表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
134/203

やらかしの133

「はぁ、バハム。」

「なに?」


「何でその姿になった?」

「主人が、名前をくれたから。」

「なんで、女子高生の姿だ?」

「じょしこうせい?」

「あぁ。」

「さぁ。」

「おい。」


「霊峰ジフに挑戦する者達の、一番若い娘の姿を模した。」

「制服で登頂する者がいたのか?」

「5合目までは、乗り物に乗って来るからね。」


「成程。」

「納得した?」


「バハム。」

「なに?」

「お前は、女なのか?」


「生物学的にはそうだよ。」

「はぁ。」

「?」


「その姿のまま、ついてくるのか?」

「駄目?」

「いや、問題ない、多分。」


************


「頭痛~い。」バドラがのたうち回る。

「そうだろうな。」

「ケイジ様、治して。」

「やだ。」

「酷~い。」

「自業自得だ。」

「ぶう。」


「で、バハムがくれた尻尾の肉の処理を頼めるか?」

「はいにゃ。」

「解ったぁ。」

「お任せを。」

「あい!」

「頑張る。」

「ズビシ!」


ムーニャとリョウ、その他にイロハ、ニホ、テト、チリが答える。


「その他3人娘の返事がないと寂しいな。」俺は思う。


エルは、ワシカに店を出し、水龍2号店として、繁盛しているようだ。

 エヌは、エゴワカに店を開き、同じように水龍3号店として繁盛していると聞いた。

 エムは、ガランの所で水龍4号店を開き、ガランが常連になっているらしい。


 だが、3人とも、夜になると俺の屋敷に戻り、夜の生活を満喫しているのは秘密だ。


 さて、20本のドラゴンの尻尾の皮と鱗とお肉、皮と鱗はいつもの様にベカスカ道具屋に売ろう。


************


「ドラゴンの尻尾だけ、20本とは珍しいですね。」

「ドラゴンが自分でくれたんだ。」

「なんと、流石はケイジ様ですな。」


「今回は、尻尾の鱗だけですか?」

「あぁ。」

「肉の方は?」

「あぁ、バランが食いたいそうだ。」

「なんと、国王様にご献上を? 領地が貰えますぞ。」

「いや、貰わない、既にヤミノツウを貰ってるしな。」

「おぉ、そう言えば、ケイジ様はヤミノツウの御領主でしたな。」

「部下に丸投げしてるけどな。」


「ははは、使える鱗は180枚でした、180Gです。」

「あぁ、決済宜しくな。」俺はカードを渡す。

「はい、喜んで」


「はい、ご確認ください。」

「あぁ、信じてるよ。」

「もったいないお言葉です。」


「それじゃ「お待ちください、ケイジ様。」

「ん?」


「ミノタウルスは、ございませんか?」

「あるよ。」


「おぉ、お売りいただけませんか?」

「内臓付きの下半身でよければ。」

「解体は、わたくし共で行います。」


「んじゃ、2体卸すよ、どこに出せば良い?」

「では、カウンターに。」

「乗り切らないぞ。」


「では、奥の倉庫に。」

「あぁ。」


 俺は、それをそこに置いた。

「おぉ、これほどとは。」

「確認してくれ。」

「いえ、見ただけで解ります、皮に傷一つない上物であることが。」

「そうか。」

「今回は、肉も内臓も卸していただけるのですよね?」

「あぁ。」

「300Gでお引き取りさせていただきます。」

「良いよ。」俺はカードを渡す。

「それで、ケイジ様、舌も頂けませんか?」

「1本いくら?」

「20Gで。」

「え?」

「え、安過ぎましたか、では30Gで。」

「え? あぁ、それで良いぞ。」

「幾ついただけますか?」

「幾つほしい?」

「出来れば、3本ほど。」

「良いぞ。」俺は、処理前の舌を取り出す。

「おぉ。」

「処理の方法は、ギルドに「既に買っております。」

「あっそう。」


「んじゃ、此処に置くぞ。」

「おぉ、これが、伝説のミノタウルスの舌。」


「伝説じゃねーよ。」

「決済いたしました。」

「あぁ。」


「この度の納品、感謝の極みです。」

「え? そこまで?」


「今後ともよろしくお願い申し上げます。」おやじが、恭しく頭を下げる。

 納める素材に対しての態度なんだろうな。


************


「バドラ。」

「なに?」

「華厳の所で食うか? バランの所で食うか?」

「え~、ケイジ様が料理してくれないの?」

「あぁ、あんな事は二度と御免だ。」

「え~、素敵だったのに。」


「そんなもん食わなくても、満足させてやるよ!」

「ぐふふ、大声で何を言ってるんですか?」

「ほほほ、こんなに明るいうちから。」


「違うから、ドラゴンの肉をどこで食うかだ。」

「ぐふふ、バラン様の所は置いておいて、此処で焼肉パーティで宜しいのでは?」

「あぁ、そうなるよな。」

「味付けや、調理はお前たちがやれよ。」

「ぐふふ、喜んで。」

「ほほほ、任せてください。」

「ケイジ様、この華厳もお力添えいたします。」


「あぁ、宜しくな。」そう言いながら、バランの所に潜る。


「おぉ、ケイジ、どうしたんだ?」

「あぁ、お前に貢ぎ物だ。」そう言いながらドラゴンの尻尾の肉を5本分取り出す。

「なあ?」

「おぉ、これは。」バランとボルカが固まる。


「知り合いのドラゴンに貰ったから、お裾分けだ。」


「なぁ、ケイジ。」

「なんだよ。」

「お前、その意味を解っているのか?」

「あ?」


「国王に、ドラゴンの肉を献上する意味だ。」

「しらね~よ。」

「ケイジ様、領地を複数与える事です。」ボルガが言う。


「パス。」


「え?」


「俺は、俺の嫁さんの父親に、お歳暮を贈っただけだ。」

「はぁ?」


「なんだよ、嫁さんの親にお歳暮を贈ったら、領地が貰えるとか、無いわ~。」


「いや、おせいぼってなんだよ?」バランが叫ぶ。

「年末に、お世話になった人に贈る、贈り物?」


「知らんわ!」


「とにかく、特別な物じゃない。」

「そうか。って、ドラゴンの肉をホイホイ持ってくるな。」

「おや、そう言う事か、んじゃ、これ以降は持ってこない。」


「いや、ケイジ、持って来ても良いぞ。」

「バランやボルカに迷惑がかかるなら、こっちで処分するよ、悪かったな。」

「ちよ、ケイジ。」

「なんだよ?」

「いや、数本なら持って来ても良いかな?」

「何言ってるんだ、お前達の迷惑になるなら、俺が処分するよ。」


「ケイジ、酷くないか?」

「ケイジ様あんまりです。」


「何言ってるんだ?」

「マジでその対応ですか?」

「お前達が、迷惑って言ってるんだ、俺が処分するよ。」


「ケイジ様、マジで引き受けますから。」ボルカが俺の肩を持ちながら言う。

「お、おぉ。」

「大丈夫だ、問題ない。」バランも顔を引きつらせながら言う。


************


「あいつらにも、お裾分けするか。」俺は思う。

「紫炎、スナに。」

「はい。」

 俺はそこを潜った。


「おぉ、ケイジ様、お久しぶりです。」地龍と名乗った者が挨拶をしてくる。

「あぁ、久しいな、地龍。」

「もったいないお言葉です。」

「ふむ、地龍と呼ぶのも面倒くさいな。」

「は?」

「お前は今後、マグマと名乗れ。」

「おぉ、おぉぉ、私に名前をお与え下されるのですか?」マグマの身体が光る。

「あれ? これやらかした?」

「いえいえ、最早テンプレです。」

「要らねーよ、そんなテンプレ!」


「ケイジ様、此のマグマ、一生ケイジ様にお仕えいたします。」地龍の上位種、地殻龍となった者がそこに跪く。


「あぁ、お前達に贈り物を持ってきた。」

「贈り物、ですか?」


「あぁ、これだ。」俺は、ドラゴンの尻尾のお肉を5本取り出す。

「なぁ、ドラゴンの肉ですか?」

「あぁ。」


「な、流石はケイジ様です。」

「皆で、食ってくれ。」

「はい、ありがたく。」

「で、ヨイチは?」

「はい、あちらで陣頭指揮をとられております。」

「連れていくから、後は頼むぞ。」

「仰せのままに。」マグマがひれ伏す。


「ヨイチ。」俺の言葉に、ヨイチが振り返り、満面の笑みを浮かべて駆け寄ってくる。

「ケイジ様、どうされました?」

「あぁ、焼肉パーティのお誘いだ。」

「まぁ、喜んで。」

「んじゃ、行くぞ。」

「え? 引継ぎが。」

「あぁ、マグマ、頼んだ。」

「御意!」


「と言う事で、大丈夫だ。」

「はい、ケイジ様。」ヨイチが俺に抱き着く。

 俺は、そのまま虚無の窓を潜った。


************


「ほほほ、ケイジ様、つつがなく進んでいます。」

「ぐふふ、ドラゴンのお肉は最高です。」

「ケイジ様、華厳は至福の時を味わっております。」


「ヨイチも楽しんで来い。」

「え? ケイジ様は?」

「俺には、ドラゴンの肉は無理だと分かったからな。」

「え?」

「大丈夫だよ、楽しんでおいで。」

「はい。」ヨイチがその輪に加わる。


 俺は、普通のお肉のエリアに行く。


「ケイジ様の為に、グレートマスターバハローのフルコースをするにゃ!」ムーニャが言う。

「おい、待て、誰が許可した?」

「それ以上のお肉の焼肉を見ながら、普通のお肉を食べるにゃ?」

「あぁ、それは嫌だな。」

「にゃ。」

「マスターミノタウルスのお肉を解禁しよう。」

「にゃ?」


「よし、マスターミノタウルスの、すき焼き、焼肉、ステーキ、もつ煮、解禁する、ただし、自己責任な。」

「にゃ!」

「はい!」


「しらね~ぞ。」


************


「これは、駄目だ。」

「ケイジ兄さま、もう駄目です。」

「俺もだ。」


 マスターミノタウルスの破壊力、パネェ。


「心に誓うにゃ。」

「あぁ、そうしよう。」


評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ