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あなたにこの弁当を食べさせるまで!  作者: 震電みひろ
第二章 新たなる戦い?少女野獣編
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10、紫光院涼へのお弁当お届け対決、兵太の詰問

学校が終わって帰宅。


今日は色んな女子の質問責めに会って疲れた。

聞いてくる内容は、みんな同じ事だけど。

わざわざウチのクラスの女子を経由して、他クラス・他学年の女子も来たもんね。


ファイブ・プリンス、

いや紫光院様の人気ってスゴイんだなぁ~。

と改めて感じる。


と、ウチの前を見ると、誰かいる。

・・・兵太だった。


なんであのヤローは、ウチの前に・・・


他の場所で待ち伏せしていたんなら、通り道を変える事も出来るが、

家の前に居られたんじゃ通らない訳にもいかない。

あたしは知らん顔をして、兵太の横を通り過ぎようとした。


「待てよ、美園」


あたしは答えず、横を通り過ぎて門の扉に手をかける。


「待てったら」


兵太が乱暴に、あたしの手を取った。


「気安く触んな!」


あたしは声も荒く、その手を振り払った。


兵太は、一瞬おどろきの表情を浮かべたが、すぐに真剣な表情に戻った。


「話くらい聞けよ」


あたしは兵太を睨みつけた。


「アンタ、部活はどうしたんだよ」


「今日は休ませて貰った。美園とどうしても話をしたくて」


「ずいぶんヒマだね。だけどあたしには話す事なんて無いよ」


兵太の顔にも若干の怒りが滲む。


「ちゃんと聞きたいんだ。美園は、俺と付き合おうとしていたのに、紫光院先輩にも隠れてアタックしていたのか?」


「そんな事、あんたに関係ねーだろ」


「関係ないって事、あるかよ。関係あるだろう」


・・・その関係を切ったのは、兵太だろうが・・・


あたしはギリギリでその言葉を飲み込んだ。


あたしと兵太の視線がぶつかる。

バチバチと火花を散らしそうだ。


「もういい。あたしには兵太と話す事なんて何もない。兵太もあたしと話す必要なんて無いはずだろ」


あたしはそう言って、再び門扉に手をかけた。


その時、兵太がチッと舌打ちをした。


「おまえがこんなチョロイ女だとは、思わなかったよ」


パアン!


派手が音が響いた。


あたしの平手が、兵太の頬を打ったのだ。

怒りのあまり、反射的に振り返って手を出してしまった。


兵太の方は、頬を打たれたまま、顔を傾けてあたしを睨んだ。

あたしもしばらく兵太を睨みつける。


だがあたしはクルリと背を向けると、門扉を開けて、家に入った。

もう兵太は何も言わなかった。


玄関のドアを開ける時、あたしは兵太に言った。


「あたし、見たんだよ。映画に行く約束だった日。アンタが川上さんと一緒にいたのを・・・」


そして最後の声を絞り出した。


「あたしは、ウソをつかれてまで、一緒にいて欲しくないんだよ!」


それだけ言うとすぐに家の中に入った。

ドアを閉じると同時にカギをかける。


身体が震える感じがした。


もうこれで、本当に兵太とは終わりだ。


あたしは鍵をかけた姿勢のまま、ドアに寄り掛かるように震えていた。

この続きを、臨時で本日の午後4時に投稿します。

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