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あなたにこの弁当を食べさせるまで!  作者: 震電みひろ
第三章 仁義無き戦い!少女戦国編
111/116

11、体育祭の激闘(そして賞品の行方は?)

 「慈円多学園、天下分け目の戦い」である女子騎馬戦は終わった。

抽選券は約1300枚。

結果のフタを開けてみれば、中立組が約150枚、雲取・渋水連合が約150枚。

そしてあたし達は約1000枚だ。

これは大勝利と言える。

 抽選券の割り当てで言うと、

あたし達は一人当たり3.5枚、中立組は1人当たり1枚なのに対し、

雲取・渋水連合に属した連中には、4人に1枚しか手に入らない事になる。


 咲藤ミランは配下のクラスに、98枚ずつ配布する。

これで一人当たり最低3枚は配れる。

あたしはクラスの代表という事で、特別に10枚を受け取った。

あたしだけこんなに多いのは、みんなに申し訳ない気がする。

正直にみんなに申告すると


「まぁ、美園は今回の一番の功労者だからね。それくらいいいんじゃないの?」


「どうせ10枚じゃクラスの全員で分ける事はできないんだし」


と言ってくれる。

精神的に、とてもありがたかった。


 さて一番の重大事である『抽選券の結果』はどうなったかと言うと・・・

目玉賞品の大半は、あたし達のチームが独占した。

『米国アイビーリーグ1ウィーク留学』

『ルーブル美術館とベルサイユ宮殿を巡る一週間』

『USJ特典付き入場券と宿泊券』

『ハワイ旅行一週間』

『バリ島5日間』だ。


後は中立組が『台湾三泊四日』『ベトナム5日間』を、

雲取・渋水連合軍が『TDR内豪華ホテル宿泊券と入場券』『中国四川省の旅4日間』を当てたくらい。


 あたしは旅行は当たらなかったが、高額賞品の方を二つも引き当てた。

『ルイ・ヴィトン』『ミュウミュウ』のバッグだ。

どちらも買えば20万円はする。

あたしは生まれて初めての高級ブランド・バッグに舞い上がった。


 その他、グッチ、プラダ、ロエベ、クロエ、フルラ等の高級バッグから、

コーチ、ケイトスペード、サマンサタバサなどの少しお値頃なバッグを

周囲のみんなは引き当てていた。


 だが最大の問題は『交際をリセットする権利』と『弁当連続十回達成の権利』だ。

この権利を、あたしに敵対する誰かか、兵太を手に入れようとしている誰かが手にした場合、

あたしがせっかく達成した『兵太があたしの一生に責任を取る交際』が霧散してしまう。


 体育祭実行委員が発表する。


「『弁当連続十回達成の権利』の権利は、抽選番号N23の人!」


「ハイッツ!」


元気よく手を挙げた女生徒は、あたしの知らない子だった。

まずはホッとする。


「次に『他女子と交際が確定した男子を、フリーの状態に戻せる権利』は・・・」


・・・大丈夫、大丈夫、大丈夫。

川上純子ちゃんは『雲取・渋水軍』だ。

一人一枚も抽選券を持っていないはず・・・


「抽選番号F101の人!」


「ハイッツ!」


ここで手を挙げた生徒も、知らない二年生の女子だ。

昼食時の『兵太へのお弁当お届けレース』には見なかった顔だから、まず安心だろう。

あたしは深く、深~く、胸をなでおろした。


 本当にこんな事、やってられないよ。

これがあと2回もあるかと思うと、心底ゾッとする。

あたしの心臓は卒業まで保つのだろうか?


・・・


 体育祭が明けて二日後。

六時間目が終わってしばらくお喋りをしていたあたしは、そろそろ帰ろうとしていた。

そこに七海が血相を変えて、教室に飛び込んで来たのだ。


「大変だよ、美園!バスケ部の川上さんが!」


 そのセリフが全部終わるか終わらないかの内に、当の本人があたし達の前に現れた。

ズカズカと川上純子ちゃんはあたしに近寄ると、一枚の紙を突き付けた。

そこには


『1年E組・天辺美園と1年E組・中上兵太との責任ある交際を白紙に戻す』


と書かれていた。

その下には


『慈円多学園 生徒会 副生徒会長・雲取麗華』


とご丁寧に署名まで入っている。


 あたしは目を白黒させた。

そんなあたしに向かって、川上純子ちゃんが言い放つ。


「この通り、天辺さんが中上君にお弁当十回連続で食べさせた事は、白紙になったんで。中上君は今はフリーですから!」


それだけ言うと、踵を返して教室を出て行った。


 あたしはまだ呆然としていた。


「な、なんで、彼女がコレを?」


背後から七海が言いにくそうに答えた。


「非公認サイト『聞き耳ジエンタ』で、騎馬戦の賭けをやっていたんだよ。トトカルチョ。それで川上純子は渋水に抽選券を借りて、咲藤連合軍に賭けた。その結果、騎馬戦には負けたが、川上さんは大量の抽選券を手に入れた」


あたしは半分涙目になって七海を振り返った。


「でも、でも『交際をリセットする権利』は、別の女子が手に入れたはずだよね?なんで川上さんが持っているの?」


「それだよ。川上さんはコーチのバッグを手に入れていた。そこで『日程的に旅行に行けない子』から交換で旅行券を手に入れた。さらにその旅行券とクロエのバッグを交換したんだよ。ウチの学校には高級ブランド品を持っている子は多いからね。同じバッグなら二つは要らない。そのクロエのバッグと交換で『交際をリセットする権利』を手に入れたんだ」


あたしはまだ信じられなかった。

まさか・・・そんな手で。

『景品のわらしべ長者』だ。


「抜かったね、美園。川上さんの執念を甘く見てたよ。あの子も『欲しいものは必ず手に入れるタイプ』だ」


七海は残念そうに、あたしの肩に手を置いた。

この続きは7月20日(土)朝9時過ぎに投稿予定です。

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