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あなたにこの弁当を食べさせるまで!  作者: 震電みひろ
第三章 仁義無き戦い!少女戦国編
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9、花も恥じらう学園祭!(決着、模擬店売上勝負)

 翌日、慈牡丹祭の最終日。

その日もあたしは午前中は目一杯使って、コロッケと唐揚げを作っていた。

今日はリピーターのために味のバリエーションを増やし、醤油とオイスターソースと豆板醤を下味に付けた『ピリ辛唐揚げ』も用意した。

三日目ともなると、だいぶ手際良くなるので、時間もそれほど取られない。


 宣伝用の衣装は・・・やはり『Hなナース』だった。

まあ今日は事前にニップレスと、下には見えてもいいようにショートパンツを履いてきたが。

七海は「色気がない!」と文句を言っていたが、そんな事はあたしの知った事ではない。

なんと言っても、あたしは清純派なのだ!


 とは言うものの、この露出度の高いナース姿は、やはり恥ずかしい。

しかもあたしにとっては衝撃の事実が、七海によってもたらされた。


 なんと学校非公認サイト『聞き耳ジエンタ』のサイトに、

あたしの恥ずかしいナース姿の写真が、大量にアップされていたのだ!

 『聞き耳ジエンタ』には会員制の掲示板があり、そこには既に学校裏サイトと化している。

問題の写真が動画は、そこにアップされていた。

しかも胸元が大きく開いてしまっている写真や、階段の上り下り、第三運動場での屈んだ姿など、

パンティがチラ見え写真のオンパレードだ。


 それを見た瞬間、さすがのあたしも絶句した。

こんな写真が出回るなんて、昭和時代なら『もうお嫁に行けない!』と泣き崩れている所だ。


 ところが七海は、そんなあたしの思いも知らずに、ニコニコしながら掲示板をスクロールさせる。


「美園、やったじゃん!スゴイ人気だよ!もう男子のハートを鷲掴みって感じ!」


確かに掲示板には、褒めて?くれる言葉の方が多い。

「恥ずかしそうにしてる姿が可愛い!」

「見えそうで見えない所がまたそそる」

「白衣のエロ天使来た~」

「顔を赤らめて胸を隠しながらチラシを配る彼女に萌え」

「階段でお尻を隠しながら昇る彼女も、また良し」


こ、これは・・・喜んでいいのか、悲しんでいいのか?

そもそもこれを書いたヤツラに

『おまえら、それでいいのか』と問いたい。


 だが七海はそんなあたしの戸惑いも気にせず

「もっと際どい方が、売上が上がるかもしれない」と言い出し、

スカートの裾に切れ込みを入れようとしたので、さすがにそれは止めさせた。


 一方、掲示板の中には、嬉しいコメントもあった。


「このナースの子、料理上手で有名な子だよ。E組の模擬店に行ったけど、この子の作った唐揚げもコロッケも絶品だった」


この人には、今度来たら唐揚げ追加でサービスしたいくらいだ。


 しかしその宣伝効果も確かにあり、翌日もE組の模擬店は大盛況だった。

わざわざ『あの話題のナースはどの子?』とか聞いてくる大馬鹿者もいたらしい。


 そして肝心の三日目の売上は・・・54万2700円!

どうやらネットに出た『あたしのナース写真』以外にも、

唐揚げなどでビリ辛味を追加した事も、かなりの高評価だったようだ。

またかなりのリピーターがあり「昼飯は一年E組で」という声も、相当にあったと聞いた。

女子向けの『小倉餡トースト』も、かなりの数が出てといた。


 対してG組の三日目の売上は35万2千円。

やはりクレープや嵩増しパフェじゃ、三日目はかなり売上が落ちたようだ。

渋水のセクシー神通力も、所詮はそこまでだってことだ。

 ザマーミロ!


 その結果、三日間のE組の売上の合計額は、

なんと『112万5500円』という記録的な売上だったのだ!

対するG組は99万3300円。

利幅は薄いが売上が大きかったので、利益額でもE組が勝っていた。

あたし達の完全勝利だ。


「ヤッター!」

「勝った~!」

「これで後夜祭のステージはあたし達のものだ!」


あたし達は飛び上がって喜んだ。

ガールズバンドの連中なんて抱きついて来る!

泣いている子もいたもんね。

あたしにしても、あの『渋水理穂』に一矢報いたのは痛快だ!

これで夏休みの『パン売り競争』の雪辱が晴らせたってもんだ。


 あたし、七海、ガールズバンドの五人は、意気揚々と後夜祭実行委員の所に向かった。

担当の太田君は相変わらずオドオドしていた。


「これで文句ないでしょ。後夜祭の講堂ステージ第三組は、あたし達E組のガールズバンドが使います!」


あたしはスマホに表示された『クラス別売上一覧』を示し、彼に迫った。

太田君は相変わらず、周囲に助けを求めるような目の動きをしたが、ここにはG組の連中は誰も来ていない。

俯いて肩を落とすようにし


「わかりました。後夜祭の講堂ステージ第三組は、一年E組のガールズバンドの使用を認めます」


と消えそうな声で言った。


 後夜祭が始まった。

もちろん、後夜祭も大盛り上がりだ。

まずは後夜祭ゲストとして、若手イケメン俳優が登場した。

女子は大騒ぎだ。黄色い悲鳴が乱れ飛ぶ。

もっともあたしは、赤御門様や紫光院様の方が、イケメンだと思うが。


 講堂ステージは、手品部によるマジックショー、演芸部による漫才やコント、ダンス部によるダンス・パフォーマンス、新体操部の演舞、吹奏楽部や軽音楽部による演奏、そして各クラスの希望者によるステージだ。


 第三番目の枠には、あたし達E組のガールズ・バンドが出演した。

彼女達の演奏は、けっこう上手かったと思う。

最新のボカロ、アニソンを一曲ずつ演奏する。


 あたし達E組のみんなも熱狂してステージを盛り上った。

何しろみんなで知恵を出し合い、一丸となった勝ち取ったステージだ。

あたしもみんなと一緒に声を張り上げる。

あたしだって相当に恥ずかしい思いをしたんだ。

このくらいはしゃいだって許されるだろう。

この続きは、明日7月2日(火)の朝7時すぎに投稿予定です。

学園祭編、完結です。

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