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やらかしの25

今回は鬱回です、苦手な方は回避を。

後で拾う予定です。

「さて、ここに残ったという事は俺に下ると言うことで良いのか?」

「は、我ら、ケイジ様の御能力を見て、我らが叶う御力ではないと認識しております。

「俺に対する試しは良いのか?」

「は、先程の御力を見れば、我らの叶う物ではないと理解しております。」

「あー無益な殺生をしなくて良いのは助かる。」

「では、我らは今後どうすれば良いでしょう?」

「ふむ、その前に、この辺りに店はないか?」

「いえ、この辺りには。」

「ふむ、ちょっと待ってろ。」

「紫炎、ヤミノツウの華厳の店に。」

「はい、ケイジ様。」


 紫炎は虚無の部屋を繋げる。

「おわぁ、ケイジ様ですか?」穴の向こうで華厳が驚いている。

「あー、華厳ちょっと待ってくれ。」そう言って俺は振り返る。

「お前達、何人いる?」

「此処には、35名です。」

「あれ?シンの部下は数百人と聞いていたが?」

「はい、先程のシン様の攻撃が通用しなかった段階で、我ら以外は霧散しました。」

「まぁ、自由だと言ったからな。」


「華厳、36人だ、入れるか?」

「はい、2階席が開いてます。」

「よし、お前達付いてこい。」


 俺達は虚無の部屋を通り、華厳の店に入る。


「あの。ここはどこですか?」

「やみのつうにある、俺の部下がやっている店だ。」

「お前たちの先輩になるからな、ちゃんと挨拶しろよ。」

「「「「「「「「「「「御意。」」」」」」」」」」」」


「おー、華厳、シンを滅ぼして、その部下35人が俺に下るらしい。」

「流石、ケイジ様です。」

「華厳様、皆を代表してご挨拶させて下さい。」先程、俺の伴侶を申し出た魔族が一歩前に出た。

「我ら、35名ケイジ様の配下にさせて頂きました。」

「おぉ、それはよい心がけです。」

「ご指導、よろしくお願い申し上げます。」

「全ては、ケイジ様の御心のままです。」


「華厳、注文。いや、その前に、パオの水はないのか?」

「水?」

「パオを茹でる奴だ。」

「そのようなものが有るのですか?」

「な、ルズイから伝わらなかったか。」

「パオはな、焼き、水、蒸し、揚げの4種類だ。」

「沸騰した湯に、パオを入れて茹でるんだ。」

「おぉ。」

「あぁ、先程教えた海老パオは、蒸しと、焼きだけにしろ。」

「え?はい、仰せのままに。」


「とりあえず、パオの全種類とシャオマを全人数分、それとラガーもな。店を閉めて全員上がってこい。」

「はい、仰せのままに。」


「よし、お前ら2階に行くぞ。」

「あの、ここ、本当にヤミノツウなんですか?」

「そうだ。」

「え、と、スナからヤミノツウは歩いて半日かかる距離だったはずですが。」


「あぁ、俺が繋げた。」


「なんと。」

「俺、こんな技初めて見たよ。」

「あぁ、俺もだ。」

「我々は正しいお方に仕えられたようだな。」


「あぁ、サラン頼みがある。」

「はいマスター。」そう言いながらサランが指輪から現れる。


「な、サラマンダー様?」

「し、しかも本性で現れるとは?」

「け、ケイジ様の底が見えん。」


「な、お前達、我がマスター、ケイジ様だぞ。お前たち如きにそのお力の全貌が見える筈あるまい!」


「た、確かに、上位のサラマンダー様が、そのお姿で誰かにお仕えするのを見た事がありません。」

「私だけではない。リバイアサンも仕えておる。」

「な、しかし、先程華厳と呼ばれていたお方は。」

「水龍様だ。」

「げぇ。そそそ、そのようなお方まで。」


「あー、サラン、良いかな?」

「はい、マスター。」

「このカードを持って、ギルドに行き200G程換金してきてくれ。」

「はいマスター。」

「ベカスカに繋げるから、アイリーンによろしくな。」

「はい。マスター。」そう言うと、サランは俺が繋げた虚無の部屋に入っていく。


 暫くすると、サランがアイリーンと一緒に戻ってきた。

「ケイジ様、何やら楽しそうな宴を開くとか、私も混ぜて下さいまし。」

「おぉ、アイリーン、良いぞ。」

「んー、そうなると、モーマとリアンも呼ばないと拗ねそうだな。」

(肯定します。)

(んじゃ、シハリクとルズイにも繋いでくれ。)

(御意。)


「マスター殿、お呼びいただき感謝します。」



「おぉぉ、本当にリバイアサンの本性だ。」

「俺、初めて見るよ。」

「あ、握手してくれないかな。」

 

 リアンはそんな言葉を聞き、振り返って言う。

「ケイジ様に仕える仲間として、我に声をかけることを許そう。」


「「「「うおぉぉ」」」」途端に響く声援。



 り、リアンって、そんなに凄い存在なんだ。

「ケイジ様ぁ、お呼びいただき嬉しいですぅ。」モーマも現れるなり、俺に抱きつく。



「あれ?ノームって結構高レベルの存在じゃなかったっけ?」

「いや、俺もそう聞いてる。」


「ケイジ様って、本当にすごい存在なんだなぁ。」

「いや、シン様を葬ったんだぞ。」

「そう言えば、バスター様やビルカ様もケイジ様に滅せられたと聞いているが。」

「お前達、それは全てが事実だ。」サランが言う。

「今此処に居る全ての存在が、マスターの御心のままと知れ!」


「「「「「「「「「「「「「ははぁ。」」」」」」」」」」」」」


「いや、お前達、それは良いから。」

「主、待たせにゃ。」

「ご主人様、お持ちいたしました。」

「主様、追加もどんどん行けるにゃ。」

「兄者、待たせた。」

「ケイジ兄さま、お待たせです。」

 そう言いながら、目の前の机にパオとシャオマ、ラガーが並ぶ。

「華厳、お前達も来い!」

「はぁ、仰せのままに。」

 結構広い2階に、総勢71人が揃う。


「モブと孤児たちは?」

「1階で既に盛り上がってます。」

「そうか。」


 俺は目の前のジョッキを持って言う。

「おぉ、皆、御苦労。」

「「「「いえ、ケイジ様の御心のままに。」」」」

「とりあえず、皆、ラガーは回っているか?」

「お子様にジュースも大丈夫か?」

「主様、滞りなく。」ムーニャが小声で言う。



「よし、皆、ラガーを持て!」

「「「「「「はい。」」」」」」

「乾杯!そして、此処に居る皆に奉納を。」


「マスターに!」

「主様のために!」

「「「「「「「「ケイジ様に」」」」」」」」

「おぉ、俺達にも与えて下さった。」奉納を必要とする者達が驚愕する。

「人族で、初めて奉納して頂いた。」

「あぁあ、俺はこの生尽きるまで、ケイジ様に仕える。」

「あぁ、俺もだ。」




「よし、お前ら、パオとシャオマを食べて感想を華厳に言え!」

「華厳、改良点があったら即実行するように。」

「御意!」


「あの、ケイジ様。」さっき俺の伴侶希望を言い出した魔族の女が声をかけてきた。

「なんだ。」

「ケイジ様は奥様が何人いらっしゃるのですか?」

「不本意だが、8人だ。」

「あぁ、では私は9番目で良いのですね。」

「いや、誰が許可した?」

「えぇ、駄目なのですか?」

「そもそも、嫁が複数いる事がまずくないか?」

「え?強者様に仕える嫁は最高3桁も普通ですが。」

「3桁?」

「はい。」


「はぁ、お前名前は?」

「いえ、有りません。」

「そうか。」

「では、今からお前は「ヨイチ」と名乗れ。」

「え、は、はい、拝命いたしました。」

 その途端、ヨイチと命名された魔族が全身を光らせる。

「お前は、スナに子供たちが楽しめる施設を作ることを命じる。」


「ははぁ、仰せのままに!」

「よし、此処に居る者を部下として同行することを許す!。」

「仰せのままに。」

「ケイジ様、お願いがございます。」

「ん、華厳なんだ?」

「今、この店は3シフトで24時間回していますが、24人ですとかなりきついのです。」

「んー、それはきついな。」

「ですので、補充要員をお願いいたします。」

「そうか、何人いる、いや8人で良いか?」

「え?はい。それで充分です。」


「と言う事だから、其処の35人のうち、料理が得意な者、接客が出来る者名乗れ。」

「はい、私達はシン様の料理番をしていました。」そう言って5人の魔族が立ち上がる。

「私達は、シン様の身の回りのお世話をしていました。」新たに3人の魔族が立ち上がる。

「おぉ、丁度良いな。」

「では、お前たちは華厳に従え。」

「「「「「「「「「は!」」」」」」」」」

「華厳、これで良いか?」

「有りがたき幸せ。」そう言いながらひれ伏す。

「そう言えば、華厳。」

「は。」

「お前、名前を付けたらレベル80を超えたな。」

「はい、ケイジ様のおかげです。」

「魔王を名乗らなくて良いのか?」

「ケイジ様がそれをお望みなら名乗ります。」

「そうしたら、俺に挑んでくるか?」

「まさか。ケイジ様が魔王を配下に何人持つというような、ケイジ様の格をあげるためなら、何でもしますが、ケイジ様を陥れるなど。」

「ふふふ、華厳、下克上は何時でも受けるぞ~。」

「滅相もない、私ごときがケイジ様に叶う訳がないではないですか。」

「いやいや、寝込みを襲えば行けるかもよ。」

「な、あたしがそれを許すはずないにゃ。」

「勿論私もです。」

「主様に仇名すものはムーニャが殲滅します。」

「ふふふ、エルフの防御陣を破る?会うのが楽しみです。」

「ノームの結界を破れる者がいるのでしたら、是非会いたいです。」

「おぉ、サラマンダーの防御を破れるなら、私も会いたい。」

「ふふふ、リバイアサンの張る結界を破れるなら、私もだ。」

「あ~、君達、もしそいつに会ったらどうするのかな?」

「「「「勿論、求婚します。」」」」


「な。」

「お前ら。」


「「「「え?」」」」


「よし、お前達4人、離縁な。」


「「「「え?そんな。」」」」」


「は?今、お前達、何を言った?」俺は威圧を込めて言う。

「求婚する。そう聞こえたが?」

「「「「言ってしまいました。」」」」

「俺は、そんな尻軽たちはいらない。」そう言って二つの指輪を外す。


「「あぁ、そんな。」」

 俺はその指輪を床に転がす。

「去れ。」

「け、ケイジ様、今のは言葉の綾です。」

「けして本心では。」

「そうです、本気では。」

「私も。」


「指輪が外れたぞ。サラン、リアン、裏切りだな。」

「う。」


「本性では抗えないって事だよな。」

「う、そ、そうです。」

「でも、私はケイジ様に仕えたい。」

「私もです。」

「ケイジ様、後生です。」

「お願いしますぅ。」


「俺さ、前の世界で、部下に裏切られ、上司にパワハラを受けて、死んだんだよ。」

「信じていた奴に、手のひら返されて、裏切られて、死んだんだよ。」


「今、お前たちは俺の信頼を裏切った。」

「何を信じろと?」


「それは。」

「でも、ケイジ様以上の者など現れません。」

「現れたら下るんだな。」

「それは。」


「どうすれば、どうすれば信じて頂けますか。」

「今は、絶対に無理だ!」

「あぁ。」

「そんな。」

「悲しいです。」

「ケイジ様。」



「全て、お前達が招いた事だ。」

「じゃぁな、サラマンダー、アクア。」

「う、マスター殿。」

「マスター、そこまで。」


「ケイジ様。」

「ケイジ様ぁ。」


「いや、割れたコップはもう元には戻らないんですよ。」

「そして、割ったのはお前達だ!」


「!!!!」


「あぁ。」

「なんてことを、私は。」

「あああああぁ。」

「ひっく。ヒック。」


俺の前から4個の存在が消えた。

「主。」

「主様。」

「旦那様。」

「ケイジ兄さま。」

「ごめんな。心が小さい男で。」

 ミーニャが俺の頭を抱いて言う。

「そんな事無いにゃ。」

「主様の心を乱す者が悪ですにゃ。」

「旦那様、カリナは何時でも旦那様の味方です。」

「ケイジ兄さまは何も心配しなくて大丈夫です。」

「私達が全力でお守りします。」


「あー、水龍達、痴話げんかを見せてしまったな。」

「いえ、ケイジ様の御心、良く分かりました。」

「いや、俺もまだまだ未熟だ。」

「いえ、私は、決してケイジ様に敵対いたしません。」

「いや、嫁達が本性に逆らえないんだ、俺はそれを受け入れるよ。」

「この水龍、いえ、今は華厳、そのような誘惑に負けることは有りません。」

「おぉ、華厳、期待しているよ。」

「御意。」


「もう、ベカスカとシハリク、そしてルズイには行く事はない。紫炎、繋がりを切れ。」

 俺は心の喪失感を感じながら言う。

「仰せのままに。」


 俺は束の間の幸せを忘れるように強がって言う。


「さて、やみのつうの盟主に会い行くか。」

「今なら、どんな奴でも葬り去れるよ。」

「ラドーンが良い奴ならいいな。」


「ケイジ様、ラドーン様は話の分かるお方です。」華厳が言う。

「おぉ、そうなのか。」

「はい、私も、何度もお会いして、色々教えを受けております。」

「ン?教え?」

「はい、ラドーン様は熱心なキーリスト教の信者ですので。」

「まさか。華厳、洗礼を受けたのか?」

「いえ、勧められましたが、ケイジ様を忘れて、オッケー神に誓いを立てろと言われたので、断りました。」

「おぉ、華厳、お前の忠誠を感じるよ。」

「有りがたき幸せ。」

「そして、場合によっては、ラドーンも滅ぼすのか。」

「なんか、俺の魔王認定が上がっていくような気がする。」

「いえ、ケイジ様は魔王ではなく、我々の王です。」


「ケイジ兄さま、なんかいきなり序列が上がった気がするのですが。」


「気のせいだ。」

「そうなのですか?」


「いや、多分。」

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