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やらかしの46

さて、ナーガに話をつけに行くか。」

「ほほほ、ご主人様、お供いたしますわ。」


「ナーガは何処にいるんだ?」

「ミカナミです。」

「紫炎、距離は?」

「6跳躍です。」

「え?そんだけ?」

「今日中に終わるなぁ。」

「では、行くか。」

「御意!」


 俺はミカナミに跳ぶ。

「なんか、魔王が近くにいすぎないか?」

「気のせいです!」

「そうかな、紫炎。」

「はい。」


 そして、ミカナミの街の入り口に着いた。

「ん?ここには門番がいないな。」

「ここは湯治を主とした処なので、そのような者はおりません。」

「なんだ、楽勝か?」

「いえ、此処にはナーガの配下すべての魔王がいます。」

「ん、魔王が何人いるんだ?」

「10人です。」

「おぉ、俺の話を聞く奴いるかな?」

「いえ、恐らくは無理かと。」ヒドラがすまなそうに言う。


「いや、ヒドラのせいじゃないよな。」

「いや、今覚悟を決めた、話を聞かない奴は瞬殺する。」

「其れでも良いのですが、ご主人様、少しだけお時間をくださいませ、」

「おぉ、良いぞ。」

「ありがとうございます。」

「そこのお前、こちこ!」ヒドラがそこにいた孤児に声をかけた。

「な~に?」

「魔王ナーガを連れて来て下さいませ。」ヒドラが孤児に200Bを渡して言う。

「はい~、よろこんで。」そう言って孤児が町の奥に消えていく。」

(いや、こちこって、かぐや姫かよ?)



 暫くすると、誰かが数人の供を連れて歩いてきた。

「誰だ、俺を呼び出すのは。」

「おぉ、あれがナーガか?」

「はい、ご主人様、今話をつけるので、しばしお待ちを。」

「あぁ。」


「お久しぶりですね、ナーガ。」

「おぉ、誰かと思えば、ラドーンか。」

「いえ、今の私は、最愛のお方からヒドラを拝命し、そう名乗っています。」

「ヒドラ?」

「えぇ、そうお呼びください。」

「お前が、たかが人間に下ったのは事実だったのだな。」


「ほほほ、たかが人間? ケイジ様は、その程度のお方ではないのですよ。」

「なんだと?」

「ナーガ、我が主に御身を差し出しなさい。」

「はぁ?」

「ほほほ、聞こえませんでしたか? 我がご主人様に下りなさい。」


「我に、たかが人間風情に屈服しろと言うのか?」

「その方が楽だと思いますよ。」

「何を言っているのだ?」

「我が主、ケイジ様は精霊様のご加護を受けられたお方、私でも勿論敵いません。」

「くははははは、ヒドラ殿、良い冗談だ!」

「あぁ、やはり信じませんか。」

「たかが人間風情だぞ、有り得ん。」


「ケイジ様、申し訳ありません、信じて頂けないようです。」

「おぉ、ヒドラ、ご苦労な。」

「勿体ない。」

 俺は、ヒドラの後ろからナーガの前に出る。

「な?」ナーガが俺を見て固まる。


「さて、捌きの時間だ、お前が俺に敵対しようとしたら、そのまま瞬殺。俺の話を聞こうとしたら延命、解りやすいよな。」


「ぎゃははは、ナーガ様、俺が排除します!」

 第32位、暴食王ミルハが俺に飛び掛かる。

「な、待て!」ナーガが言う

「遅かったな。」俺はそう言いながら手を横に払う。

「みぎゃ!」ミルハは跡形もなく四散する。


「なっ。」ナーガが固まる。

「な、ミルハがやられた。」

「有り得ん。」そう言って「第27位、酒呑童スワ」と「第21位鬼神タイシャク」が俺に飛び掛かってきた。

「教育がなってないな。」そう言いながら、俺はスワとタイシャクも瞬殺する。


「な、な。」

「これ以上殲滅すると、対話は無理になるな。」

「はい、ご主人様。」

「なぁ、話を聞く気はないか?」

「うぅ。」ナーガが辛そうな顔をする。


「20位の者など下等! 10位の力を知れ!」第17位蜥蜴王バジが俺に飛び掛かる。

「はぁ。」ため息をつきながら、俺は左手を軽く振る。

「ぷしゃ。」バジも壁に張り付いた。


「なぁ、そろそろ良いよな。」

「あぁ、お前が死ぬ番だ。」

 第15位、不死王コジーロが言う。

「お前達、待つのだ!」

「ふはは、ナーガ様、今私がこ奴を屠ってお見せします!」

「判らない奴らだな。」俺はコジーロの攻撃を掴むと、そのまま床に叩きつけた。

「ビシャ!」コジーロは床に血の跡を残して散らばった。


「あぁ、もう無理だな。」

「えぇ、ご主人様、ここまで来たら対話は無理でしょう。」


「でも。一応聞く、後4人、話を聞く気はあるか?」


「ない!」第14位、皇帝ロネが両手に魔力を乗せて飛び込んでくる。

 俺はそれを蹴る。

 突っ込んできた姿のまま、後ろに飛んでいって、壁のしみになる。


「はぁ、ナーガ、このまま全滅するのか?」

「う。」

「ナーガ、今なら私がご主人様にとりなします。」

「たかが人間などに。」


「はぁ、もういいや。」

「ご主人様?」

「死にたいんだろう?」

「ナーガ! 許しを請え。」ヒドラが叫ぶ。


「ふははは、私の力を見せてやろう!」ナーガは能力を開放する。

 途端にナーガの手足が膨張し、見た目が3倍ほどになる。

『この姿になったからには、お前の命の保証はしない!』

 ナーガが物凄いオーラを纏い、ケイジに突っ込む。


 その顔をケイジが掴む。

「な!」

「実力差が解らないお前の罪だ。」ケイジはそう言うと、ナーガの顔を地面に叩き付ける。

「ぐぼぁ。」

「まだだ。」そのまま地面に擦り付けるように円を描く。

「ぐぎゃぁぁぁ。」

「手足が余計だな。」そう言いながらナーガの腹を掴み回転させながら地面に叩き付ける。

「あばばああばば」ナーガの四股が削れる。

 ナーガの身体は、もはや生き物の原型をとどめて居なかった。

「ナーガ、最悪の結果ですね。」

「う、ぐ。」

「ナーガ、聞いて良いか?」

「げぼ、う、な、なんだ?」

「エゴワカの皇王、タジフに加護を与えたのは何でだ?」

「タジフ? 知らない。」

「はぁ、タフジはお前の名前をかさに着て悪事を働いていたんだぞ。」

「何人かに、加護を与えた、だがそこまでは許していないぞ。」

「騙りか?」

「そのようだ。」


「はぁ、一応誤っておく、御免な。」

「な。」

「でも、お前、只の害悪になってるよ。」

「うぅ。」

「適当に加護を与えて、管理してないから馬鹿が悪用するんだ。」

「ケ、ケイジ様、ナーガ様にお慈悲を!」第11位灰燼アランが俺の前で跪いて言う。

「わ、私からもお願いする、ナーガ様に今一度のチャンスを!」第10位の陸王タービも同じように跪いて言う。


「俺は構わないぞ。」

「おぉ、感謝します。」アランが言う。

「ナーガ様、ケイジ様に謝罪を。」

「ぶ、げばぁ、ひひひ、たかが人間に。」

「ナーガ様、此のお方は我らを遥かに凌駕しています。」

「ナーガ様もそれを解っていますよね!」

「げばばば、たかが人間、ぶばばば。」


「ナーガ様!」

「だでだ、おばえわ?」

「ナーガ様、アランです。」

「ゲババア、ジラン。」

「な。」

「ヒール!」俺がナーガに唱える。

 四散していた四股とその頭も復活する。


「おぉ、ナーガ様、アランです。」

「ナーガ様、私はタービです。」


「おぉ、アラン、タービ?」

「ケイジ様にお下り下さい。」

「な、たかが人間にか?」

「此のお方は、その資格があります!」アランが言う。

「最早、我々では太刀打ちできないお方です。」タービも言う。

「たかが人間だぞ。」

「その人間に、7名の魔王が滅せられております。」

「おぉ、その敵を取らねば!」

「無理なのです!」アランが叫ぶ。

「ケイジ様は、我々とは次元が違うのです!」

「ナーガ様、ご理解ください!」


「ぐふぅ、アラン、タービ。」

「は!」


「お前達、腑抜けたな。」

「ナーガ様!」


「どけ。」

「ナーガ様、ケイジ様が回復して下さったのですよ!」

「我の回復力だ!」

「ナーガ様、どうか、冷静になって下さい!」


「私は冷静だ!」

「アラン、タービ、もう良いか?」

「な、ケイジ様、どうか、あと少し。」

「今一度、説得の機会を。」

「あぁ、そいつが俺に攻撃するまでは待つよ。」

「ありがとうございます。」

「ナーガ様、お気を確かに!」

「ナーガ様、我々では手の届かないお方です!」


「ふふふ、臆したものは後ろに下がれ。」

「ナーガ様、聞いてください!」

「ナーガ様、もう勝敗は決まっております!」

「おぉ、決まっている! 我の勝ちだ!」


「ふははは、我の力を知れ!」

 ナーガが先程と同じ技を発動する。

「ナーガ様!」


「ふぅ、安らかに眠れ。」俺はナーガを掴み、床の染みにする。


「おぉぉぉ。」

「あぁぁぁ。」

 アランとタービが声を上げる。


「ふぅ、さて、お前たちはどうする?」

 アランとタービに聞く。

「私は、下る。」

「私もだ。」


「おぉ、試しはどうする?」

「試しとは?」

「一回だけ、無条件で俺に攻撃を許す。」

「で?」

「その際の怪我は、俺が治す、その後俺に下るのも、離別するのも自由だ。」

「何故そのような事を?」

「お前達魔族は、そうしないと心が納得しないだろう?」

「確かにそうだ。」

「んじゃ、行っとけ!」


「判った!」

「では俺から!」タービが俺に殴りかかる。

 いつものように、タービの腕が砕ける。

「ああああああ!」

「ヒール!」

「あ、おぉ。」いつものようにタービの腕が復活する。

「私もお願いする!」アランが拳に炎を纏い殴りかかってくる。

「ひぎゃぁぁぁ。」同じようにアランの拳が潰れる。

「ヒール!」

「あぁあ、あれ?」アランの拳も復活する。


「ケイジ様の御心のままに。」

「ケイジ様に忠誠を。」アランとタービが俺の足に額をつける。


「おぉ、よろしく頼むな、お前たちは、リキードと共に、ベカスカ周辺のダンジョンを管理することを申し付ける。

「はい、仰せのままに。」

「人間の冒険者は、3階までは普通に行けるように。」

「はい。」

「それ以降は、オーク、ミノタウルス、バハロー、マスターバハローだけがドロップする肉ダンジョンにしろ。」

「ははぁ、仰せのままに。」

「よし、では、アラン、タービ、行け!」

「「御意!」」二人の存在が消えた。


「ご主人様、ナーガは残念でしたが、二人残って良かったですね。」

「あぁ、ヒドラ、俺もそう思うよ。」

「マスター、肉ダンジョンの管理お見事です。」

「あぁ、この世界じゃ、食う事が最優先だよな。」

「ほほほ、ではご主人様が皆が楽しめる娯楽を作れば宜しいのでは?」

「な、ヒドラ、ハードル上げるな?」

「マスターなら容易いことかと。」

「サランもかよ。」

「はぁ、良いよ、ヤミノツウに帰って晩飯にしよう。」

「はいご主人様。」

「マスターの御心のままに。」


「流石はご主人様です。」

「ナーガも判ってくれれば良かったのにな。」

「その程度、と言う事かと。」

「曽於程度?」

「御意。」

「いや、其れで理解するよ。

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