やらかしの80
気付かないうちに、同じ話を二重投稿していました。
指摘して頂いた方に、感謝します。
短めですが、そっと挿入・・
(タイトルを直すのが大変なので・・・)
「1350G。」
「くっ、1400Gだ。」
「1450G。」
「くぅ、1500Gだ。」
わしは、アーホ、バッカ、ヤッテーラ男爵だ。
領主前婚で、コカトリスを提供した男にいちゃもんを付けたばっかりに、その男に家宝の宝剣を奪われた。
その男は、俺の宝剣を新郎に渡しながら、ギルドのオークションに出品すれば良いとほざきおった。
しかも、1000Gからだと!
他に方法がなかったので、わしはギルドのオークションに参加し、宝剣を取り戻そうと思っている。
あの宝剣が、せいぜい100Gほどの値打ちしかない事は判っている。
しかし、男爵家の面子の為、どうしても取り戻さなくてはならない。
だから、1000Gの出費は痛いが、仕方がないと思っていた。
だが、まさか、競り合う事になるとは。
想定外だが、仕方がない。
なに、あんな剣にそこまでの競り合いはないだろうと、たかをくくっていた。
それが実際に始まってみると、50Gずつ乗せてくる者がいる。
誰だ? いや、ギルドのオークションでは、それは解らない。
予算は、全財産から100Gを抜いた、2000Gまでは何とかなる。
「1550G。」
「つぅ、1600Gだ。」
まずい、どこまで競るつもりだ?
あの剣の価値が解らないのか?
何処のどいつがあんなものを欲しているのか。
わしは、額に汗が流れるのを感じた。
*************
紫炎の報告では、俺にいちゃもんを付けた男の資産は、2100Gと言う事だった。
「んじゃ、2000Gまでは予定通り競ってやるか。」俺は、そう言いながらベットする。
「1650G。」
「くぅ、1700Gだ。」
「1750G。」
「うぬぅ、1800G。」
「くくく、1850G。」
「1900Gだ。」
「1950G。」そろそろ限界かな? 俺はそう思いながらベットする。
「2000Gだ。」
ここが限界かな? 俺はそう思いながら、ベットを止めようとして気付く。
奴の資産は2100Gだったな。
(はい。)
「2080G。」俺はベットを上げる。
「なぁ。」アーホ、バッカ、ヤッテーラ男爵が狼狽える。
な、何でそんな屑宝剣にそんな値段をつけるのだ?
(実価値は100Gなのだぞ。)
わしは、意を決して言う。
「2090G。」
*************
「くくく、馬鹿な奴だ。」俺はそう思いながら競りを下りる。
あの新婚夫婦には、過剰な金が受け渡されるが、俺のサプライズで良いだろう。
「はい、ケイジ様。」
「俺が干渉する案件は以上だな。」
「はい。」
「あ~すっきりした。」
「ミーニャたちを誘って、海に魚を食いに行くか。」俺はそう言いながら、虚無の窓を潜った。