第2話 死の恐怖?
第一章 メジーナ帝国編
第2話 死の恐怖?
「アイタタタ!」
王様を殴るために大きく振りかぶられていた拳は強制転移したために空振り、勢いを殺せずにそのまま転倒してしまった。
「クソー、また変なところに飛ばされた、あのおっさん覚えとけよ。」
見渡す限りの、木、木、木、である。
「場所から察するにここは森かな?、、、そんな事より家族と猫山さんを探さないと!」
そう決心した瞬間、不意に前方の草陰が揺れた。
「ヒッ!な、何だ。もしかして、猛獣だったりして。」
自分の心臓が五月蝿いほど脈を打ち、背中から冷や汗が出てくる。
ガサ、ガサ! バ!
「こっちに来るなーー!」
恐怖に支配された俺は思わず叫び声をあげてしまう。
そして、草むらからそれが出てきた、、、、
☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆
、、、そう、ウサギだった、、、。
「な、なんじゃそりゃー!」
ピョン、ピョン!
叫び声に吃驚したのかウサギは逃げてしまう、この時ケンは気づいてなかった。ウサギがケンの叫び声で逃げたしたのではなく強者の存在に気付いていたのである。
ガサ、ガサ、ガサ!
「何だよ、どうせまた、鹿かウサギってオチなんだろ!」
草むらから出てきたのは、、、狼だった、それも普通の狼ではなく体長約三メートルのビックサイズだ。
「おい、おい、う、、そ、だろ。」
そう言って後ろに後ずさる。狼はこちらを見つめて牙を剥いて、グルルルルル、と唸っている。
に、逃げないと、そう焦った俺は一番やってはいけないことをしてしまう、なんと狼に背を向けて逃げてしまったのだ。肉食動物は本能から背を向けて逃げる物に対しては獲物として、追いかけてくることを焦っていたため忘れていたのであった。
ワォーーーン!
あの狼が遠吠えをする。すると、森のあちこちで遠吠えが返ってくる。クソ!仲間を呼んでいるのか!
はぁ、はぁ、はぁ!狼達は俺が疲れるのを待っているのであろう。さっきから付かず離れずの距離で俺を追いかけてくる。中々に頭の賢い連中である。もう、、、走れない、、足が縺れてきて、遂には木の根元に足が引っかかり転倒してしまう。
その隙に狼に囲まれてしまった。
もう、、、ここまでなのか?俺は死ぬのか?
ごめん、猫山さん、アイリス、アインス、ウェルシュ、フォックス、イザビン、ピンシェル、シェパード、シーべ、バーナード、コニー、ウィペル、ピレニアン、シープ、ダックス、できれば死ぬ前にもう一度だけ会いたかった。
そう思いながら、目をつむり自分を殺すであろう者の足音を聴きながらその時をジッと待つ。もう逃げ切れない、そう思っていたら足跡が止まった。死ぬのかと思ったその時、思いがけないことが起こった。
ベローーン!ピチャ、ピチャ!
顔を舐められたのである。いや、舐められているというよりは、見る人によっては顔を重点的に齧られているように見えるので心臓の弱い人が見たらショックで気絶しそうである。
「ちょっと待てお前ら!いったいお前らは何なんだ?」
そう言った瞬間、狼達の頭の上に何やらステータスの様な物が出てきた。そこには襲われた時よりも持っと吃驚することが書かれていた。
そう、、、、シェパードと書かれていた、、、。
「なんだってーーーーーーーーー!」
今日一番の叫び声が出ていたことは言うまでもない。