プロローグ
『今日は、心地のいい晴れになるでしょう!』
お天気アナウンサーが笑顔で、晴れを告げる。
曇りの日も、雨の日も、笑顔で告げる。
僕は、征服を着ながら、牛乳を飲乾した。
「千歳!!忘れ物はない?!」
朝というのに、お母さんは、食器を洗っている。
時計を確認しながら、「いってきまーす!」といって、家を出た。
軽く走りながら、通学路を駆けていく。
そして、中学校に差し掛かる。
自分もあの征服を着ていたんだな、と懐かしく思う。
仲良くしていた友達のこと、好きな女の子のこと、クラスで飼っていた、カメのこと。
全部は、思い出せないが、楽しかったあの日々が、頭に浮かんでくる。
高校生になって、僕も少しは落ち着きを覚えた。
部活も、余り目立たない、天文学部に入部した。
星のことなんて、ちっとも分からないのに。
でも、星は知りたいと思ったときがあった。
それは、小学5年生のときだった。
8月の流星群に見とれて、何個も流れ星を発見した。
あっという間に去っていくその星を、僕は、ずっと探し続けていた。
部活の入部書に天文学部を発見し、即座に丸をつけ、提出した。
そして今、初めて部室に入る。
どんな先輩がいるのか、どんな人合えるのか。
そんなことで、僕の胸は踊っていた。
「え・・・・?」
そこで僕は、ある事実を知った。