やらかしの22
「あー。虚無の部屋マジ便利だな。」
(ありがとうございます。ケイジ様。)
「紫炎、マジ感謝だな。」
(いえ、どういたしまして。)
「おっと、ミーニャを出さないとな。」
「主、御免にゃ・・あれ?」
「ミーニャ、もう終わったよ。」
「さ、流石主にゃ。」
「さて、時間が凄く余ったな。」
「そう言えば、ヤミノツウの魔族を見に行っていないな。」
「主、連れて行ってにゃ。」
「あぁ、昼飯を食いに行くのも良いか。」俺は答えながらギルドに入る。
「ケイジ様~。」アイリーンが俺に抱きつき口付する。
「むぅ。」俺は能力を開放して、アイリーンを沈める。
「ちっ、ギルマスまで落とすとは。」
「くそぉ、俺もアイリーンさんを狙ってたのになぁ。」
「ケイジ許すまじ!」
(何だよこの居心地の悪さ。)
(ケイジ様の実力を解らない愚民どもです。)
(何だよ愚民って。)
(この際、ケイジ様の力を認知させることを推奨します。)
「いや、良いよ。身の程知らずは、放っておこう。」
「主、なんかすご~く悪い顔してるにゃ。」
「あ?気のせいだ、ミーニャ。」
「そ、そうなのかにゃ?」
「とりあえず、カードを照会してくれ。」
俺はカウンターにカードを置く。
「かしこまりました。」獣人のお姉さんがカードをセンサーに通す。」
「え~、魔王1種従属、500Gですぅ。」
「魔王1体殲滅500Gですぅ。」
「いつも通りだな。」俺はカードを受け取りながら言う。
そうしているうちに、アイリーンが復活した。
「今日はミヤノツウに視察に行くよ。」
「はい、行ってらしゃいませ。」アイリーンが破顔の笑顔で言う。
「アイリーン、一緒に来るか?」
「ケイジ様、一緒に行きたいのは山々なのですが、仕事が詰まっていますので、無理です。」
「そうか。」俺はアイリーンの元に行き、その顎を持ち上げてアイリーンに口付る。
「はぅ。」アイリーンが一瞬で呆けるが、直ぐ立ち直るだろう。
「皆はどこにいる?」俺はカウンターの獣人に問う。
「2階で寛いでいます。」
「ありがとうな。」
そう言って、俺はギルドの二階に行く。
そこには、いつものメンバーが思い思いに寛いでいた。
「今からやみのつうに行くが、一緒に来るか?」
「はい、お供します。」カリナが嬉しそうに言う。
「勿論行くにゃ。」ムーニャもニコニコ顔で言う。
「兄者、聞くまでもないだろう。」メームも言う。
「解った。」そう言うと俺はそこにいた全員を虚無の部屋に入れた。」
俺は、一階に降りると、まだ呆けてるアイリーンに言う。
「ではな、行ってくる。」
「行ってらっしゃいませ。」
「紫炎、マヤオまで繋いでくれ。」
(仰せのままに。)
俺は虚無の部屋を潜った。
「お~、マヤオだな。」
俺は、記憶を頼りに思い出す。
「さて、ヤミノツウはここから北に35kmか。」
「2跳躍だな。」
「んじゃ、いくか。」俺はそう言いながら、北に向かい跳ぶ。
「わはは、やっぱり跳躍は気持ち良いな。」
(ケイジ様だからこその醍醐味です。)
「お?そうか?」
(普通の人間は、一回の跳躍で20kmはいきません。)
「そんなもんか?」
(そんなもんです。)
「後15kmなら、力を抜いて跳べば良いか?」
(御意。)
俺はいつものように跳躍した。
「風を切る感じが良いな。」
そんな事を思いながら、着地点を見ると、誰かがそこにいる。
「な、誰もいないところに跳んだつもりだったのに。」
「おい、避けてくれ!」俺は叫ぶ。
しかし、その存在はまったく反応しなかった。
「何で反応しないんだ~~~。」そう言いながら俺はその存在を抱きとめて、大きく受け身をとる。
その存在を抱きとめたまま、俺は空中で2回転すると、衝撃を感じないように着地する。
俺の手の中には、ふわふわの少女がいた。
「ごめんな、けがはないか?」
俺はそう言うが、腕の中の少女は俺を見つめておびえた顔をしている。
「いや、悪い、人がいるとは思わなかった。」
少女は更に強張る。
「いや、別に襲おうとかじゃないんだ。」
少女は顔を振る振るとすると、声を出さず降ろしてと言う。
「あ、いや、御免。」
俺はそう言って、少女を降ろす。
少女は俺をじっと見る。
「悪かったな、脅かして。」
「・・・・?」
「誰もいない所に跳んだつもりだったんだけどな。」
「・・・・。」
「何処か、痛いところないか?」
少女は顔を横に振る。
「そうか、良かった。」
「・・・。」
「なぁ。この辺で美味い店はあるか?」俺は少女に聞く。
その少女は少し考えると、俺の袖を引っ張った。
「お、連れてってくれるのか?」
少女はこくんと頷いた。
忙しくは無かったんだけど、なんか疲労感が凄くて><。
更新頑張る。多分。(by。朧)