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やらかしの180

「さて、今から領主前婚を開催する!」俺が宣言する。


「「「うをぉぉぉ。」」」冒険者が声を上げる。


「さぁ、ショウマ、領主の俺に何を献上する?」俺がノリノリでショウマに言う。


「まず、ローストバハローを。」

「ほぉ。」


「そして、オークの角煮を。」

「おぉ。」

「そして、ランナー鶏の焼き鳥を。」


「ふむ。」


「お祝いに、私達も。」孤児たちが言う。

「オークカツを!」


「ははは、良くやった、二人の結婚を認めよう。」


「「「「おおお。」」」」冒険者たちが祝福する。


「さぁ、二人とも此処にお互いの気持ちを乗せろ。」俺がアミュレトをそこに置く。

「「はい!」」ショウマとチリがそれに手を置く。


 途端にアミュレットが虹色に輝く。


「よし、ふたりの婚姻を承認する、今から二人は伴侶だ。」俺が宣言する。


「「「「「「おおおおお。」」」」」」集まった冒険者たちが声援を上げる。


「ははは、賑わって居るな。」バランが俺の横で言う。


「おいおい、お前が来たら国王前婚だろう。」

「わはは、何を言っているんだ、お前も国王だろう。」

「あ!」


「確かに。」

「ははは、其れで良いではないか。」


「あぁ、そうだな。」俺が言う。


「畜生、ショウマに先を越されるとは。」

「くそう、あ、これ美味い!」ユーゴとビーアが文句を言いながら食べていた。


「さて、ショウマとチリは何処で店を出すかな?」


「エゴワカはどうでしょう?」ヒドラがグラスを2個持って来て言う。

「エゴワカか、確かにまだ店を出していないが・・。」

「何か問題でも?」


「あそこの土地柄に合うかな?」

「大丈夫ではないでしょうか?」


「んじゃ、イースに会いに行くか。」

「はい。」


**********


「そういえば、キシリアーナが妊娠してから始めていくな。」

「ほほほ、そうですね。」


「ヒドラは通常営業っと。」

「ほほほ。」


**********


「いらっしゃいませ、ケイジ様とヒドラ様。」門番が礼をする。

「おぉ、俺を認識してくれるのか。」


「はい、ケイジ様の関係者は我が守護隊全員が認知しております。」

「あぁ、解った。」


「んで、イースは?」

「執務室で就業中です。」

「あぁ。」


「どうぞ、お進みください。」

「ありがとう。」

「いえ。」


「ははは、イースに合うのも久しぶりだ。」俺は執務室に向かった。


**********


「は~い、お父さんですよぉ。」

「あなた、公務中ですよ。」

「良いんですよぉ、ほ~ら、べろべろばぁ!」


 俺は、ドアを開けて固まった。


「ほほほ、イース、その失態をどう取り繕うのでしょうか?」ヒドラがイースを見て言う。

「なぁ、ヒドラ様とケイジ様、こ、これは違うのです。」


「ほほほ、どう違うのですか?」

「我が子可愛さに、政務を忘れていたのではなく。」


「ほほほ。」

「そう、政務中の癒しの時間を満喫していたのです。」



「・・・、イース。」

「はい、ケイジ様。」

「お前、馬鹿だろう?」


「え?」

「親ばかすぎるだろう!」


「なぁ!」


「キシリアーナ。」

「はい、ケイジ様。」


「今すぐ此奴をどうにかしろ。」

「はい、ケイジ様。」


「イース!」

「何だ、キシリアーナ。」

「これ以上、我が子に現を抜かすのなら、離婚です!」


「ななな、何を言うんだ!」


「今のあなたは見るのに耐えません!」

「な!」


「今すぐお決めなさい、離縁するか、政務を全うするか。」


「ななな。」


「即答できないのですか?」

「いや、そんな、我が子と政務を天秤にかけるなど。」


「はぁ、その程度ですか。」

「え?」


「イース、幻滅しました。」キシリアーナが宣言する。


「貴方とは、離縁いたします!」


「おぉぅ。」

「ほほほ。」


「修羅場だった!」


「いや、キシリアーナ、話し合おう。」


「子を産んでから、早半年、最早話し合う事はありません。」


「いや、今までの態度は改める。」

「どのように?」


「いや、え~と、あの。」


「今すぐ、荷物をまとめてここから消えなさい!」


「そんな。」

「半刻後にその姿を見たら、私の魔法で消し炭にします!」


「ひぐぅ。」


「え~っと、修羅場?」

「ほほほ。」


「あら~、ケイジ様、ごきげんよう。」

 やばい、キシリアーナの笑顔が怖い。


「あ~。キシリアーナさん。」

「ふふふ、私の事は呼び捨てでどうぞ。」


「こほん、キシリアーナ。」

「はい、ケイジ様。」


「一度だけ。」

「一度だけ?」


「イースに、チャンスをやってくれないか?」

「おや?」


「けいじざばぁあ!」


 すり寄ってきた、イースの首根っこを掴んで吊り上げる。


「俺の所の、孤児が結婚してな。」

「まぁ、それはおめでとうございます。」


「ここ、エゴワカに店を持たせてやろうと思っている。」

「あら、それは、それは。」


「その店の調達を、こいつ(イース)にやらせて、俺が気に入る店を調達出来たら、一度だけ離縁するのを止めてほしい。」


「ふ~ん、別に良いですわ。」

「おぉ、キシリアーナ、助かるよ。」

「いえ、他ならぬケイジ様の頼み事ですもの、お受けいたしますわ。」

「ありがとう。」その言葉にキシリアーナがにっこりとほほ笑む。


「と、言う事だイース。」

「ひ、ひゃい。」


「暫く、娘にかまけず、店を探せ。」

「ひ、ひゃい、解りました。」そう言って、肩を落としながらイースが部屋を出ていく。


「ふぅ。」俺がため息をつくと、キシリアーナが娘を抱いて俺に近づいてきた。

「ん?」


「抱いてあげてください、ケイジ様のご加護が授かるように。」

「ははは、良いぞ。」俺は其のを抱き上げる。


「名前は何というんだ?」

「ロッテです。」


「そうか、ロッテ、元気に育て。」俺はロッテのおでこにキスをする。

「うきゃ。」ロッテが嬉しそうに声を上げた。


「まぁまぁ、ロッテはケイジ様が気に入ったのね。」


「ははは。」

「年頃になったら、お輿入れしてくださいね。」

「はぁ? 何を言ってるんだ?」


「ロッテ良かったねぇ、お婿さんが見つかって。」

「おい! 年齢差が20だぞ!」


「些少の事です。」

「ほほほ、ケイジ様、ど~んと器量をお見せください。」

「ヒドラ~。」


「ほほほ、今更嫁の一人や10人、どうと言う事もありません。」

「はぁ。」俺はため息をついた。


**********


「良い店を見つけないと、娘に会えなくなります。」イースがいろんな意味で本気を出した。


「おい、居抜きで良さげな店を探せ!」イースが部下に指示する。


「はい、イース様。」


 部下たちがばらばらに走っていくが、途中で歩き出す。

「あの人に従っても、俺らに出世の目途はないよな。」

「あぁ、ケイジ様が連れて来たからどのような方かと思ったが。」


「子供が生まれるまでは凄かったな。」

「あぁ、だが、子供が出来たら。」

「あれだからなぁ。」


「まぁ、大元はケイジ様の依頼だ。」

「あぁ、本気で探そう。」


 イースはポンコツでもケイジの威光は変わらない。


今日、コンビニでチャージしたスマホをそのまま置き忘れてしまいました。

3時間後に店に戻ったら、なんと、お店の人が預かってくれていました。


いや~、捨てたもんじゃないぞ、日本人!

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