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あなたにこの弁当を食べさせるまで!  作者: 震電みひろ
第二章 新たなる戦い?少女野獣編
46/116

9、紫光院涼へのお弁当お届け対決、勃発(中編)

その日一日は大変だった。


クラスに入ると、仲のいい女子は「やったね?」「どうやって紫光院様と知り合ったの?」と取り囲んで来た。

だが大半の女子は、あたしの事を遠巻きに見ている。

どっちかつーと、白い目でだ。


そして兵太もあたしの事を見ていたが、何も言って来ない。

ただじっと、あたしを見つめていた。


休み時間には、わざわざ他のクラスの女子が、あたしを見物に来た。

クソがっ!

あたしはパンダでも珍獣でもねーんだよ!

わざわざ他のクラスまで、見に来るんじゃねー!


だが本当の脅威は、放課後にやってきた。

再び、あの「近衛兵」三人が現れたのだ!


その『人目を引きまくりの「フランス貴族を思わせる詰襟制服」』をなびかせて、

またもやあたしのいる教室に入って来るなり、こう言ったのだ。


「天辺美園。真・生徒会としておまえに出頭を要求する。すぐに一緒に来い」


・・・


さすがのあたしも、顔が強張った。

この前の「部外者リンチ未遂事件」の事があったからだ。


「悪いけど行く気はないわ。部外者を引き入れるような暴力集団の言う事を聞く必要はない!」


あたしは緊張しながらも、そう言い返した。

人目の無い所に行ってからでは、遅いのだ。


「我々が暴力集団だと!」


一人がいきり立つが、もう一人がそれを止めた。


「そんな心配は無い。我々がおまえに暴力を加える事はない。真・生徒会として話があるだけだ」


あたしはそう返答した相手を睨みつけた。


「そうだね。あんたらは手を汚さないかもね。でも他の連中にやらせるなら、同じ事だよ!」


「どういう意味だ?」


あたしと近衛兵との間で、視線がバチバチと交差する。


「この前、あんた達『真・生徒会』に呼び出された時、雲取麗華はあたしの懲罰を与えると言った。その懲罰方法は渋水理穂に一任されたよね。アイツは部外者十人を学内に入れ、ソイツらにあたしを襲わせたんだ。そこを助けてくれたのが、紫光院先輩だったのよ」


近衛兵の顔色が変わった。互いに顔を見合わせる。


「それは本当か?」


「本当だよ。もっとも渋水は認めないだろうけどね。だからアタシはアンタらも、真・生徒会も信用できない。だから一緒に行く事はできない」


あたしはそう言い切った。だが他の近衛兵が前に出る。


「この学園で、真・生徒会に逆らって無事過ごせると思っているのか!」


「部外者にリンチされるより、マシだよ!」


そこで近衛兵の中でリーダーぽいヤツが言った。


「わかった。ではオマエと一緒に、誰か付いてくると言う事でどうだ?もしそんな事になりそうだったら、一緒に来た人間が助けを呼べばいい。アタシもオマエの身の安全は保証すると約束しよう」


あたしは躊躇した。

友達をこんな事に巻き込んでいいのだろうか?

そもそも、こんな危険があるのに、一緒に行ってくれる人がいるだろうか。

兵太は既に部活に行っているし、こんな時だけ兵太を頼りたくない。


だがそこに名乗り出てくれた人がいた。

如月七海だ。


「じゃあ、あたしが美園と一緒に行くよ」


あたしは七海に感謝しながらも、心配になった。


「うれしいけど・・・大丈夫?」


だが七海は平然と笑って言った。


「平気、平気。それに近衛兵の呼出なんて、滅多に見られるもんじゃないしね。それがどういう顛末になるのか、新聞部としても興味あるわぁ~」


”新聞部”と聞いて、近衛兵たちもギョっとしたようだ。

確かに、ここで変な事をしたら、学校内外に渡って、何を書かれるか分からない。

なるほど、そういう意味では、七海は見張り役兼証人として、うってつけかもしれない。


「わかった。じゃあ行くよ」


あたしは近衛兵に向かって、そう言った。

七海の友情には、本当に感謝だ。

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