川下り!!順調!?上陸!
登場人物
ライル:精霊使い。黒髪の華奢な男性
ユイナ:豹族の獣人。真紅の髪と瞳を持つ女性
精霊達
シズク:泉の妖精。分身なので力は0
キラ :光の精霊。水晶に封印されていた魂を匿っている
カマチ:風の精霊。風をまとうイタチのような精霊
ミラカナチ:水神竜。上半身が神々しい女性で下半身が龍。半神半霊
ミリ,ミル,ミレ:水神竜ミラカナチの娘。蛇の身体に女の子の頭と両手がある。水の精霊
川の主の娘たちのミリ、ミル、ミレと出発しようとすると、川の主の水神竜ミラカナチに呼び止められた。
「ライルとやら、お主の精霊を呼ぶ声は妾にも微かに聞こえておったぞ。やるではないか。ところで、お主達の最終的な目的地は、王城の北の山の方で間違いないか?」
「はい、山の3合目辺りにある拠点が目的地になると思います。」
「そうか。ならば、最近行方が判らない、あの山に住んでいた火の精に会うことがあるかもしれんな。コレを授けておこう。妾の涙の結晶石だ。
それがあれば、妾の紹介としてヤツも無下にはせんだろうし、それを通じて妾も話ぐらいはできるかもしれん。子供たちも気分が乗れば、それを足場に召喚に応じるかもしれんしな。」
ミラカナチはそう言いながら、雫型で拳大の大きさの瑠璃色に輝く石をライルに手渡した。
「えっ、こんな貴重なものを頂いて良いのですか?」
神秘的な輝きを放つ水神竜の力が込められた石を手にし、声を震わせて確認するライルであったが、
「なに、子供たちの運びながら遊んだという報告を聞いた時に、面白過ぎて涙が出たのが素だからな。気にするでない。」
というミラカナチの話を聞いて、若干ありがたみが減った気がするライル達であった。
「それは…、では…ありがたく。」
「ハハハ。よきにはからえ。」
「ときに、シズクよ。」
「な、なんじゃ。」
「おまえが妾にこの川の守護の役目を頼み込み、そしてこの地の人間共に妾を奉るよう仕向けたせいで、妾は半神になってしまい、この場所から動けなくなったのじゃが?どう責任をとるのじゃ?」
そう言いながらミラカナチは、シズクにずいっと顔を近づけてすごんでいた。
シズクがウッと唸ったあと、
「それは…しかしあの時は、お前しか頼れるものがおらなんだのだ…すまんかった。」
と頭を下げて素直に謝ると、ミラカナチは溜飲を下げた様子で、
「ふむ。ならばシズクは妾に起きた事を詳細に報告すること。本体を通じて可能であろう?妾をこの場から動けなくしたのじゃからな。それで水に流してやろう。」
とシズクに提案していた。
「う、うむ。しょうがない。」
「ハハハ。面白い話を期待しておるぞ。」
シズクから約束を取り付けたミラカナチが上機嫌で、
「では、ミリ、ミル、ミレ。道中気をつけて、しっかりな。楽しんでくるんだぞ。
ライルとユイナも頑張れよ。良い報告を期待しているぞ。」
と送り出してくれた。
「「「はい!母上!!!」」」
「ありがとうございました。行って参ります。」
「ミラカナチ様、お会いできて嬉しかったにゃ。貴重な体験ありがとにゃ。」
「水神竜ミラカナチ様、大変お世話になりました。ご助力かたじけなく。」
「では、子供たちと報告は、我に任されよ。またな。」
こうして水神竜ミラカナチと挨拶を交わした後、本流の流れに沿って、転がるように?川を下り始めたのだった。
・・・・・
ミリ、ミル、ミレの助力を得て水球での川下りをしている途中では…、
スピード自慢の一角カワウソが並んできて、併走してきた。そうして並走していると、「やるな!」という声と共にどんどんスピードが上がり、
「ぎゃあ〜〜〜!!死ぬ〜〜!!!」
「あ〜〜!ライルがこっちの世界に戻ってこないにゃ〜!!」
「ハハハ、ごめんごめん、やっぱり勝負挑まれたら勝ちたくなるじゃん(byミレ)」
と結局、最高速で転がされたり、
運動して腹減ったとばかりに、
「ほら、あの足の多い魔物、少し炙ると美味しいんだよ〜。狩っていこうぜ〜」
とクラーケンを狩ろうとして、
「水球を叩き割られたら、自分たちがおやつになっちゃうにゃ!」
と何とか説得して立ち去ろうとすると、世話になったとばかりにクラーケンが水球を掴んで放り投げてきたり、
(その後、3姉妹 VS クラーケンで水球ドッチボールになった…。
「墨で目隠しするのは卑怯だから、あっちも同じ条件にするために目潰ししてやったぜ!(byミル)」)
新鮮な空気を取りに行こうと浮上したカマチが、漁船の投網に捕獲されそうになって、
「ヤバイ!!捕まっちまう!!」
と焦りまくったり、
(ユイナの「小さくなったらすり抜けられるにゃ」という冷静なツッコミに、カマチは赤面して体も態度も小さくなった…笑
「小さいカマチって可愛い!こっち向いて笑って〜(by無邪気に追い込むミリ)」)
等々色々なことがあったが、何とか王都を越えた先の本流と支流の合流地点まで来たのだった。
合流地点近くの街では、中州にある集落を経由して、対岸まで船渡しが運行されていたため、ライル達は気付かれないように川の底をゆっくりと進んだ。この時は3姉妹も慎重に運んでくれたため、さすが要点は判っているのだな、と思ったライル達だったが、後で聞いてみると、
「私達が騒いで、人間の活動に支障が出ると、母上への信仰心が下がり、神格が落ちるから、絶対ダメ!」
という、ある意味良く判っている回答だった。
その後、合流地点近くの街を通り越した辺りで、日が落ちるのを待って、
「「「最高に面白かった!また呼んでね!!」」」
と上機嫌な3姉妹と別れた後、暗闇に乗じて上陸したのだった。
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