表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
146/203

やらかしの145

 ムーニャ視点。


「ちゅん、ちゅん。」


 鳥の声で目が覚めた。


「くにゃ~。」欠伸をして目を覚ます。


「良い朝にゃ。」そう言いながら、ベットを抜け出して洗面所に行って顔を洗う。


 歯磨きをして、ブラシで髪の毛と、尻尾の毛を整える。


 家を出ていくと、孤児院の子供達も置きだしていて、それぞれが朝の作業に散っていく。


「おはよーにゃ。」そう言いながら、箒と塵取りを持って、孤児院の周りと、主様の家の周りの道路を掃除する。


 それが終わったら、孤児たちと一緒に、畑仕事と、家畜のお世話をするにゃ。


 今日は、畑のお世話をするにゃ。


 トマツ―がだいぶいい具合に実っていたので、収穫する。

 ダンシャも、良い具合になっていたので、畑の半分を収穫した。


 ケイジ様の畑は、本当に凄い。


 普通の畑での収穫量の2倍近い物が収穫できる。


『必要な肥料をやって、連作障害を考慮すれば良いんだ。』と言っていたけど、ムーニャには解らなかった。


 収穫した物は、孤児院の冷暗所に保存した。


 主様が、魔法で温度を下げた部屋だと言っていたが、良く判らない。


 朝ごはんの用意をして、孤児と先生達といただく。


 この間、主様が作ったベーコンを焼いて、その油で目玉焼きを作った物に、お弁当用のポテトサラダを乗せ、お弁当で余ったパンをトーストした物と、大量に作ったコンソメスープ。


「いただきます!」


「美味しいにゃ。」


「ベカスカもそうだったけど、此処ヤミノツウの孤児院も、食事とお風呂は至極だにゃ。」



「ごちそうさまでした。」

 

 食事を終え、孤児たちと食器を洗う。


「さて、今日もお弁当を作るにゃ。」

「「「「お~。」」」」孤児たちが手を上げる。


 ヤミノツウの孤児院でも、ベカスカと同じ様にお弁当を作って売る事にしたにゃ。


 タマゴサンド、ポテトサンド、カツサンドのサンドセットと梅干、タラコ、シャケ、高菜、沢庵、肉味噌のおにぎりを作って、ランダムに3個づつモウチクで包んで、お弁当を作っていく。


 ヤミノツウの孤児の案で、おにぎりとサンドウィッチの混合弁当も作った。

 もともと、ヒドラさんがご意見番を務めていたヤミノツウ城、今は役所になっている建物の前で売っているにゃ。


 役所に来る人が、買ってくれるので売り上げも上々にゃ。


 一つ迄に、3セットを売り切った。


 お昼ご飯は、畑で採れたサツマをふかした、ふかし芋を食べた。

 甘くて美味しかった。


 午後は、明日のお弁当の用意をする。


 パン生地を発酵させ、発酵後はどんどん焼いて行く。


 孤児たちも、手際よく同じ作業を進めていく。


 2刻ほどで、40個の食パンが焼けた。


 ポテトサラダと、コロッケの用意もする。


 ダンシャを茹でて、潰していく。


 一つは、胡瓜を薄く輪切りにして、塩でもんで、水で洗って、水きりしたものと、薄く櫛切りにした玉葱、オークのハムを細かく刻んだ物を入れて、マヨネーズと塩胡椒で味を付ける。

 

 もう一つは、丸く成型して、バク粉をまぶし、卵を潜らせ、パン粉を付けてお皿に並べる。


 これは、明日油で揚げて、パンにはさむにゃ。


 ハムの下ごしらえもしなくちゃ。


 孤児たちに教えながら、ハムを仕込んでいく。


 三日漬けこんだハムを調理して、仕上げる。


 漬けこんでいた汁ごと鍋に入れて、沸騰したら火を止めて半刻待つ、これを3回繰り返して、最後に肉を取り出し、漬け汁を沸騰させて、容器に入れた肉に流し込んで、冷めたら冷蔵庫に入れる。


 そうそう、冷蔵庫が新しくなった。


 今までのは、上に氷を入れて冷やしていたのだけれど、新しい冷蔵庫は魔石を入れて冷やすものだ。


 何でも、ていおんじゅくせいをする為に、主様がドワーフの人に作ってもらったらしい。


 でも、『時間魔法を使えばどうとでもなった~。』と主様が叫んでいたのは何でだろう?


 華厳様も、新しい冷蔵庫が気に入ったようだ。


 コンロや、オーブン、其れに冷蔵庫、新しいものを作る主様は素敵だ。


 オーク肉もまだあるから、トンカツの下ごしらえもしておく。


 コロッケと同じ様に、バク粉をまぶして、卵を潜らせてパン粉の衣をつけて、お皿に並べる。


 これも、コロッケと同じで、明日油で揚げてサンドウィッチを作る。


 下ごしらえが済んだら、夕食の時間になっていた。


「今日は、何が食べたいにゃ?」孤児たちに聞く。


「カレーが言い!」

「うん、カレー。」

「辛くない奴!」


「俺は、辛くても良い。」孤児の一人が見栄をはる。

「じゃぁ、カイエンペッパーを渡すから、好きなだけ辛くするにゃ。」

「え?」


「どんだけ辛くしても良いにゃ。」

「む、ムーニャ姉ちゃん。」

「何にゃ?」


「辛くない奴で。」


「「「あはははは!」」」

「だらしないの。」

「うるせぇ!」


「「「あははは!」」」

「このぉ!」


「喧嘩をするなら、晩御飯は無しにゃ。」


「はい。」


 カレー粉は、作り置きして瓶に大量にあるから、肉と野菜を切って出汁を入れて煮たものに、カレー粉を入れるだけの簡単なお仕事。


「今日のライシーは、誰が炊いてくれるにゃ?」


「は~い、あたし。」孤児の一人が手を上げる。


「ん?」


「え?」


「初めて見る顔にゃ?」


「昨日、此処に連れてきてもらった。」


「ライシーを炊いたことは?」


「有りません。」


「はぁ。誰か、此処にあるタマネ、ダンシャ、ニンジを調理して。」

「はーい。」孤児の一人が手を上げる。


 うん、この娘は料理が出来る子だった。

「任せるにゃ!」


「は~い。」そう言いながら、その娘が野菜を調理し始める。

 任せても大丈夫そうにゃ。


「で、ライシーを炊く準備をするから、こっちに来るにゃ!」最初に手を挙げた娘に言う。

「はい。」


「あたしがやる事を見て、覚えるにゃ!」

「はい。」

「解らない事が有ったら、聞くにゃ!」

「はい。」


「最初に、ライシーをとぐにゃ。」

「とぐ?」


「ライシーを、キレイにするにゃ。」

「はい。」


「ライシーを、今日は9カップ。」

「9カップ?」


「此のコップが1カップにゃ、1カップで茶碗2杯分にゃ。」

「はい。」


「今日は、寮母様と合わせて15人いるから、おかわり分も合わせて炊くにゃ。」

「はい。」


「9カップ分のライシーを、土鍋に入れて水を入れたら、軽くすすいで水を捨てる。」

「はい。」


「これを3回。」

「はい。」


「次は、水を入れたら、ライシーを手のひらで潰すようにとぐにゃ。」その通りに実行する。

「結構強くやるのですね。」


「そうにゃ、で、水を捨てて、もう一回同じことをする。」

「はい。」


「で、水を捨てたら、水を捨てて半刻待つにゃ。」

「何故ですか?」


「ライシーに水を吸わせるにゃ。」

「はい。」



「で、炊き方は、最初弱火で・・。」




「炊きあがったら、底からしゃもじで裏返して、半刻置いて完成だにゃ。」

「はい、判りました。」


「頼もしいにゃ。」


「ムーニャ姉さま、カレーが良い具合です。」


「火を止めて、カレー粉を入れるにゃ。」

「はい。」


「今日は、トッピングにウインナーも付けるにゃ。」

「やた!」


「ウインナーを茹でて、一人3本にゃ。」

「わーい。」


 孤児と寮母さん達と、楽しく食事した。






 今日は、主様に初めて夜伽をする日にゃ。

 お風呂も入ったし、歯磨きもしたし。


 うぅ、緊張するにゃ。

 主様の部屋のドアを開ける。


「おぉ、ムーニャか?」

「はいにゃ。」


 主様の顔を見て、安心している自分に気が付いた。

「は、始めてにゃから。」


「あぁ、優しくする。」そう言いながら口づけされた。

 

 その後、素敵な世界が待っていた。


評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ