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やらかしの123

残酷な表現があります。

苦手な方は飛ばしてください。

「わははは、荷物を置いて行けば命までは取らないぞ!」馬車を取り囲んだ奴らの中のボスらしき男が言う。


「直系の奴は白だったか。」俺はそう言いながら馬車から降りる。

「おぉ、素直な奴は長生きするぜぇ。」


「スタン!」俺が呟くと、周りの男たちが全員倒れる。

「ヒール。」ボスらしき男と会話するため呪文をかける。


「さて、お前達を雇った奴を教えてくれないか?」

「俺達は『風穴の旅団』だ、お前達の馬車に護衛が付いていなかったから襲っただけだ。」


「ほぉ、誰かに雇われたわけではないと。」

「そうだ。」

「ちっ、直系の奴は白確定ではないか。」

「?」

「では、お前達の根城は何処にある?」

「言うと思うか?」

「話すなら、犯罪奴隷は勘弁してやらん事もないぞ。」

「なに?」

「あぁ、だが殺しをしていたら駄目だがな。」

「むぅ。」

「後、構成員は何人いる?」

「俺達は、『ぺらぺらと話しおって。』突然どこかから声がする。

「お、お頭!」

『まったく、へまをしただけじゃなく、仲間の情報まで売る奴だったとは。』

「ちが、俺はこいつの隙を見て『あぁ、もう良い、お前達は用済だ。』

「ま、待ってくれ、お頭!」

(ケイジ様、奴の首に爆発物と魔道受信機が付いています。)

 俺は、そこにいる奴らを馬車から遠くに蹴り飛ばす。


「「「「「どばん!」」」」盗賊たちの首が爆発した。

「非情な奴だな。」

「ケイジさん、いったいどうしたんだ?」ギルマスが馬車から降りてきて言う。

「こいつらは、風穴の旅団と言う盗賊団だったが、お頭らしき奴に魔道具で頭を吹っ飛ばされた。」

「おおぅ、可哀そうにな。」

(魔道の流れで、どこから魔道具が操作されたかは分かります。)

(何処だ?)

(此処から5kmほど離れた林の中の家です。)


「根城は解るから、行ってくる。」

「はぁ? 一人だけでか?」

「十分だろう?」

「そうか。」

「ギルマスは、御者と一緒に王城に戻っていてくれ。」

「あぁ、解った。」


 俺は、風穴の旅団の根城に跳ぶ。


「誰だ、おま「言わせないよ。」門の前にいた男が、俺達を見て叫ぼうとしたので一瞬で刈り取り虚無の部屋に入れる。

(何人いる?)

(15人ほどです。)

(盗賊だけ?)

(肯定します。)

(此処から、全員虚無の部屋に入れられる?)

(可能です。)

(よし、やって。)

(終わりました。)


「よし、根城を散策するか。」

「2階の、二部屋に盗品があります。」

「うん、行って確認するか。」そう言いながら家の中に入り、階段を上がる。


「おぅ、これは凄いな。」その部屋には、盗品と思われる美術品、装飾用の武器、宝石、貴金属類、そして、何故か大量のBが至る所に置いてある。

「これは、馬車の強奪だけじゃないな。」そう言いながら、そこにある物を全て虚無の部屋に入れる。

 

 もう一つの部屋には、多数の魔道具が置かれている。

「う~ん、これは横流し品かな?」そう言いながら、そこにあった物も虚無の部屋に入れた。

「他の部屋に、個人の物と思われる武器や防具、宝石等がありますがどうしますか?」

「貰っていこう。」

「はい。」


「さて、王城はどっちで、どの位だ?」

「右後ろに、19kmです。」

「え~っと、こっち?」

「もう少し左に、そう、そこです。」

「19kmだと、全力の6割ぐらいかな?」

「はい。」


「んじゃ、せい!」


 目分量で跳んだが、王城の正門前にたどり着いた。


 調度馬車も着いたところだった。

「おお、ケイジさん、終わったのか?」俺を見つけたギルマスが俺に聞いてくる。


「あぁ。」

「おぉ、流石はAランクだ。」

 俺は、そこにいた門番に、ボルガへの伝言を頼んだ。


*************

 

「ボルガ、『風穴の旅団』と言う盗賊たちを捕まえて来た。」

「おぉ、流石ですケイジ様。」

「無力化はしていないが、そこに出した瞬間に無力化をするから。」

「はい、判りました。」


「この場所で良いか?」

「いえ、こちらへ。」ボルガが、地下へ案内する。


「此処でしたら、多少暴れても問題ありません。」そう言うボルガの周りには王城の騎士たちが並んでいる。

「ふむ、それでは出すぞ、一応、下がって置け。

「はい。」ボルガが一歩下がる。

(紫炎。)

(はい。)そこに15人が現れる。

「スタン!」盗賊が現れて、そして、その場でバタバタと倒れる。


「なぁ、そこにいるのは『速足のピュンマ。』ではないか。」

「おぉ、その奥には、『強欲のドンファン』が。」

「ぬははは、貴様は『爆裂の赤き流星』か。」厨二っぽい名前が聞こえるがシカトしよう。


「おぉ、お前はテンダロイン男爵ではないか。」ボルガがある男を捕まえて言う。

(首謀者です。)紫炎の声に反応して、俺が言う。

「そいつが、この盗賊団の元締めだ。」


「なんと、こいつはお家断絶、一族郎党断罪の罪に問われます。」ボルガがその男を持ちながら言う。

「話すか?」俺はボルガに聞く。

「いえ、必要ありません、こちらからの一方的な通告だけです。」

「そうか。」

「テンダロイン、お前には全ての権利は有りません。」

「此の件に関する、言い訳、その他一切が受け付けられません。」

「情状酌量は期待しないように。」


*************


その日の内に、盗賊団の刑が確定して、その刑が執行された。

一番優しい刑が犯罪奴隷落ちだった。」曰く、犯罪奴隷として、鉱山に送られて過酷な作業を強いられ、また落盤なども頻発するため、長くて1年の命らしい。


 市民たちの投石刑は絶命するまで10時間以上かかった。

 これは、市民たちの娯楽も含まれているらしい。

 20Bで、拳大の石を買い、罪人に投げつけて罪人が死んだら1G分のBが貰えるらしい。

 マジで怖いわ。


 それ以外では、切れない鋸で首を切る刑は6時間。

 刃をひいた鋸の一引き20B、その引きで死んだら1G分のBを進呈。

 一人で何回も引く奴もいた。


 地面に寝た死刑囚を重さ500kgのローラーで潰す刑は女子供が優先されたので、足先を潰されてから、死ぬまで半日かかった。

 何時間で死ぬかが賭けの対象だった。


「今死んだよな。」 

「いや、まだかろうじて息がある。」

「あ~、死ねよ。」そう言いながらその男は掛札を放り投げる。

「まだ死んでないぞ。」鑑定人が言う。

 掛札を持っている者達が固唾をのむ。


「今死んだ、死亡時刻は3刻と21薄だ、配当は3刻20~30薄を持ったものに4Gだ。」

「くそ~、しぶとかった!」

「さっさと死ねば良かったのに


 それを見て市民たちが盛り上がりながら、酒盛りをしていた。

 俺がおかしいのかと本気で思った。


 テンダロイン男爵一家は本人が斬首、婦人以下妾が犯罪奴隷落ち、子供たちは奴隷落ちだった。

 使用人たちは、お咎めなしになった。

 唯一の救いだ。


 この世界、怖い。


*************


「さて、盗賊の根城にあった盗品はボルガに任せるぞ。」そう言いながら、盗品の品々をその部屋に取り出した、勿論個人の物は俺が頂く。


「なんと、これは?」

「こいつらが、盗んだ品々だ。」

「ケイジ様、被害届が出ている物は持ち主に返しますが、それ以外の物はケイジ様にお返しします。」

「なんで?」

「ルールです。」


「マジかぁ。」俺は本当に嫌そうな顔をする。


「あぁ、ボルガ。」

「はい、ケイジ様。」

「今日と同じ奴に、明日、警備付きで馬車を出すと流せ。」

「はい、仰せのままに。」、


*************


 翌日、ギルマス同行の元に、またダミーの馬車が王城から出発する。


 しかし、予想に反して襲撃は無かった。


「う~ん、判断がつかないな。」


 俺達は王城に戻る。


「ボルガ、今日と同じ奴に、明日は護衛無しと言う事で、ダミーの馬車を。」

「仰せのままに。」


*************


「わはは、襲ってきやがった。」


「がははは、お前らに言う。」

「おぉ。」

「積み荷を置いて、逃げるなら命は保証するぞ。」


「一応聞いて良いかな?」

「何だ?」

「誰かの指示?」


「がははは、我が主、ダヨト領主、ライダツマ男爵様のご指示だ。」


「え~っと、直系アウトだ。」俺は頭を抱える。

「しかもこいつら馬鹿?」


「紫炎、今喋った奴以外全員捕縛!」

「はい。」


「がはは、な、お前ら、どこに行った?」その男が狼狽えながら周りを見る。

「アジトに逃げ帰ったぞ!」


「なんだと。」

「因みに、アジトは何処だ?」

「ライダツマ様の別邸だ。」

「紫炎、こいつも捕縛。」

「はい。」

「で、ライダツマの別邸は何処にある?」

「ヤゴナの貴族街です。」


「ケイジ様、どうしました?」馬車の中からギルマスが聞いてくる。

「あぁ、御者さん、ヤゴナの貴族街のライダツマ領主の別邸に行ってくれ。」

「ヘイ。」


「紫炎。ボルガの所に繋いでくれ。」

「はい。」


「ボルガ。」

「うわぁ、け、ケイジ様ですか?」

「今日の情報を伝えた奴が黒だ。」

「なんと、早速捕縛します。」

「それと、ダヨトのライダツマが黒幕らしい。」

「おぉ。」

「今、ヤゴナのライダツマの別邸に向かっている。」

「はい、では私も。」

「いや、着いたらまた窓を開くよ。」

「解りました。」

「じゃぁな。」

「はい。」閉まる窓の向こうでボルガがお辞儀をする。


*************


「ここでやす。」ライダツマの別邸の前で御者が言う。


「おぉ。」俺はそう言いながら馬車を下りて、門番の所に行く。

「此処はライダツマ様の別邸だ、どのような用事か?」門番が言う。


「あぁ、色々面倒くさいんだ。」俺はギルドカードを見せながら言う。

「なぁ、Aランクのお方ですか?」

「あぁ。」

「それで、今回はどのような?」門番が聞く。


「ライダツマ卿の捕縛だ。」

「なんと?」

「国王への反逆の証拠は掴んでいる、」


「抵抗は無意味ですか?」門番が言う。

「試してみるか?」俺がそう言うと同時に門番が攻撃を仕掛けてくる。


「温い!」俺はその全てを躱して、男を無の部屋に仕舞う。

門番がその場で消える。


「紫炎。」

「はい。」紫炎の開いた虚無の窓から、ボルガが現れる。

「お待たせしました。」

「さて、お仕置きの時間だ。俺はそう言いながらライダツマの屋敷に踏み込んだ。


「曲者!」俺に物理で飛び掛かる奴はそのまま虚無の部屋に収納する。


 俺に敵対した全ての者達を虚無の部屋に仕舞って俺が言う。


「ライダマツの身柄をそのまま引き渡せ。」。

「承りました。」執事らしき男が俺に礼をして言う。

「あれ?」

「如何なさいました?」

「そんなにあっさりで良いの?」

「ボルガ様がいらっしゃいましたので。」

「こちらでございます。」そう言いながら、執事はその部屋の前まで俺達を案内し、ドアを3回ノックする。

「入れ。」

 執事はドアを開けて中に入る。


「どうしたのだ、下が騒がしいようだが。」

「お客様でございます、旦那様。」

「客? 今日は客など、げぇ。」


「お久しぶりですね、ライダツマ卿。」ボルガが部屋の中に入って言う。

「こ、これはこれは、ボルガ様、お迎えも致しませんで。」ライダツマが庶務机から立ち上がって言う。

「この度は、どのようなご用件で?」

「ケイジ様。」

「あぁ。」俺は、捕縛した盗賊のボスを虚無の部屋から出して、首根っこを掴んでその部屋に入る。


「その男は何ですかな?」ライダツマがすまして言う。

「ライダツマ様、酷いじゃないですか、俺です。」盗賊が言う。

「わ、私は貴様など知らん。」

「ライダツマ様、私は貴方の家臣、ボルタック家次男のウィーザードリーです。」

「知らん。」

「ライダツマ様!」

「私は、お前など知らん。」


「おや、これは異なことを。」ボルガがニコニコしながら言う。

「そこにいるウィーザードリーを私に紹介したのは、外ならぬライダツマ卿ではないですか。」ボルガが言う。

「いえ、お人違いでは?」

「ほぉ、卿は私の記憶力が人より劣ると?」

「いえ、そのような事は。」

「では、ここにいる男は、卿のお知り合いという事ですね?」


「・・・、そのようですな。」

「では、罪を認めると言う事でよろしいか?」ボルガが言う。

「何の罪ですかな?」ライダツマ卿が白々しく言う。


「ボルガ、時間の無駄だ、おい、さっき言ったことをここで言え。」俺はウィザードリーに圧を込めて言う。

「はいい、我が主、ダヨト領主、ライダツマ様のご指示で、馬車を襲いました。」

「だとさ。」


「ふ。」

「?」

「ふふふ、これほど早く露見するとはな。」

「ライダツマ?」ボルガが声に出す。


「いかにも、私は現国王のバランの政策が不満だ!」

「消費税100分の10だと!」

「あれ、パーセントが認知されてる?」

「商家に死ねと言うのか?」

「いや、そんなに暴利じゃないと思うぞ。」

「利益の半分を取ったら、我々の旨味がない!」

「え~っと、利益の半分から4割残るんなら良いんじゃないか?」

「私の所に来る頃には100分の10だ。」

(1割ってことか?)

「いや、それは、間に人を入れ過ぎだ、馬鹿なのか?」

「配下を食わせるために仕方のない事だ。」

(あ~、こいつは真正の馬鹿だ、配下に良いように操られている。)

「言いたいことはそれだけか?」ボルガが言う。


「な、ボルガ様?」

「ケイジ様、こいつを捕縛してください。」

「承知。」俺はライダツマを虚無の部屋に入れる。


「さて、私達に敵対する者は今名乗り出てください。」ボルガがそこにいた使用人たちに言う。

「いえ、滅相もございません。」執事の男が頭を下げる。


「この家は、取り潰しが決まりました、再雇用先があるのなら、今のうちに連絡をしなさい。」

「はい、仰せのままに。」

 そこにいた使用人たちが首を垂れる。


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