やらかしの20
やばい、モチベが酷い事に。。。
(いや、ヘタレです。)
(ヘタレ以外何もんでもないです!)俺はベットに腰かけて思う。
「主、何で抱いてくれないにゃ?」ミーニャがベットの上で姿を作りながら言う。
「ミーニャはいつでも受け入れる準備は出来てるにゃ。」
「俺の心構えが出来ていないんだ。」
「どう言う意味にゃ?」
「俺は、ミーニャ達を愛している。」
「にゃ?だったら。」
「父親になる心構えが出来てないんだ。」
「俺は、父親の顔を知らない。」
「にゃ?あたし達は大概そうにゃ。」
「え?」
「獣人の男は、直ぐどっかに行っちゃうにゃ。」
「母親も、暫くは面倒見てくれるけど、やっぱりどっかに行っちゃうにゃ。」
「それは。」
(獣人の寿命は長くありません。)
(え?)
(死期を悟った獣人は、死に場所を求めて姿を消すのです。)
(そう言う事か。)
ケイジが、何かを考えながら下を向いていると、「ん?」って顔で、ミーニャがのぞき込む。
(くそ、可愛いな、こいつ!)
俺は、ミーニャの顔を掴むと全力で口付した。
「な、にゃ・・・む、ん~~。」
暫くするとミーニャは轟沈した。
「ふっ。」俺は何故かやり遂げた感で満足する。
「ミーニャばかりずるいです!」
カリナが俺の顔を両手で挟んで言う。
そして、俺に情熱的に口付してきた。
(ふ、解った。)俺はカリナにも全力を出す。
「ひっ、あ、ん~。」カリナも沈んだ。
ふと横を見ると、他の嫁達も何かを期待しながら並んでいる。
(君達、結構好きもんだね。)
「主様、ムーニャにも。」
「あぁ。」
「にゃ、む~、にゃ~、ひぅ。」ムーニャには刺激が強すぎたか?
「マスター、私も良いのか?」サランも顔を赤くして言う。
「良いよ。」
「あぁ、マスター嬉しい。」そう言いながらサランが俺に口付する。
「あ、ぐ、あ、はぁ~。」サランも陥落っと。
「さて、どっちが先だ?」俺はモーマとリアンに聞く。
「ど、どうぞお先にですぅ。」モーマガリアンに言う。
「え?わ、わ、解った。」
「で、では、よろしく頼む。何分色々初めてなんでな。」
「おぉ、任せておけ。」そう言うと俺はリアンを引き寄せる。
「!」
リアンは本当に経験が無いようだ。
俺は、リアンの髪の毛を優しく解くと、リアンの耳たぶを優しく銜えた。
「ひっ。」リアンが身体を硬直させる。
俺は、リアンの耳たぶから、耳の中を優しく舐った。
「え?、あ、や、ん~~。」リアンの身体から力が抜ける。
そして、俺は焦点が定まらないリアンに口付した。
「ん、ん~。はぅ、あ、あうぅ。」リアンも陥落っと。
さて、残りはノームのモーマさんか。
「ケイジ様、御存分に!」そう言いながらモーマさんがベットの上で無防備に寝る。
「貴女は色々駄目ですね。」
「え?何がですかぁ?」
と言う無防備な状態のモーマの唇を奪う。
「ひぅ、にゃ、な。」
「むが、うむ、ん~、ん~。」
全員の陥落を確認。
「我ながら、良い仕事したぜ。」
そう言って、誰もいないベットに身を投げ出した。
(で、またこれか。)
翌朝、目が覚めると、いつものように、俺の右側にミーニャ、左にカリナ、足元にメーム、胸の上にムーニャがいる。
いつもと違う処は、モーマが頭の上の方に寝ていた処だ。
(身長が低いから、コンパクトに寝てるな。)
リアンとサランは指輪の中に入っている。
「朝飯を食いに行くか。」
「主、どこ行くにゃ?」
「リアンの町だ。」
「紫炎、頼む。」
「はいケイジ様。」
紫炎は今迄に行った町と、此処を虚無の部屋経由で繋いでくれる。
目の前に現れた空間に、俺達は入る。
通った先はルズイの町だ。
「この間の店に行くか。」
「御意!」リアンの案内で先日の店に着く。
「おぉ、朝から凄い並びだな。」
俺達は、列の最後尾に並ぶ。
すると、店の前で客を捌いていた店員が俺達に気付く。
「け、ケイジ様、店長に言われていますので、店にお入りください。」
「え?前にも言ったが、美味い物を喰うのに身分は関係ないよな。」
「いえ、ルズイの食文化を変える技術提供に対する対価で、ケイジ様とそのお仲間は、このルズイの、全ての店で、最優先権を行う旨通達が出ております。」
「何だそりゃ。」
「リアン、どう言うことだ?」
「な、マスター殿、すまないが、商業組合の決定事項は私の範疇外だ。」
「どうぞ、此方へ。」店の前で客を捌いていた男が、俺達を店の奥の隔離された場所へ連れていく。
「なんだよ、この特別待遇。」俺は思うが、今は嫁さん達がいるので不問にすることにした。
「まぁ、嫁さん達が楽しんでくれれば良いか。」
店の奥の部屋に案内された俺達の前に、店長が現れる。
「おぉ、ケイジ様、貴方に教えて頂いた調理方法は、どれも最高の売り上げを出しております。
「あ~、良かったな。」
「ケイジ様とその御一行は、何時でも料金を頂きません、御存分に堪能して下さい。」
「いや、悪いよ。」
「何をおっしゃいますか、売り上げが20倍になっております。ケイジ様たちの飲食代の負担など誤差の範囲です。」
「あ~、判ったよ。んじゃ、御馳走になる。」
「はい、喜んで~」
「とりあえず、焼き、水、蒸し、揚げを7人前と、ラガーを5個と、オレンジジュースを2個な。」
「はい、喜んで~。」
「おまたせしました~。」目の前のテーブルに俺が頼んだものが置かれた。
「んじゃ、食べよう。」
俺は、前と同じように小皿に調味料を入れていく。
酢とラー油っぽい物と醤を入れた物。
酢と胡椒を入れた物。
酢だけを小皿に入れた物。
「んで、これを好みの奴に付けて食べる。」そう言いながらパオを箸でつまみラー油の入った小皿に入れると、そのまま口に入れる。
「あふあふ、そしてこれだ!」俺はラガーを飲む。
「ぷっはー!やっぱり美味いな!」
「あぁ、サランとリアンに奉納を。」
「ありがとうマスター。」
「恩に着るマスター殿。」
サラントリアンは、蒸しと、水と、揚げに飛び付いた。
嫁さん達も、其々指でつまんで口にする。
「これは、美味しいです、主様。」
「主、美味しいにゃ!」
「こ、こんな物が、私は勉強不足です。」
「兄者、美味い!」
「これ以外に麺があるんだが、どうする?」
「「「「「「「食べる。」」」」」」」
(だよなぁ、でも味はどうしよう?)
(俺的には、前回と違う味を攻めたいが・・・)
(まぁ、最初は基本の醤か。)
「お~い、注文良いか?」
「はい、喜んで~。」
「ラメーンの醤を7人分頼む。」
「はい、喜んで~。」
「マスター、ラガーが無い!」
(おいおい、サランは容赦ないな。)
「お~い、飲み物の注文も良いか?」
「はい、喜んで~。」
「ラガー5個とオレンジジュース2個追加で。」
「はい、喜んで~。」
「お待たせしました~。」その言葉と共にラメーンが人数分と飲み物が、机に並べられる。
「おぉ、サランとリアンに奉納を。」
その言葉を聞いた、二人は麺を啜り始める。
「俺達も食べよう。」俺はそう言うと、胡椒を振りかけて食べ始める。
「主様、どうすれば?」
「とりあえず、中身を食ってみろ。」
「えと、旦那様、どのように?」
「あぁ、お前達、箸は使えるか?」
「いえ、知りません。」
「主、主が持ってる物の事かにゃ?」
「サランとリアンは何で箸を使えるんだ?」
「「え?マスター(殿)の記憶を見たからです。」」
「あぁ、ミーニャ、カリナ、ムーニャ、メーム、俺の手元を見ろ」
「「「「はい。」」」」
「こうだ。」俺は箸で麺をつまみ啜る。
「あぁ。」カリナは理解したようだ。
カリナは箸で麺を啜り幸せそうな顔をしている。
「主様、判んないです。」
「主、ミーニャも無理にゃ。」
「兄者、すまん。」
(あー、獣人には無理か。)俺はそう思うと虚無の部屋かフォークに似た物を取り出す。
「では、これで麺を巻いて食ってみろ。」俺は3人にそれを渡す。
ミーニャとメームは、それで麺をすくい、口に入れてその美味さに悶えている。
しかし、ムーニャだけはフォークを受け取らず、箸を色々動かしている。
「にゃ、解ったにゃ!」そう言うとムーニャは箸を使って麺を啜る。
「美味しいにゃ。」
「ムーニャ、凄いな、感心した!」そう言いながら俺はムーニャの頭を撫でる。
「えへへ、主様、嬉しいです。」
「では、リアン、今まで通りルズイを治めろ。」
「御意、マスター殿。」
食事が終わった後、俺達はリアンをこの地に残しベカスカに帰った。
「ケイジ様、又ダンジョンが発生しました。」ギルドに行くと、アイリーンが俺の元に来て言う。
「場所は?」
「此処から北に10数キロのトギスです。」
「一応、ダンジョンの規模は?」
「解りません。」
「アイリーンはそんなところに主を行かせるんだ?」
「な、ケイジ様、私はそんなことは望んでいないのですよ。」
「でも、ギルマスとして・・・」
「ふっ、解ってるよ、アイリーン。」
「ケイジ様。」
俺はアイリーンに優しく口付し「行ってくるよ。」と言ってギルドを後にした。
「ミーニャだけ来てくれ。」俺が言うとムーニャ達はギルドに残ると言う。
「ムーニャ、カリナ、晩飯は豪勢にしてくれ。」
「はいにゃ。」
「仰せのままに、旦那様。」
「はぁ、もう、リキードを滅ぼそう。」
「マスターの御心のままに。」
「とりあえず、トギスに行くか。」
「はいにゃ。」
「解りました、マスター。」
逃げちゃダメだ、逃げちゃダメだ、逃げちゃ駄目だ。。。