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新たな出会い!救世主!?

登場人物

ライル:精霊使い。黒髪の華奢な男性。

ユイナ:豹族の獣人。真紅の髪をなびかせ同色の瞳を持つ女性

キラに匿われている魂:フェントール第2王子

ガルク:魔術師団団長

精霊達

シズク:泉の妖精。分身なので力は0

キラ :光の精霊。黒髪を後ろに束ね腰から下が鐘のような姿の女性

    水晶に封印されていた魂を匿っている

 ライルを担いで逃げるユイナは焦っていた。

「とりあえず戻る方向に駆けてきたけど、どこに逃げればいいにゃ…」

 魔術師団団長ガルクの視線から逃れてからは、追跡をくためにキラとシズクも協力して森の中を細工しながら逃げているが、ライルが目を覚まさず、逃げ込む場所が決まっていない状況では、不安な気持ちが抑えられなかった。

「ふむ。この後この森一帯は、人海戦術でしらみつぶしに捜索されるであろうし、行方をくらますのも難儀よな。」

 シズクやキラ、フェントール王子もなかなか妙案は浮かばないようであった。


 ライルを担いで強行軍で長時間移動したユイナが、ふらつく足を何とか前に進めつつ辺りを探ると、水の流れる音が聞こえた。

「水音が聞こえる…来る時に通った川かにゃ?とりあえず、そこで水を確保するにゃ。」


 ユイナが気力を振り絞って、水音の方に向かうと、豊かな湧き水が小さな滝のように流れ落ち、泉となっている場所に辿り着いた。泉の水はそのまま川として流れていっているようだった。その心が洗われるような風景に近づいて行くと、先客がいた。シズクとキラはサッとライルの鎧に隠れたが、ユイナには素早く隠れる余裕はなかった。


 その者は細身の身体をプレートアーマーに包み込んだ、金髪のショートカットの女性だった。身長はユイナよりもやや高く、170cmくらいあるだろうか。泉のほとりの山菜や薬草を摘んでいた手を止め、こちらを向いた顔は柔らかな笑顔が似合う可愛らしい感じであった。


 今は重い足取りのユイナと背負われたライルを見て、その顔を驚きに染め、

「大丈夫ですか?」

と聞いてきた。

 相手に敵意がないことに安堵しながらも、巻き込めないと思ったユイナが答えられずにいると、

「わたしの勤めている屋敷が近くにあるので、そこで手当てをしましょう。」

と、近くに待機させていた荷車を引いた馬を連れてきながら寄ってきた。


「いや、しかし私達は……魔術師団に追われているので迷惑がかかるにゃ…会ったことを黙っていてくれるだけで助かるにゃ。」

とユイナが正直に言うと、

「犯罪者ではないですよね?」

と首を傾げて問いてきた。これに対し、

「犯罪者ではないにゃ!」

と答えると、

「なら、お助けします。わたしの雇い主のシメノ伯爵もこの判断に賛同してくれるはずです。逆に置いていったらわたしが怒られちゃいます。」

と言って、薬草や山菜を荷車に積み込み、帰る準備を始めた。

(魔術師団と反目していると言っていたシメノ伯爵!なら賭けてみるしかないにゃ。)と思ったユイナは、

「ありがとうにゃ。よろしくお願いするにゃ。」

と感謝を伝えた。すると女性は

「はい!」

と、花のような優しい笑顔で頷くのだった。


「荷車だと揺れがキツイから…あなた、えーと…」

「ユイナにゃ。」

「あ、わたしはフラウです。よろしくお願いします。で、ユイナさん、馬乗れますか?」

「乗れるにゃ」

「では、そちらの方を背負ったまま、馬に乗って下さい。で目立たないように、そのままわたしのサーコートを羽織ってもらって…」

と、深緑色のサーコートを渡してきた。ユイナがライルが落ちないようにタスキがけを締め直し、サーコートをライル越しに着ようとして苦労していると、フラウが荷車に乗ってサーコートを着るのを手伝ってくれた。

 ただ伸ばした手がぎりぎりだったのか、

「う~~~ん、それ!」

と言って手伝ったあと、フラウは足を踏み外して

「ふぇぇぇ~!」

と荷車から転がり落ちていた。

「あぁ、またわたしはドジを…」

という呟きが聞こえたが、フラウが赤面してささっと立ち上がっていたので、ユイナは(普段からよくドジってて気にしてるのかな?)と思いながら、

「何か音がしたけど大丈夫かにゃ?」

と気付かなかったことにした。



 その後、フラウの先導で周囲の警戒をしながら森を進んだ。森を抜ける手前でフラウが、

「屋敷は直ぐそこですが、見晴らしが良くなるので、念の為、荷車に隠れて下さい。」

と言った。

 ユイナがライルと荷車に乗った後、フラウが上からサーコートや薬草を乗せて2人を隠した。そしてフラウは馬に乗って、森を抜けてシメノ伯爵の屋敷に向かい、通用口から屋敷の中に入ったのだった。


お読み頂きありがとうございます。

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