闇夜の移動?
登場人物
ライル:精霊使い。黒髪の華奢な男性
ユイナ:豹族の獣人。真紅の髪をなびかせ同色の瞳を持つ女性
キラに匿われている魂:フェントール第2王子
フラウ:アルマジロ系獣人。シメノ伯爵配下の騎士。金髪に緑の瞳の女性
シン :魔術学院の教授でライルの師
精霊達
シズク:泉の妖精。分身なので力は0
キラ :光の精霊。黒髪を後ろに束ね腰から下が鐘のような姿の女性
水晶に封印されていた魂を匿っている
ドモグ:土の精霊、モグラが2足歩行しているような姿
カマチ:風の精霊。風をまとうイタチのような姿
ミリ,ミル,ミレ:水の精霊、水神竜ミラカナチの娘。蛇の身体に女の子の頭と両手がある
夕飯と充分な休息を取ったあと、真夜中過ぎにユイナとライルは動き出すのだった。
「さて、ライル頼むにゃ。」
「うん。僕はライル、土の精霊『ドモグ』力を貸して」
ライルが呼ぶと、随分と馴染み深くなったモグラが2足歩行してるような土の精霊が現れた。
「まずは、トンネル掘りだったな?」
作戦会議にも出て、面白そうだな!と二つ返事で協力してくれることになったドモグは、ノリノリで聞いてきた。
「そうだよ。とりあえず屋敷からばれないように出ないとね。」
「ふむ。直径60cmくらいでいいよな?」
「にゃ!狭いにゃ!幅は良いけど、縦はもっと欲しいにゃ!」
「できなくはないが...そうすると時間もかかるし、崩落する危険も出てくるぞ。」
「でも60cmだと移動が苦しくて、移動の方に時間がかかっちゃうにゃ!」
「そこはわしに良い案がある。任せるがよい。」
「うっ...嫌な予感がするにゃ...」
胸を叩くドモグに警戒心MAXになるユイナだった。
「さて、沢山掘るし、仲間を呼んどいたぞ。召喚してくれ。」
「うん。僕はライル、土の精霊力を貸して」
「「「「「おぉー!!!」」」」」
「あれ?仲間呼ぶなら、穴大きめでもいけるんじゃ...?」
「早速、気合入れていくぞー!!」
「「「「「おぉー!!!」」」」」
ライルの疑問の声を振り切って掘り進み始めるドモグたち。
「......」
「...ごまかされてるにゃ...」
・・・
そうしてしばらく経つと、ドモグが仲間の土の精霊と共に意気揚々(いきようよう)と戻ってきた。
「予定通り掘り終わったぞ!」
「どこら辺に出るにゃ?」
「もちろん、攻めるポイントに近くなるように、拠点の南にある町のさらに向こう側だ。」
胸を張って言うドモグ。
「え!?いや、遠すぎ!そんなにほふく前進とか無理だから!」
「大丈夫、わしに考えがあると言っただろう。名付けて激流スライダーだ。」
「はっ?…」
「…そんなんばっかりにゃ…」
大体予想していたユイナは、ケモミミと尻尾がへニョンと力なく垂れ下がるのだった…。
「風のカマチに聞いたが、お前ら川下り楽しんだらしいじゃないか。」
「楽しんでないにゃ…」
ライルは記憶がよみがえったのか、遠くへ行ってしまっている…。
「そこでわしらもやってみたくてな。ミリ、ミル、ミレという水の精霊呼べるらしいじゃないか。そいつらに水流を流してもらって、カマチのやつに空気もらって、暗い所が見えないお前達はキラの姉さんに照らしてもらえば、完璧だ!」
ドモグや土の精霊がウキウキしながら説明してくれた。
「アホばっかりだな。」
シズクがバッサリ言うと、キラは(バカですが、スピードは速そうですね…土の精霊の力は作戦でも重要なので、気分良くなってもらった方が良いし)と呟きつつ、
「作戦でも有効そうなので、予行練習と行きましょうか!」
と良い笑顔で言った。王子の「ファイトです〜。」という小さな声が、苦笑いと共に聞こえた気がした…。
ライルが真っ白な顔で、ミリ、ミル、ミレとカマチを呼び出すと、全員やる気満々だった。ドモグが楽しそうに
「大丈夫だって。ちょっと急カーブやアップダウン、ループがあるだけだから♪」
と言ってきたので、ユイナが
「じゃあ先頭はドモグのおっさんと、土の精霊たちでよろしくにゃ〜。」
とクッションを確保しつつ、超ハイテンションの精霊に囲まれて、
「フラウ、シン教授、では先に逝くにゃ〜…」
とライルと共に、夜中の高速ウォータースライダーに飛び込むのだった。
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