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他にも小説を書いているのですが、しばらくはこっちをメインでやっていきます。他の作品を読んでくれた方、
申し訳ありません……
俺の名前は小金井啓司。しがない私立探偵だ……
俺は二年前に当時勤めていた警察をおわれ探偵を始めた。なぜおわれたかというのは省略しよう。読者諸君も興味がないだろうし俺も口外はしたくないからな。
そんな俺の元に最近とても奇妙な依頼が舞い込んできた。
依頼人の容姿はプライバシー保護の為に教えることはできないが一言で言えば……とても怪しいやつだった。
なんでそんな怪しい依頼を受けたかって?
そりゃあ……俺にも生活があるんだからせっかく久々にきた依頼を受けない訳にはいかないだろ……
そして今、俺の左手にはゲームのカセット、右手にはそれをプレイするためのゲーム機本体が握られている。
そう、これこそが奇妙な依頼人が持ってきた奇妙な依頼の正体である。
そのゲームの名は『フェアリー・クエスト』。
依頼人が言うにはこの至って普通に見えるゲームには奇っ怪な噂があるらしい……
まぁその噂の調査が依頼の内容なのだが……
なんでもその噂というのは、このゲームをプレイしようとした人間はゲームの世界に閉じ込められてしまう、というものらしい。
正直、依頼を受けた時はバカバカしいと思ったがインターネットなどの情報によるとあながち嘘というわけではないらしい。
不安である、恐ろしく不安である……金の為に何も考えずに依頼を受けてしまったが……今更になって怖くなってきてしまった。
だってそうだろう?
どうせゲームの世界にはスマホもTVもそれどころか煙草もないのだ……ヘビースモーカーの俺にとってはまさに地獄のようなところである。
と、グダグダと語っていてもしょうがないので不安は残るがさっさと終わらしてあの依頼人に
「こんな噂は信じるものではありません。これはデマなのです」と丁寧に教えてあげよう。
ええと……まず、カセットを本体に差し込んで……よし、入った。
そして起動か……なんだ、やっぱりデマじゃないか……
冷静に考える……と……そんなこと………ある……わけ………
なんだぁ……こりゃ……眠く……なって……き……た
~~~~~~
「起きなさい……起きなさい!!」
ハッと俺が目を覚ましたのは真っ白な空間であった……
これは夢だろうか?そう思い俺は頬をつねる。痛い、普通に痛い……ということは、俺は本当にゲームの世界に……!?
「何をしてるの?あなた?もしかして夢だと思ってる?頬をつねるってことはそういうことよね。でも残念、痛いでしょ……これは現実よ」
あああああどうしようどうしよう俺はこのままゲームの中で一生を終えるのか?ふざけるな俺は帰るぞ
「ちょっとなに無視してんのよこのバカ!!耳聞こえないの?もしもーし!?」
気が動転して気づかなかったがいつの間にか俺の目の前に銀髪のぼろっちぃ布切れのような服を纏った少女がいる。まさかこいつが俺をゲームの世界に連れていこうとしているのか……?
そう思い俺は「まさか貴様が人間をゲームの世界に閉じこめている悪魔か!?」と鬼気迫る勢いで質問した。
例え悪魔だとしても少女にこんな勢いでいったら少し可哀想かもしれないが今はそれどころじゃない
「はぁ?あくまぁ?私のどこが悪魔に見えるのよ!?私は神様よ!カ・ミ・サ・マ!!」
「そうか、君は自分が神だと思い込んでいる哀れな悪魔なんだな……これは早々にエクソシストやらなにやらを連れてこなければならないな……」と俺は哀れな悪魔に最大級の慈悲をこめた顔でそう述べる。これには悪魔も大号泣だろう
「哀れですってぇ!?ぶち殺すわよ糞ヒューマン!!あんた八百万の神ってしらないの!?バカなの死ぬの!?」
待っていたのは大号泣ではなく大激怒であった。
まさか少女にこんなに罵倒されるなんて……やっぱり悪魔じゃないかぁ!と心の中で嘆いたが口には出さなかった。
どうやら彼女は本当に神様らしい……八百万の神、全ての物体に神が宿っているという日本ならではの考えから生まれた神々……まさかこんなところで出会えるとは思ってもいなかったので少々驚愕した
「本当にあなたは神様なのですね……今までの御無礼お詫び致します」
神様だとわかれば後はへりくだるだけだ。悪魔に下げる頭はないが、神様に下げる頭なら某アンパンヒーローと同じようにいくらでもある
「わかればいいのよ…で、私がなんのためにゲームの世界に人間を連れていくかっていうとね。それはこのゲームを買ってくれた人間に最高のエンターテイメントを提供するためよ!」
最初は人をゲームに閉じこめる少女の皮を被った悪き妖怪の類いだと思ったが、今はもう本当の神様にしかみえない……いやまぁ実際本当の神様だが……
「はぁ……それはご立派なことで……ですが神様、俺は少し噂の調査の為に起動しただけなのです。どうにか帰らせて頂けないでしょうか」
そう、俺はべつにこのカセットを買ったわけでもなければエンターテイメントを提供してほしいわけでもないのだ……ただ仕事で仕方なくやっただけで
「そーお?でもダメよ。この空間に来て私と会っちゃったんだからもう行ってもらうしかないわ。ま、そんなに悪いもんでもないし楽しんでみてよ。なんなら私も着いていってあげてもいーわよ!」
先程からのこの神様の口調、態度などから分析するにいわゆるツンデレ……というやつなのだろうがこの神様のツンは異常に鋭く俺のメンタルが持ちそうにないので同行は遠慮したい。というか俺のゲーム世界入りはもう強制のようだ
「いやぁ申し訳ないのですが同行は遠慮し」
「もう決めたわ!!私も着いてく!」
結局俺に選択権はないのだ……というか選択肢がyesしかないのだ。
バイバイ日常、fuck you非日常。
「じゃあ行くわよ~レッツラゴー!!」
俺と神様の足元に魔方陣的なものが出現し俺と神様は吸い込まれていく。
ああ……さようなら日本……さようなら……現世……
To be conntined……