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翼を溶かしながら飛べ(前編)

作者:葩谷 楽文
 淫魔インキュバスを下僕とする、11代目メフィストフェレスは、40年に一度堕天使ルキフェルに託された特権として、ロンドンのエリザベス・タワーの屋上にいる。季節は白い雪と霧が立ち込める冬。
 2度目の降臨の目的は唯一つー人間に還る(心解脱)。語り継がれているその条件とは、殺戮と大混乱のかぎりを尽くせるようなカオスの実行後、改悛の念により自ら命を断つこと。
 愛の神クピドーは神格化された天空の住人イカロスを従えて、親友であるメフィストの監視のため後を追って降臨する。そこで、クピドーは【現在・過去・未来】の3人の使者がむこう一年間のうちに、メフィストのもとを訪れることを告げる。
 年齢、性別、職業の違う3人の人間は、自分たちが《使者》だとは知らずにメフィストと各々の状況下で遭遇する。3人がメフィストのもとに訪れる理由とは、その特定の時代の幅広い人間に通用するカオスを限定するためだった。
 メフィストは、代々受け継がれてきたハーブコーディネーターとして地上で暮らしながら、3人を具に観察する。あらゆる植物から抽出した精油を使用した治癒を工房で営みながら、望まなくとも現代社会の構造と社会問題に触れていくことになる。
 3人の使者は、学校で、職場で、そして家庭での人間関係に悩み、拝金主義、排他主義、乱れた貞操観念に捕らわれた物事の考え方の限界を迎え、そして個性の喪失と未来への諦観から逃れることができなかった。どこで選別を間違えたのか、人生は思うどおりにはいかない。
 やがて導き出したカオスの場所は光に汚染された街、東京。史上最大規模の大停電。それが引き起こす災害の数々がはじまる。
 夏のある日に引き起こした大停電は、火力発電所の停止、新幹線の脱線事故、大型旅客機の着陸事故など未曾有の大惨事につながる。
 かつての恋人との死別から愛と距離を置いて生きてきたメフィストと、生まれたときから自分の人生を諦めていた真琴亜望が、お互いを引き寄せ合う。ところがしかし、彼女が実家から持ち帰ってきたある一枚の写真から、メフィストは運命の車輪に翻弄されはじめる。
 解脱成功者である玉名弥勒が地上で判定者として見守る中、3人の使者と「超自然的な存在」たちの運命がおよそ40年の時間のなかで交錯していく。
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