やらかしの109
しまった、更新時間がずれてしまった~ ><
「ふふふ。」バドラは俺に近寄ってきた。
「てい!」バドラがそう言いながら、俺に手刀を落とす。
俺は、その手を左手の人差し指で受ける。
「え~、結構全力で打ったのに、受けるんだ。」
「おい、どう言うつもりだ?」
「え? さっき戦ってって言ったじゃない。」そう言いながら、バドラは右手を握り、腹を狙ってきた。
「はぁ。」俺はため息をつきながら、その手をさっきと同じ左手で受ける。
「わぁ、これも受けるんだ?」
「なぁ、悪ふざけが過ぎるぞ。」
「ううん、あたしが、戦うって決めたから、あんたは受けなさい!」そう言いながらバドラが踵落としを放ってくる。
俺は、それを左手で受ける。
「ドゴン!」
俺の足元が、沈んだ。
「へぇ、本当に凄いんだ。」バドラはにっこりと笑い飛びのいた。
「バラン、辞めさせろ。」
「すまんケイジ、そうなった娘を俺は止められん。」
「はぁ。」俺はため息をついた。
「さて、行っくよ~。」バドラが構える。
「あたしの最大級魔法、受けてみて!」バドラが呪文を唱え始める。
「はぁ。」俺はため息をつきながら、グラビを唱える。
「きゃぁ。」と言う悲鳴を残して、バドラが床に縫い付けられる。
「これがドラゴンを縫い付けたわざ?」
「いや、申し訳ないが、重力系の初心者用の術だ。」
「え?これが?」
「あぁ。」
「信じられない。」重力を受けながらバドラが言う。
「はぁ、じゃぁ、一個上のマ・グラビを唱えてやるよ。」
「え?」
「潰れるなよ。」
「ちょ、待って。」
「マ・グラビ!」
「ひぐぅぅぅ。」バドラの下の床にひびが入る。
「どうだ?」
「こ、こんなもの。」
「おぉ、じゃあ、ドラゴンに受けさせた『ラ・グラビ』も体験しておくか?」
(いや、無理、無理、無理。)そう思うが、あたしは反対の言葉を口にした。
「はっ、この程度、まさに温い!」
「はぁ、ここで自分の力量を解ってくれたら、苦しみを味合わなかったのになぁ。」
「んじゃ、ドラゴンが味わった術を受けろ、ラ・グラビ!」
「うぎゃぁぁぁあぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁ。」バドラの周りの床が沈む。
(なにこれ?)
(無理、無理、無理。)
(潰れる。)
(中身出る。)
(これで動く? 無理だって。)
ケイジが、剣を抜いてあたしに近づいてくる。
(ちょー、降参、降参。)そう思うが話す事が出来ない。
「解ってくれたか。」ケイジの声がする。
あたしは、頷けもせず、声も出せず、ケイジを見た。
「あ~、解ったら瞬きしろ。」その言葉が天の声に聞こえた。
あたしは何度も瞬きした。
「解ってくれて助かるよ。」その言葉と同時にあたしの身体は自由になった。
「ちょ。」
「?」
「マジこれ、凄いんですけど。」
「あ? なんで俺に抱き着く?」
「あたしをここまで追い詰めた初めての男!」
「おい、何でもかんでも『初めて』を付ければどうにでもなると思うなよ。」
「あたし、あんたの妻になる!」
「さっきも言ったが、俺には14人の妻がいて、国王前婚も終わっている。」
「だから?」
「え?」
「お父さんに認めさせれば良いんでしょ?」
「え? バラン、そうなのか?」
「認める!」
「おい!」
「そんなに軽く!」
「ふふふ、ケイジが俺の義理の息子か。」
「あ~、拒否する。」
「え?」
「何故ですか?」
「義理の父親に頭が上がらないのは拒否する。」
「判りました、お父様、死んでください!」バドラは詠唱を始める。
「おい、何でそうなる?」俺はバドラの肩を掴んで言う。
「あたしがケイジ様に添い遂げるため!」
「いや、待て待て待て、ケイジは既に俺を従えた状態だ。」バランも慌てながら言う。
「でも、この状態では、お父様はケイジ様の上になる。」バドラがさらに詠唱を続ける。
「だから、俺はお前を勘当する。」バランが首を振りながら言う。
「え?」詠唱をやめ、バドラはバランを見る。
「お前は俺の娘ではない。」フッと笑いながら、バランが言う。
「お父様。」
「幸せになれよ。」バランが良い笑顔で言う。
「ありがとうございます、お父様!」バドラが頭を下げる。
「くそ~、バラン、貸し一個な。」俺は苦虫をかみつぶした顔で言う。
「おぉ、ケイジ、娘をよろしく頼む。」そう言いながら、バランが低頭する。
「ちっ、引き受けた。」
「お料理が出来ました。」バランの料理人が、ドラゴンの料理を運んできた。
ドラゴンのステーキ、ドラゴンのしゃぶしゃぶ、ドラゴンの刺身、ドラゴンの漬け、ドラゴンのカツ、なんと、ローストドラゴンも持ってきやがった。
「わはは、ケイジ、我が娘のバドラとの婚姻にふさわしい料理だ。」
「ちっ、癪に障るから、マスターボアのチャーシューを提供する。」俺はそう言いながらその料理をそこに出す。
「マスターボアのチャーシュー?」バドラが反応する。
「ケイジ様、それを頂いても?」
「あぁ、好きに食え。」
「ありがとうございます。」そう言いながらバドラはチャーシューを口に入れる。
「あぁ、素晴らしい、これだけでもケイジ様の妻になる価値がある。」
「ケイジ、一応助言だ。」バランが言う。
「ん? 何だ?」
「我ら魔族には、ドラゴンの肉は単なる肉だ。」
「ほぉ。」
「人間には、精力剤と同じ効き目がある。」
「へぇ。」
「いや、ケイジ、効果を解っているか?」
「オロ〇ミンCと同じって事だろう?」
「いや、それが何かは判らないが、お前の妻たちは、精根尽き果てるだろうな。」
「そうか、心得たよ。」
「ケイジ、本当に理解していると良いが。」
「どれ、これがドラゴンの肉か。」俺はそれを食べた。
「ドグン!」鼓動が激しくなった。
途端に湧き上がる性の欲求。
「ば、バラン、バドラは貰っていくぞ。」
「あぁ、好きにしろ。」
「紫炎。」
「はい。」ヤミノツウの寝室に繋がる。
俺はバドラを連れて、そこを潜る。
「バドラ、突然ですまないが、俺の愛を受けてくれ。」
「はい。」バドラが顔を染める。
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「ケイジ様、もうダメです。」バドラがベットの上で撃沈する。
「今日の伽は誰だ?」俺は寝室を出て、そこにいたミーニャに聞く。
「にゃ、あたしとカリナにゃ。」
「その次は?」
「ヒドラとモーマにゃ。」
「ミーニャ、全員呼んでくれ。」
「にゃ?」
「俺が、収まらない。」
「解ったにゃ。」
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「主、もうきついにゃ。」
「旦那様、私ももう駄目です。」
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「はぁ、ご主人様、素敵でした。」
「はわわぁ、ケイジ様ぁ、素敵なご褒美ですぅ。」
「サラン、頼む。」
「マスター、任せてくれ。」
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「マスター、もう駄目です。」
「なんだこれ?」
「ドラゴンを食べた影響です。」
「だ、ダンサとヨイチも呼んでくれ。」
「はい。」
「ぐふふ、どうしましたご主人様。」
「悪い、ダンサ、俺の欲望を受けてくれ。」
「ぐふふ、望むところ。」
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「ぐふふ、堪能いたしました。」
「あたし頑張ります。」
「おぉ、ヨイチ、頼む。」
「はい。」
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「す、すみません、これ以上は壊れます。」
「シータ、イーノもお願いできるか?」
「お任せください。」
「ケイジ様の為なら。」
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「堪能しました。」
「素敵でした。」
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「リアンも頼む。」
「マスター殿、心得た。」
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「マスター殿、お腹いっぱいだ。」
「そうか。」
やばい、全然収まらない。
ムーニャとアヤとロリ、年齢を考慮して、あえて無視していた存在。
「いや、駄目だ。」
「ケイジ様、私をお忘れですか?」
「あぁ、アイリーンが残っていたか、頼めるか?」
「はい、エルフの秘伝を使いますね。」
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「おぉ、収まった。」
「ふぅ、ふぅ、間に合ってよかったです。」そう言いながらアイリーンがベットに倒れ込む。
(ドラゴンの肉はバランに全部くれてやろう。)俺はそう思った。