それでも、羨ましいだなんて、言わないでください
ご覧いただきありがとうございます。
この場を借りて、私の最高に幸せで不幸な日々について語ろうと思います。
どれだけの方が見てくださるか分かりませんが、とりあえずよろしくお願いします。
特別科の皆さんは、去年1年で必要な単位をほぼ取ってしまったらしく、基本的に授業というものがありません。いくら私立と言っても、そんな漫画のようなことが本当にあるのですね。びっくりです。
だからと言って、遊んでいるわけにもいかないので(何しろ普通の高校生活を夢見ていますからね)、それぞれ、自主的に課題を見つけて取り組んでいます。
一般人サンプル係である私は、そんなわけにはいかないので、きちんと授業を受けなければいけませんが、サンプルとは言え、特別科の一員になってしまった私が他のクラスに混ざることが出来るはずもなく…。薔薇さん、蘭さん、菖蒲さんがローテーションを組んで家庭教師ならぬ、教室教師をしてくれています。
授業の間には、博識な3人らしく、色々なお話をしてくれます。個人的にお気に入りなのは、都市伝説や、西洋のおとぎ話ですね。悪魔とか、魔女とかそういう類のお話です。人間を仲間に引き入れる方法というのがあって、ある一定期間同じ場所で生活して、食事をさせるとか、結構簡単な内容で驚いてしまいました。魂取られるとか、血を抜かれるとかそういうことを想像していたんですけど。「時代は変わっているんだよ」と、薔薇さんは言ってましたけど、おとぎ話も伝わっていくうちに現代風にアレンジされていくものなんですね。勉強になりました。
昼休み
薔薇さんの提案で、中庭でお昼を食べることになりました。
「はーい。今日はちゅーかにしてみたの~!」
特別科の皆さんは一軒家を借りて共同生活をしているそうです。今日(これを書いている日からすると昨日なのですが、便宜上、今日ということにさせてもらいますね)の食事当番は向日葵さんということで、三段重ねのお重2つにエビチリや、酢豚、チャーハンが詰められていました。とても美味しそうです。
「たくさんたべてね!白たんは、いつもショウショクだから」
そう言って、向日葵さんが取り皿に春巻きをのせてくれました。
「ありがとうございま…「あ、センパーイ、デザートは杏仁ドーフがあるんですけど~、最後はあたしにしてくださいね~」
さすが、安定の向日葵さんなのでした。
「白妙、スープもあるよ」
薔薇さんがマグカップを置いてくれました。
「いただきます」
いつも思うのですが、私はご馳走になってばかりでいいのでしょうか。皆さんは、6分も7人分も変わらないからと言ってくれますが、せめて何かお返ししたいものです。
「気にすることはないよ。皆好きでやっているのだから」
今日の薔薇さんは、クラシックなタイプのセーラー服をお召しです。スカート丈は当然膝下で、黒タイツです。どこかで聖母様が見ているんじゃないかと思うほどの神々しさです。私が着ている制服(青藍は私服校ですが、一応制服もあるのです)も一応セーラーなのですが、もはや別物です。ちなみに、薔薇さんの髪型はハーフアップですよ。下にハイネックのインナーを着て、どこまでも露出を抑えているのが逆にエロ…いえ、なんでもありません。ああ、なんだか動悸が激しくなりそうです。
「そうよ。白ちゃん、気にしないでどんどん食べて頂戴。最近は牡丹も手加減してるみたいだけど、鉄分はしっかり取らなきゃね」
薔薇さんの横に座っている蘭さんが言いました。仕事前のホ○トにしか見えないのですが、ひとまず頷いておきます。そういえば、菖蒲さんはどうしたのでしょう。
「菖蒲のヤツは書庫だよ。新しい呪文がどーのこーのって言ってたから、しばらく出てこねーな」
チャーハンを頬張りながら、桂竹先輩が言いました。隣で向日葵さんが甲斐甲斐しく世話をしていますが、キラキラ笑顔の裏は下心でいっぱいなのでしょうね。先輩、今のうちに体力付けておいてください。
眠気が限界に来たらしい牡丹くんは、芝生の上でお昼寝中です。牡丹くんは、大きな身体の割に小食です。お弁当のおかずを少しつまんで、あとはパックに入ったジュースばかり飲んでいます。牡丹くんによるとトマトジュースらしいのですが、くまさんのような男の子が野菜ジュースを飲んでいる姿って、なんだか可愛らしいですよね。
さて、これで全員の紹介が終わりました。
いかがでしょうか。
彼らが、青藍高校が想定していなかった個性の持ち主たちです。
陸上で世界記録を出したり、学術的に大発見をしたり、男子生徒全員をたらしこんだと噂される方々なのですよ。
濃すぎですよね。
こんな方々に、一般社会の常識を教えるとか、無理じゃないですか。
時間になりましたので、今回はここまでにします。
次回は、より詳しく特別科の方々の様子を書いてみたいと思いますので、よろしくお願いしますね。