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激流川上り!?

 まずは、林を抜けて支流の川まで出てきたライル達。

「とりあえず出てきたは良いけど、どうやってさかのぼるの?歩いてたら見つかるよね?」

ライルが川の上流側に向かう途中に見晴らしが良い地点が広がっていることを思い出しながら泉の妖精のシズクに尋ねると、


「そこは、汝が風の精霊を呼び出し、空気の膜を顔の周りに作って貰って、潜れば良い。」

とシズクが当然という感じで答えた。


「ちゃんと言うことを聞いてくれる風の精霊が簡単に見つかるとは思えないのですが……無茶言ってません?…」

ライルが自信なさげに言うと

「いやいや、既に風の精霊には当てがあるではないか。」

とシズクが答えたのだった。

その言葉に、

「あいつか…」

「絶対ろくなことにならないにゃ…」

昨日の空の旅?を思い出し肩を落とすライルとユイナであった。


「じゃあとりあえず呼び出すよ。僕はライル、風の精霊『カマチ』、力を貸して。」


 ライルが呼びかけると、イタチのような姿に風をまとった風の精霊が姿を現した。

「おぅ!早えじゃねぇか。また俺の力が必要か?今度はどんなおもろいことするんだ?」


「おもろいって…そうはなりたくないんで、そんな期待の込もった目で見るのはヤメテ。

 実は…」


ライルが説明すると、カマチは

「ちっ、もうちょっと激しいのを期待していたんだが。

 まぁ俺にかかりゃあ、空気の膜を作るのは造作もない。任せときな。

 けど、流れに逆らって進んだら、空気の膜は流れていってまうで。

 水の精霊も呼んで、周りの水流を操作してもらったらどうだ?」

と改善案を言ってきた。


傍で聞いていたユイナは、

「あぁ、また合体技にゃ…、嫌な予感が膨らむにゃ…。」

と遠い目をしてつぶやいていた。


 ライルは諦めたような表情になりながら、水の精霊に呼びかけを行おうと周囲の水の精霊の気配を探した。すると川が近いこともあり、沢山の水の精霊の気配を感じた。

(しかしめっちゃ沢山いるから、どの子が良いのか分かんないや。)

そう思いながらライルが、

「僕はライル、水の精霊さん力を貸して!」

と川の方に向かって呼びかけた。


 するとその呼びかけに応えて(ライルには若干周りを蹴散らしたようにも見えた)現れたのは、蛇の身体に女の子の頭と両手が付いているような姿をした精霊だった。しかも同時に3匹現れていた。

 3匹は腰?から上を垂直に持ち上げたような体勢で、それぞれが

「やっほー!遊んでー!」

「人間に呼ばれるとこうなるのか、興味深い!」

「ふはははは、ぶちのめすのはどいつだ〜?」

と好き勝手に騒いでいて、やかましいことこの上なかった。


 その姿を見てシズクが

「お主ら…」

としゃべりかけようとしたが、3匹はライルを取り囲むや、持ち上げたり引っ張ったりして、遊び?検証?をして聞いちゃいなかった。


 散々もみくちゃにされた後、ライルが放心状態で何とか説明すると、3匹で

(こうしたら転がして遊べるんじゃない?)

(なら、こう空気をいれてだな…)

(勢いだ!勢い!)

とゴニョゴニョ相談したあと、


「それなら私達3人で皆を包む水球を作って運ぶから、風の精霊は新鮮な空気を入れて〜」

と言って、「せーのっ!」と力を合わせ、ユイナとライル、そして何故かシズクも巻き込んで包みこんだ水球を作り、川に放り込んだ。


 そして、水球を水面下まで沈めると、

「上から空気をある程度強く吹き付けてくれれば、中まで空気入れるから、よろしく〜」

とカマチにお願いした。


 カマチが言われた通り吹き付けてみると、その勢いで水球がグルグル回転しだした!

「ぎょええエエ〜〜!!」


「よーし、このまま本流との分岐点まで転がしていこー!楽しいー!」

「イェーイ!計算通りー!」

「いいぞー!たぎるなー!」

「わはは、やっぱコイツらウケる。」

「速く進めるなら問題ありません。フフッ」


 こうしてライル達は、逆流をものともせず、撹拌かくはん状態の凄まじい勢いで運ばれ、5人の精霊(3人の水の精霊+カマチ+キラ)に笑われながら、本流との分岐点まで進むのだった。


お読み頂きありがとうございます。

楽しんでくれたら、何よりです。

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