表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
14/100

Side story 〜キラ〜

今回はメインストーリーではなく、

光の精霊キラさんのお話です。

私の名前はキラ。


 私が光の精霊として生まれて間もない頃、付けて貰った大事な名前だ。


 私は、まだ肌寒い初春の頃、スラム街の朽ちた教会の、ステンドグラスに射し込む朝日の中で生まれた。

 生まれた後フワフワ漂っていた私に、

「そこに誰かいるの?私はマリー、姿を見せて」

 と声をかけてきたのは、そのスラム街で生活していた、産まれながらに精霊を感じることができる、かなり痩せた小さな女の子だった。


 呼びかけに応える形で現界した私に対し、

「わぁー綺麗〜!!凄いキラキラしてる〜!

 君の名前はキラだね。うん、決まり!

 よろしくね!」

と大きな目を輝かせ、満面の笑顔で名前を付けてくれたのだった。


 マリーも私も1人ぼっちだったので、それから常に寄り添って暮らしていた。

「私達、親友だからね、ずーっと一緒にいようね、キラ!」

 それは凄く幸せな時間で、いつまでも続くと思っていた。


 私はその頃知らなかった。私がマリーから魔力をずーっと貰っていることを。人間は食物で栄養を取らなければ生きていけないことを…。



 ある日、マリーが割れたガラスで指をザックリ切ったことがあった。私が、お願い治って!と祈ると、傷がキレイに治った。

「わぁー!キラ凄い!ありがとう!」

 その時に私は、自分に治す力があることを知り、マリーの助けとなれたことが嬉しかった。

 そして、この力があればマリーはいつまでも元気でいられると思っていた。



 季節が巡り、出会ってから初めて迎えた冬、その年は凶作だったため、スラム街にはほとんど食べられるものがなかった。

 分け合う仲間も力もないマリーは、食べるものがほとんど得られず、日に日にやつれていった。


 たまに残飯をくれていた屋台のおじさんも居なくなり、食べ物を求めてゴミ置場などを彷徨さまよう日が続いた。



 ある雪がちらつく日、子供しか通れない小さな穴から街の外壁を抜けて、フラフラと近くの林まで来ていた。


 木の実などを探しいると、ゴブリン2体と遭遇してしまった。襲いかかってくるゴブリンに対し、私は戦闘力を持たず、小さな体では身代わりにもなれず、光の目くらましをした隙に、マリーと逃げ出すのが精一杯だった。

 逃げ延びてから、マリーの棍棒で殴られた傷を全て治したが、マリーの顔色は良くならず、体温が下がっていく一方だった。


「何で!?傷は全部治したよ!?マリー、元気になって!」

慌ててパニックになる私に対し、

「ありがとう…キラ。

 今まで…一緒に…いてくれて…楽しかった。

 幸せ…だった…よ、キラ」


そう言って、微笑んだあと、マリーは動かなくなった。


 その後、マリーからの魔力も切れ、私は精霊界に戻っていった。その時、マリーはどれだけ自分がキツくても、私の召喚を切らなかったことが分かり、私はマリーを想い、号泣した。



「私に力があれば、マリーを救えたのに…」

 それから私は自分を痛めつけるように、寸暇すんかを惜しんで鍛え続けた。2度と同じ事を繰り返さないために。マリーと同じような人を今度こそ助けられるように。

 その結果Fランクだった私は、短い間にCランクにまでなっていた。



 そんな時、シズク様の泉の間に、若い人間の子の魂が閉じ込められた水晶玉が落ちてくるのが感じられた。

「これは…!」

 魂が消えないように毎日話しかけ、機会を待った。すると、1年ほど経った頃、洞窟が開かれるのが感じとれた。


「この機会を生かし、今度こそ助けなければ!」


 私、キラは全霊をかけ、この命を護ることを誓ったのだった。


お読み頂きありがとうございます。

ご感想、ご意見、ブクマ等頂けると嬉しいです。


評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

↑ページトップへ