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やらかしの42

「今晩は、バハローを使った料理を作らないと皆に恨まれるな。」

「ムーニャはお腹が苦しいので、考えたくないです。」

「ケイジ様、私もです。」

 結局あの後、バハローの内臓でもつ鍋を作り、宴会に突入してしまった。


 おやじさんは、今までの廃棄を考えて硬直していた。

「俺は今まで何て事を!」頭を抱えるおやじさん。

「いや、知らんがな。」


「とりあえず、いますることはミノタウルスの買取だ。」 

俺はベカスカの道具屋に行った。

「おぉ、ケイジ様、この度はどのようなご用件で?」

「あぁ、これを買い取ってほしい。」

 俺はミノタウルスの皮と蹄をカウンターに出した。

「な、これは?」

「おぉ、ミノタウルスの素材だ。」

「はぁ?」

「え? ここでは買い取り出来ないか?」

「いえ、可能です、可能ですが、私初めて見ました。」

「え? そうなのか?」

「はい。 こんな高級素材を見るのは初めてです。」

「買い取れるなら鑑定頼む。」

「はい、誠心誠意査定させて頂きます。」


「時間かかりそうだな。」そう思い、店の前の屋台をひやかす事にした。

 ムーニャと華厳は虚無の部屋の中だ。

「目新しい屋台はあるかな?」俺は屋台を見て回る。

 香ばしい匂いが俺の足を止めた。

「ここは、何の屋台だ?」

「いらっしゃい、此処は串揚げをやってるぜ。」

「おぉ、ソースの二度付け禁止ってやつか?」

「おぉ、兄ちゃん判ってるな、食ってくか?」

「あぁ、具材は何がある?」

「お薦めは海鮮だな。」

「おぉ、良いな、じゃぁ海老。」

「えび? ってなんだ。」

「え? そこにある奴だ。」

「あぁ、シュリプか。」

「おぉ、此処ではそう言うのか。」

「なんだ、兄ちゃん他の国から来たのか。」

「あぁ、そうだ。」

「おぉ、んじゃ、お薦めをどんどん揚げて良いか?」

「頼むよ。」

「任された。」


「ほい、シュリプだ。」

「おぉ、旨そうだ。」俺はそれをソースに漬けて口に入れる。

「カシュ!」と言う音とともに口の中に海老の味が広がる。

「美味い。」


「へへへ、ありがとうよ。」

「ラガーはいくらだ?」

「20Bだ。」

「んじゃ、此処に置くぞ。」

「ほい、ありがとうな。」そう言いながら、ラガーが目の前に置かれる。

 俺は、それをあおる。

「ぷはぁ、旨い!」

「次は白身だ。」

 目の前の更に串揚げが置かれる。

「おぉ。」俺はそれをソースに漬けて口に入れる。

「至福だ。」

「次は、シイタケと言うキノコだ。」


「おやじ。」

「ん? なんだ?」

「適当に、30本ずつ揚げて皿に出してくれないか。」

「え? 良いけど、どうするんだ?」

「マジックバックに入れて持ち帰る。」

「ほぉ、凄いな。」

「これにソースも入れてくれ。」そう言いながら虚無の部屋から中ぐらいの皿を出す。

「いくらだ?」

「いや、いくら分揚げる?」

「1G出来るか?」

「おぉ、今日の仕込み分全部だな。」

「んじゃ、1000B置くぞ。」俺は袋を置く。

「よっしゃ、どんどん揚げるから、片っ端から持って言ってくれ。」


「判った。」

その後、2刻後に全てが終わった。


「ぜいぜい、これで全部だ。」

「ふうふう、おぉ確かに受け取った。」

「今日は店じまいだ。」

「おぉ、ありがとうな。」

「礼を言うのはこっちの方だ。」


「さて、査定は終わったかな。」


 俺は道具屋に行く。

「おぉ、ケイジ様、お待ちしておりました。」

「おぉ、待たせたな。」

「いえ、いえ、この度は高級素材の持ち込み、ありがとうございました。」

「おう。」

「ミノタウロスの皮ですが、鎧などの素材に適しており、一体分50Gです。」

「つまり200Gか?」

「はい、蹄も特殊なアイテムの材料になるので一体分2対で70Gす。」

「つまり、全部で280になる?」


「全部で480Gですがお売りいただけますか?」

「あぁ、其れで良いよ。」

「ありがとうござます。カードをお貸しください。」

「あぁ。」


「ケイジ様、ミノタウルスの肉もお引き取り致しますが。」

「あぁ、それは仲間で食べる、悪いな。」

「なっ、それは羨ましい。」


「一塊だけなら、個人的に売っても良いぞ。」

「え? それなら20Gでは?」

「10kg渡そう。」

「おぉぉ、ありがとうございます。」

「入れ物は?」


「今持ってきます。」そう言いながら男がバックヤードに消える。


「お待たせしました、こちらに。」

「ほい。」俺は虚無の部屋から10kg分のミノタウルスの肉を出す。

「おぉぉぉ、感激です。」


「カードを。」

「あぁ。」

「20G入れました。」

「おぉ、サンキュウな。」

「滅相もない、ギルドの職員をやっていて良かった。」

「照会。」


 カード所有者:ケイジ

 ギルドランク:A

 ギルド預金:63402G

伴 侶:獣人:ミーニャ

伴 侶:人 :カリナ・ゴウショーノ

伴 侶:獣人:ムーニャ

伴 侶(血族):サラン(サラマンダー)

伴 侶(血族):リアン(リバイアサン)

伴 侶:エルフ:アイリーン

伴 侶:ノーム:モーマ

伴 侶:人 :アヤ・ミカンナ

伴 侶:魔族:ヨイチ

伴 侶:魔族:ヒドラ 

義 弟:獣人:メーム


「ん? 伴侶消えてないな。」

(ギルドが認知していません。)


「あぁ、そう言う事か。」

「ギルドで抹消しますか?」

「面倒くさいから良い。」


「あぁ、後おやじさん。」

「はい? 何でしょう?」

「コンロとかないか?」

「コンロとは?」

「其れで火を起こして、上で物を煮たり焼いたりするものだ。」

「あぁ、ございます、一昨日入荷したもので、ドワーフの技術の粋を凝らした物でございます。」

「おぉ、見せてもらえるか?」

「はい、こちらに。」店の奥に案内された。

「これです。」

「おぉ、結構でかいんだな。」

 それは地球サイズで、50cm×90cm高さが30cmある箱状のもので、5cmほどの枠の中は深く凹んでいて、底には石が敷き詰められていた。

「バーベキューグリルに似ているな。」

「思っていたのとは違っていたが、これはどう使うんだ?」

「はい、こちらに魔石を入れて頂いて、このつまみを回すと中の鉱石が熱を帯びます。」

「つまみの回し具合で、熱量が変わります。」

「おぉ、良いね。」

「網焼きも出来そうだ。」

「はい、網焼きをした場合、汁が下の鉱石に掛かって焦げが付きますが、こちらのボタンを押していただくと、浄化魔法が発動して、新品同様になります。」

「おぉ、良いね、いくつある?」

「はい、現在3台在庫しています。」

「全部くれ。」

「え? 全部ですか?」

「あぁ。」

「あの、かなりな金額になりますが?」

「あぁ、そうだった、いくらだ?」

「600Gです。」

「んじゃ、これで決済して。」

「あ、後、これに使える網も6枚、其れと大なべも3個くれ。」


「いつもながら、豪快なお買い物、天晴です、網と鍋はサービスいたします。」

「おぉ、悪いな。」

「お宅まで、お持ちいたしましょうか?」

「いや、此処でもらっていくよ。」

「え?」

 すべてを虚無の部屋に入れる。

「おぉ、凄い性能のマジックバックをお持ちなのですね。」

「まぁな。」


「毎度御贔屓にありがとうございました。」おやじさんが店の前まで出てきて、深々と礼をする。

「また、良い物が有ったら頼むな。」

「はい、喜んで。」



「さて、いったん帰るか。紫炎、華厳の店に。」

「はい。」俺はそこを潜った。


こちらも、今年最後の更新です。

拙い文章にお付き合いいただき、感謝の極みです。

来年も頑張って更新しますので、お付き合いくださいませ。

                      超月 聖 拝


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