やらかしの152
非常に残酷な表現があります。
その手の表現がお嫌いな方は読み飛ばしてください。
「さて、お前達のアジトの場所を話したい奴は、瞼を数回閉じろ。」スタン中でも唯一動く場所だ。
「・・・。」
「ほぉ、誰もいないか。」
俺は、3人に痛覚が敏感になる魔法をかける。
「お前はどうだ?」右端の男の膝に足を乗せ、強めに体重を乗せる。
「・・・。」
「強情だな。」俺は更に強く踏む。
「!!!!。」男が目を見開く。
「言う気になったか?」
「・・・。」
「ふぅ。」俺は足を離す。
男が安堵した表情になる。
「ふん!」俺は、膝を踏み潰した。
「!!!!!!!!!。」男が気絶したので、意識が戻るように魔法をかけて意識を取り戻させた。
「言う気になったか? なったなら治してやる。」
「・・・。」
「んじゃ、潰す場所を変えようか。」そう言いながら下腹部に足を乗せる。
「!!!!。」
「言う気になったか?」
その男は、何度も瞼を瞑る。
「ヒール。」口だけが動くようにする。
「アジトの場所は何処だ?」
「言うから、足を治してくれ。」
「アジトの場所は?」
「・・・。」
「ふん!」俺は下腹部を踏み潰す。
「あぎゃぁ「スタン!」五月蠅いから、声が出ないようにする。
「さて、お前は答えてくれるかな?」俺は、横の男の股間に足を置く。
「!!!!。」
「あぁ、横の男の男は駄目になったよ、このまま放っておけば、魔獣が来て股間から内臓を喰われるだろうなぁ、生きたまま。」
その男は、何度も瞬きする。
「ヒール。」
「アジトの場所を教えれば、見逃してくれるか?」
「お前の答え次第だな。」
「アジトは、3か所ある。」
「ほぉ。」
「一つは、ヤミノツウの西の門の直ぐ傍だ。」
「ふむ。」
「もう一つは、北の門の傍。」
「ふん。」
「最後は、中心にある孤児院の傍だ。」
「そうなのか?」俺は、最後の男の股間に足を置いて聞く。」
「!!!!。」
「ヒール。」
「間違いない。」
「で、どっちが案内してくれるんだ?」
「勿論俺が。」
「いや、俺の方が正しく案内できる。」
「ところで、俺の嫁を人質にしたのは誰だっけ?」
「そいつだ!」真ん中の男が、左にいる男を見て言う。
「違う、俺は逃げようとして、猫の獣人に蹴られた。」
「俺も、覚えている、真ん中のお前だよな。」
「違う、俺はこいつに脅されたんだ。」右にいる男を貶めるようなことを言う。
「ギルティ!」俺は、真ん中の男の股間を踏み潰す。
「ぐぎゃぁぁ「スタン!」
五月蠅いんだよ。
「ヒール。」俺は一番左の男が動けるように魔法をかける。
「おぉ、動ける。」そう言いながらその男が立ち上がるが、俺はその男に言う。
「お前が言った内容が虚偽なら、魔獣にお前の内臓を生きたまま食わせる。」
「ひっ。」
「それが真実であると良いな。」
俺はその男を虚無の部屋に入れて、ヤミノツウに潜る。
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そこにいた股間を踏み潰された男二人の元に、魔獣が迫る。
意識はあるが、スタンの魔法で身体が動かせず、下腹部を踏み潰された男が二人。
勿論、下腹部を踏み潰されているので、血の匂いは充分に匂う。
魔獣は、血の匂いに引き寄せられ、潰れた下腹部を食いちぎる。
「!!!!!!。」その男が声にならない叫び声をあげる。
魔獣は、其処に口を突っ込み、内臓を引っ張り出す。
「!!!!!!!!。」内臓を引っ張り出された男が、声にならない断末魔を上げる。
だが、死ねない。
ケイジが、リジェネ(生命の回復)の魔法をかけている。
この二人は、生きて、意識を保ちながら、魔獣に内臓を貪られた。
全ての内臓が食われ、その脳髄が食われるまで、悪夢は続いた。
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「因みにお前の仲間の二人は、今頃魔獣に内臓を生きたまま引きづり出されて、苦しんで死んでいるだろうな。」虚無の窓を潜った俺が言う。
「俺は、見逃してくれるんだろうな?」
「さて、情報次第だな。」俺はにやりと笑いながら言う。
「こっちだ。」その男は、説明にあった3か所を案内した。
(全部で116人を確認しました。)
「お前の仲間は、何人いるんだ?」
「俺を入れて、119人だったが、今は117人だ。」
「何故3か所に分かれているんだ?」
「意見が食い違って、別々に行動しているからだ。」
「よし、褒美だ。」俺はその男と同期して、痛覚を無くした。
「え?」
「行ってこい!」俺は虚無の窓を開き、魔獣たちがさっきの男たちを貪っている所にその男を放り出す。
「え? 俺は助けてくれるんじゃ?」
「はぁ? 俺の嫁を人質にするやつを許すわけがないだろう。」
「そんな!」
「スタン!」
「せめてもの情けで、痛覚は消しておいた、オマケで、気も失えないようにしてある。」
「・・・!」
「自分が、魔獣に喰われるショーを見ながら逝け!」そう言いながら虚無の窓を閉じる。
(いやだぁぁぁあぁぁぁあぁぁぁ!)叫ぶが声が出ない。
魔獣が、涎を垂らしながら俺の傍に来る。
そして、下腹部にかみついて、内臓を引きづり出された。
痛みは、一切感じない。
数匹の魔獣が、俺の身体を美味そうに食べていくのが見える。
そして、魔獣が俺の頭をかみ砕き、悪夢が終わった。
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終わったはずなのに、身体も無いのに、意識だけがある。
そして、気が付いた。
俺は、意識があるままで魔獣の一部になっていた。
魔獣が襲って食べる獲物の血の匂いと、生肉の味を感じる。
凄く不味い。
俺は、この魔獣が死ぬまで、此の監獄に囚われて不味い物を喰わされることを理解した。
あの男には、手を出すべきでは無かった、と思ったがもう手遅れだ。
きっと、仲間たちも同じ運命になるんだろうな。
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「アイリーン。」
「はい、ケイジ様。」
「紅蜥蜴団の処置はどうしたら良い?」俺は、虚無の窓越しに聞く。
「そうですね、最近は炭鉱の犯罪奴隷も足りているようなので、殲滅で。」
「モーマも肯定します。」
「ユノンもオッケーです。」
「ザムザも肯定します。」
「ギルド案件で、殲滅しろって事で良いか?」
「「「「はい。」」」」
「うん、受けた。」そう言いながら、俺は家を出る。
「最初は、一番近い所で良いな。」そう言いながら直ぐ近くの館に向かう。
「此処は、商人が住んでいたはずだが?」俺は、そう思いながら、ドアのノッカーを叩く。
「誰だ?」
「あぁ、俺はケイジだ、宜しくな。」俺は出てきた男にギルドカードを見せながら言う。
「な、Aランクのお前が、ここにどんな用だ?」
「お前らのリーダーに会いたい。」
「ちょ、一寸待っていろ。」ドアが閉まる。
少ししたら、先程の男が出て来た。
「お会いになるそうだ。」そう言って、ドアを開く。
「案内してくれ。」
「あぁ、こっちだ。」男は二階の部屋に俺を連れて行った。
「此処だ。」そう言いながら、ノックを3回する。
「入れ!」中から声がする。
「邪魔するぜぃ。」俺はそう言いながらドアを潜る。
「おぉ、領主様でしたか?」
「あ?」
「これは失礼いたしました、私はヤミノツウで商売をさせて頂いております、リウスヤと申します、以後お見知りおきを。」
「あぁ、色々と聞きたいんだが。」
「はい、どのような?」
「其処のお前。」
「はい、私ですか?」
「お前は、紅蜥蜴団の一員か?」
「お言葉ですが、俺をあいつらと同じ目で見ないでください。」
「ほぉ。」
「俺達は、あいつらの振る舞いを嫌って分離したところを、こちらのリウスヤ様に拾って頂き、リウスヤ様のお役に立つよう精進しています。」
「えぇその通りです、彼は執事として教育中ですが、他の者達36名も私の店で生き生きと働いてくれております。」
「村や町を襲ったことは?」
「俺達は、其れを嫌って袂を分かちました。」
(嘘は言っていません。)
「あぁ、それは失礼、気を悪くしないでくれ、ギルド案件で俺が派遣されたんだが、問題ないと報告しておこう。」
「ありがとうございます。」
「では、失礼いたします。」
「何もお構いしませんで。」リウスヤが礼をする。
俺は、其処を出た。
(此処は問題ないだろう。)そう思い、俺は西の門の傍の館に行く事にした。
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「ここか。」俺はそこに入る。
(スラムの一部だな。)元は貴族か大富豪が住んでいた屋敷だ。
しかし、何らかの原因で没落して、屋敷を残して離散したと聞いている。
俺は、屋敷のドアの前に行き、ノッカーを3回鳴らす。
「誰だ。」
「あぁ、俺はケイジだ、宜しくな。」俺は出てきた男にギルドカードを見せながら言う。
「何の用だ?」
「お前達のリーダーに会いたい。」
「少し待っていろ。」その男はドアを閉める。
暫くすると、ドアが開き、先程の男が現れる。
「お会いになるそうだ。」
「おぉ。」
「付いて来てくれ。」
(暴徒になっている割には、紳士的な対応だな。)俺は思う。
そして、そのドアをその男がノックする。
「どうぞ。」ドアの奥からは、知的な雰囲気の声が聞こえた。
「邪魔するぜい。」俺はドアを潜る。
「おぉ、御領主様ですか、お初にお目にかかります、私、この一団を管理しているイセニノ・クゾキと申します、以後お見知りおきを。」
「単刀直入に聞く。」
「はい。」
「お前は、紅蜥蜴団の一員か?」
「ははは、勘弁してください、あんな奴らは外道です。」
「ほぅ。」
「あんな野蛮で馬鹿な奴らは、さっさとタヒねば良いんです。」
「ふ~ん。」
「何でしょう?」
「お前達は、この町でどうやって生計を立てているんだ?」
「色々です。」
「ほぉ?」
「有る者は、冒険者として、ギルドの案件を片付けています。」
「有る者は、商業ギルドで斡旋してもらった荷運びを。」
「他にも、色々仕事を見つけ、各自がその収入を持ち寄って生計を立てています。」
「ふむ、悪事には手を染めていないと?」
「私は、爵位は無くても元貴族です、その程度の常識は有ります。」
「お前達に行く場所を与えたら、其処で頑張ってくれるか?」
「頑張る? どのように?」
「其処の町を発展させる?」
「興味があります。」
「うん、少し待ってくれ。」
「はい?」
「あぁ、お前達は何人いる?」
「全部で38人です。」
「紫炎、ザードの所へ。」
「はい。」
「ザード。」
「うぉ! け、ケイジ様ですか?」
(驚きが新鮮だ。)
「38人の元貴族や農民たちを受け入れてくれないか?」
「それは構いませんが。」
「やる気だけは有りそうだ。」
「ははは、引き受けましょう。」
「おぉ、では近日中に送るから宜しく頼む。」
「はい、仰せのままに。」
「話はついた、お前達はザードが治める領ギヤミのイダンセに行って仕事に就け。」
「解りました、都合のついた者から、順次出発します。」
「あぁ、宜しくな。」
「御意!」
「最後は、北の門の傍の42人か。」俺はそう呟くと北の門に向かった。