戦闘勃発!!
登場人物
ライル:精霊使い。黒髪の華奢な男性。
ユイナ:豹族の獣人。真紅の髪をなびかせ同色の瞳を持つ女性
キラに匿われている魂:フェントール第2王子
ガルク:魔術師団団長
精霊達
シズク:泉の妖精。分身なので力は0
キラ :光の精霊。黒髪を後ろに束ね腰から下が鐘のような姿の女性
水晶に封印されていた魂を匿っている
次の日の早朝、森の先端まで来たライル達。森の中から気付かれないように魔術師団の拠点を見ると、拠点は石垣に囲まれており、簡単には入り込めそうにない造りだった。また、櫓や門にもそれなりの人数が動いているのが見て取れた。石垣は、拠点から更に北に続いており、その先には山を背にするようにして、王族の豪華な2階建ての別荘が建っていた。
「フェントール王子様、お身体は別荘の方ですか?」
とキラが聞くと
「うん。1番山側の部屋の2階になると思う。」
との回答が返ってきた。
拠点を一瞥した後、念のためライルが索敵魔法『サーチ』を使うと、森の中の遠くから3つの気配が回り込むように近づいて来ているのに気付いた。森側からの襲撃は予想していなかったライルは慌てて、
「何か森の中から近づいて来る!」
と注意を喚起した。皆で急いで一旦拠点から見えない位置まで下がると、3方から2mを軽く越える大きさの頭に角を生やしたオーガが、俊敏な動きでオノのような武器を手に飛び出してきた!
「ライル!私が右をやるから、真ん中と左を牽制してにゃ!」
言うと同時に右のオーガに突っ込むユイナ。ライルは威力の小さい着火用魔道具のファイヤボールで牽制して、残り2体の足止めを試みつつ、ユイナの後側に移動し始めた。
ユイナが右のオーガの間合いに入ると、オーガがその膂力を活かした凄まじいパワーとスピードで右手のオノをユイナ目がけて袈裟がけに振り下ろしてきた!
ユイナは右手の短剣をオノの軌道に沿わすと、当たる瞬間に自身の右側に受け流した。体勢を崩したオーガのオノはその勢いのまま地面にドンッ!と刺さり、ユイナは受け流す動作で右にひねった身体を、即座に逆回転させつつ、左手の短剣にひねりによるバネの力を乗せて振り切った。すると、オーガの太い右手は肩の下辺りで半分千切れて力を失った。
ユイナはそのまま回転しつつ、オーガの背後に跳ね上がって回り込み、右手の短剣でオーガの首の後ろをザンッ!!と切り裂き一体を絶命させた。
残り2体のオーガは、瞬時に仲間が1体やられたのを見て取り、当初真ん中にいた近い方の1体が、隙の小さい連撃をガガガッと仕掛けた後に飛びのいて、2体同時に飛びかかろうと間合いを図ってきた。
そのひりつくような緊張感の中、索敵魔法を維持していたライルは、左後方の砦の方から急速に近づいてくる新たな3体の気配に気付いたのである!
・・・・・
少し時間を遡り、ライル達が拠点を見ていた頃、門の内側には魔術師団団長ガルクと精鋭2人が、軍馬にまたがって出発準備を整えていた。準備を終えるとガルクが
「今日は偵察に東の森の方に行くぞ!」
と言った。
「東ですか?」
「あぁ。東だ。相手はこちらの想定を越えた移動をしている。油断するな。」
受け答えしつつガルク達が門を出て、東の森に向かい出すと、森の隙間からファイヤボールの光が見えた。
「何か居るぞ!急げ!」
ガルクを先頭に、3人は鐙であおりを打って軍馬を最高速で走らせ、森の戦闘地帯に突っ込んで行くのだった!
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