!!」
と哄笑をあげていた。
次の瞬間、上機嫌のアグロスは、背中にトスッと何かが刺さるのを感じた。
すると、アグロスはゲンダラールの身体からバンッ!とはじき出されたのである!!
アグロスの背後に現れたのは、フラウに抱きかかえられた状態で、護身用の短剣を手にしたフェントール王子だった。風の精霊カマチの助力を得たフラウが、アグロスの隙をついて王子を抱えて突貫していた。
そしてその短剣は、フェントール王子とゲンダラールがお互いの理想に共感し、一緒に国のために動き出した当初に、ゲンダラールから王子に護身用として贈られたものだった。ゲンダラールが作った物なので、ゲンダラールと親和性が非常に高く、ゲンダラールの意識も呼び覚ましたのか、これ以上ない破邪の効果を生み出していた。
崩れ落ちるゲンダラールの身体と、そこからはじき出されたもや状の物体に対し、
「どうだ!これは私のためにゲンダラールが作ってくれた破邪の短剣だ!」
とフェントール王子が目に涙をためながら、思い出の短剣を握りしめ、叫んでいた。
地面に這いつくばって、この状況を見ていたライルは、水神流ミラカナチから念話で、
[皆の者、待たせたな。我が流域中からかき集めた光精霊が、この最高の局面に到着したぞ。妾の凝縮した力も一緒に送っておる。ライルよ、召喚して存分に使ってくれ!]
と送られてきたのを聞き、仰向けに転がった状態で、
「僕はライル!光の精霊、力を貸して!」
と叫んだ。
すると、高速で飛んできた大きな水球の中から、50体ほどの光の精霊が現れた。
その中で一際輝く、天使のような姿をした光の精霊が手を掲げると、50体の精霊と大きな水球の魔力が、掲げた手の先に集まっていった。
その眩いばかりの魔力が槍状に変形すると、
「くらえ、聖なる水神竜の投槍!!」
掛け声と共に、光り輝く巨大な槍が、もや状のアグロスを覆い尽くし、欠片も残さず圧し潰した!
「ヌアァァッーーー!!」
絶叫の後、槍の光が収まると、アグロスだったものが薄れ、小さくなっていっていた。
「ハハッ見誤ったな……あれだけの者達を引き込むとは…あれだけの数を使役できるとは……、人の連携も……宿主の意思も……。まさか…人間に……やられる……とは…な。
……まぁ良い…存外、楽し……かった。ライルと言ったか……胸に…刻んで……おこう…ハハ…ハ……」
そう言い残すと、魔族アグロスは消え失せたのだった。
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なお、
魔族戦に出てきた金色の獅子はBランク、天使のような姿をした光の精霊はAランクを想定しています。
宜しくお願いします。




