表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
53/100

屋敷潜入と王子

 フラウは、魔道具と共にゴロゴロと転がったあと、しばらくしてからそろ〜っと立ち上がった。

 そう、魔道具と共に別荘の屋敷の前まで転がったのは、アルマジロ獣人の特性を活かして、体を丸まらせて頭を抱えたフラウだった。その上に、亀の様な土の精霊が岩のハリボテを施し、岩玉に擬態させていた。


 さかのぼること数瞬前、擬態した岩玉を土の精霊ドモグが土で作った大きな手でガシッと持ち上げた。

「ふぇぇっ!」

フラウの小さな悲鳴が漏れ聞こえたような気がするが、ドモグは気にせずイフリートのヴァルレオスの頭の横を通すように、思いきり投げつけた。

「ッーーーーー!!!」

声を漏らさないようにフラウが歯を食いしばって耐えていると、ヴァルレオスの横を通り過ぎる時に、

[大変だが、頼む。頑張ってくれ!]

と、ヴァルレオスから念話で声援を受けた。(王城で見てる人はにらまれたように感じていたが。)

 その後、ゲンダラールからは見えない(岩玉の陰になるような)位置で並走して飛んでいた風の精霊カマチが、場所と着地の勢いを調整し、屋敷の潜入に丁度良い位置まで転がったのだった。


「俺様のフォローと着地、完璧だったろ!いやーお前ら相変わらず激しくてオモロイわ!」

とフラウの隣では、風の精霊カマチがフフンと胸を張っていた。

「ふぇぇ。これが実績のある方法ってどんな旅ですか……。」

「ヒールいります?」

「大丈夫です、転がる時についた背中と、肘から手の甲まで、膝から下はうろこで頑丈なので…行きましょう。」


 こうして、ハリボテを外したフラウは、カマチとキラ(+フェントール王子)と共に屋敷に潜入するのだった。


・・・

[こちらフラウです。無事潜入できました。]

[了解。こちらシズク、爆発型の火の精霊も回収できたので、土の精霊たちと一緒に場所を移動しておく。キラ、焦るなよ。あと、ライルの両親の宝玉も探してみてくれ。]

[了解です。]


 フラウ達は、まず一番目立たないカマチが先行して偵察を行った。屋敷の中にはほとんど人はおらず、数人の警備兵とメイドが居るだけだった。進路に人が居る場合は、フラウが不意をついて絞め落とすか、キラがライトニングでしびれさせ、縛り上げた後、目立たない場所に放り込んで進んでいった。魔道具の撮影は、カマチが自分が映らないように気を付けながら行っていた。


 王子の案内の元、順調に進んだフラウ達は、(途中で敵に忍び寄ろうとしたフラウが、ドジを発動して花瓶を落としそうになり、慌ててカマチが支えたこともあったが、)王子の体がある部屋のすぐ近くまで来ていた。


 今居る廊下を進んで曲がり角を曲がれば、王子の部屋の立派な両開きの扉が10mほど先に見えるのだが、その扉の前には、2名の警備兵が立っていた。2人に気づかれずに倒すのは不可能なので、キラのライトニングの後、フラウが突撃することにした。

「ライトニング!」

キラの魔法を合図に、フラウが駆ける。

 キラのライトニングにより、1人は痺れて倒れていたが、もう1人はレジストしていた。その相手に向かってフラウが突っ込んで行く!

「フォローウィンド!」

駆けるフラウに対して、カマチが追い風の魔法を唱えた。

 これにより更なる加速を得たフラウが一気に間合いを詰め、タイミングが狂った相手の剣を叩き落し、その勢いのまま、硬いうろこのついた肘を相手の顔面にガンッ!と叩き込んでいた。そして、そのまま相手の頭を壁に叩きつけ、グシャッと肘と壁で挟み込んだ。その後肘を引くと相手はズルズルと崩れ落ちていった。


 倒れた2人の警備兵を縛り上げた後、フラウは王子の体がある部屋の扉を警戒しながら開いた。中に動く者がいないことを確認すると、フラウ,キラ,カマチの3人は部屋の中に入っていった。


 部屋には格式高い装飾が施されており、その中央には大きなベッドが置かれていた。そしてベッドの上には、生気が感じられず、微動だにしないフェントール王子の身体があった。


 キラがフェントール王子の身体に近づくと、その頬に触れた。すると、キラからあふれた光が王子の身体に移り、王子の身体が光り輝いた!部屋の中を温かく満たすようなその光が収まると、王子の身体に生気が戻り、呼吸する音が聞こえだした。そして、王子は目を開けると、キラを見上げ、

「キラさん…!ありがとう…!」

と感涙にむせんでいた。そして、ゆっくりと手を伸ばし、キラをたぐり寄せ、抱きしめたのだった。


お読み頂きありがとうございます。

ご感想やブックマーク等、頂けると嬉しいです。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

↑ページトップへ