一章 天文学部へ
「こんにちわ。入部希望を出した、緒方千歳くんね!」
僕が出した入部届けに書いている名前を、読見始めた。
「あの・・・・」
おどおどしている僕を見て、
「あぁ、私は、天文学部部長、神城雅よ!よろしくね。」
「あの・・・部員さんは?」
「ああそろそろ来ると思うわ。でも、2年生は私だけなの。だから、全員1年生が部員。」
少し、眉をさげ、つぶやいた。
僕は、なぜか、ほっとした。
もし、2人だけだったら、気まずいかもしれないし。。。
「みんな来るまでここ座ってて。」
そう言って雅先輩は、自分のとなりのパイプいすをポンポンと、軽く叩いた。
僕は、言われるままに、いすに座った。
となりでは、書類ものを、雅先輩が片付けている。
チラリと見えた書類には、星の画像と、星に関することが、つめられていた。
正直僕は、なんだろうこれ・・・と意味不明だった。
でも、雅先輩は、その書類の文字を目で一生懸命追っている。
雅先輩はものすごい集中力に包まれていて、話しかけてはヤバイ状態なのは、確かだった。
そのまま僕は、下を向いていた。
そんな僕を気づかってか、雅先輩は話しかけてきた。
「ねぇ、どうして天文学部に入ったの?」
「え・・・と。。。」
ニコニコしている雅先輩に、流星群の話をした。
その話を、興味心身に聞いている。
そして話し終わると、
「よかったわ。貴方みたいに、素敵な星の思い出を持っている人が入ってくれて。」
「え?」
「だって、こんなに星を愛する私の部にそんな人いらないもの。」
星を愛する・・・?
僕は、唖然としてしまった。
でも、無理もない。
訳も分からない星の話を、目を輝かせて話している。
「それでね」、「それでね」と滝のように、流れ出てくる話を僕にしてくれた。
「千歳くんの話にもあったわよね?流星群。」
そう言って、うきうきして話始めた。
「、2001年11月に大出現をもたらしたしし座流星群。"しし座流星群"という名前はなぜ付いたのか、分かる?この他にも,8月にはペルセウス座流星群,1月にはしぶんぎ座流星群とか,星座名と"流星群"という言葉を組み合わせた言葉が多く使われているの。
流星観測を年間継続すると,ある特定の時期に多くの流星が見られる時期があるわ。その期間は,場合にもよるけど、だいたい1週間程度で、その1週間でも出現数の増減があって、ピークを迎えて減少するという出現を見ることができるのよ。この流星の活動を"流星群"というの。その時の流星経路を星図に記入していくと、不思議なことに、流れた方向とは逆方向に延長すると,右図のようにある一点に集中するわ。言い換えるとその期間はその一点を中心に四方八方に流れる流星の数が多い期間といえる。この時、この"ある一点"を放射点または輻射点と呼ぶ。この点がある星座の名前を用いて"流星群"と組み合わせ,○○座流星群と呼ぶ。右の図は、しし座流星群を示したもので、11月の中旬から下旬にかけて多く出現し,その流星のほとんどがしし座にある一点を中心に四方八方に流れるわなぜ四方八方なのかはこの後説明するわね。ちなみにこの流星を出現方向とは逆に延長したとき、空のある一点に定まらない場合、それらは「散在流星」と呼ばれ、流星群に属する流星とは区別して扱うのよ♪」
僕は、流星群がこんなに深いとは思わなかった。きっと雅先輩なら、小学生の理科の自由研究で星を出品すれば、大賞を狙えるかもしれない。
この先輩の話って新鮮だなと僕は関心してしまった。
「遅れてスミマセン。天文学部に入部した、川田沙穂です。。。」
ドアをそろりと開けて入ってきた、小さめの女の子だった。
「あと、俺も入部した、佐々木修二です。」
「いらっしゃい!今、入部してきた千歳くんに星のことを話していたの。続きがあるから、聞いて!」
そう言って、僕の、となりとそのとなりのいすを叩いた。
「おじゃましまぁす・・・」
そういってぎこちない感じで、いすに座って、僕に挨拶した。
「これからよろしくお願いします。」
「よろしくな。」
僕も笑顔で言い返した。
「よろしくね。」
そして、雅先輩は、
「それじゃあ話すわね。まずは、基本ともなる、‘星‘を知らなきゃね!みんなは、星をどれ位知っているかしら。」
雅先輩が尋ねると、
「私は、小学校の自由研究で、星を調べて、出品したら、特選を取りました!」
自慢げに、川田さんが話した。
そんな話で、部室は、盛り上がっていた。