お酒じゃなくて抹茶ラテ
「ふにゃぁぁ…もっと飲む…」
「もう、そんなに飲んだら寝ちゃうじゃん!」
今日の私たちが飲んでいるのは、いつもの抹茶ラテではなく、ちょっと大人の飲み物、お酒。
私はこんなものよりもずっと抹茶ラテの方が美味しいと思うのだが…
「お酒、いい匂いぃ…」
隣に幸せそうにお酒の匂いを嗅ぐ可愛い男の子が1名。
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気付いたら時計の針はもう遅くを指していて、僕の隣には幸せそうに寝ている女の子が1名。
「…え、待ってみゆき寝てるの!?」
「………」
無邪気な横顔は、何も話してはくれなくて。
「しょうがない、なぁ…」
想像よりも軽すぎる程の体を背負い、お店のおばさんに労われて店を出た。
もう辺りは暗くて、自動販売機の人工的な明かりがやけに眩しい。
「むぅ……………」
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「?」
気付いたら私は彼の背中にいた。
広くて、硬い、大きな背中。
普段は「可愛い」なんて言っちゃってんのに。だめだなぁ、なんでこんな時だけ「男子」なの?
「ふぁ〜ぁ…」
あぁ、そうか、家まで運んで行ってくれるんだね。
寝ちゃだめだって、言った私が、先に寝ちゃって。恥ずかしいな。でも。
「………………むぅ………」
まだ、寝ていようかな。