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14 スキルの練習 その2

 風呂洗って、夕飯食べて、風呂入って、その他色々と片付けて、ようやく後は寝るだけになった。

 ログインする前に掲示板などを覘いてみたが、初期の水属性の新しい使い道は無い。

 秘密にしてるのかな?

 それにしては売れているようだけど、ゲーム内で情報交換してるのかもしれない。

 スキルの使い方とアクションスキルの事が書いてあった。

 投稿時間を見ると、初回ログイン前。

 先に見とけばよかった。

 知らない情報で在ったのは、Str、Vit、Agiの弊害。

 Strだけ高くして力を入れすぎると拳が砕け、Agiだけ高くして速く走ろうとすると骨が抜けたりするという。

 Vitがあるとそれらは緩和されるが、Vitだけ高いと体が固まって動きにくいらしい。

 慣れれば弊害は減るらしいが、それまで苦労するという。

 今のところDex、Int、Spiの弊害は見つかってないみたいだが、何かあるかもしれない。

 気を付けないといけないな。

 森のスポットは開放どころか発見すらまだらしい。

 レアが発生していて苦戦しているようだ。

 他には目立つ情報は見つからなかった。

 見るものは見終わったので、ログインする。

 まだまだ森に入る前にやって置くことがある。

 ホワイトスライムの身を実体化させて袋に詰めると、また草原にスキルの練習と実験をしにやってきた。

 まずは速度調整から。

 肩からだと勢い付けすぎだったので、今度は肘から勢いを付けて放つ。

 が、これも崩れた。

 どんどん距離を短くしていく。

 次第に残る塊が大きくなり、ようやく崩れずに飛ばせた。

 手から押し出す程度の勢い付けでできた。

 ……無駄な苦労をしてたらしい。

 いや、後々を考えれば無駄じゃないか。

 次は、拡大とか試してみるか。

 まだ何度も使ってないからレベルは上がってないだろうけど、目安って書いてたしやれるかもしれない。

 一つ一つ試してみよう。

 これは、飛ばさなくてもいいか。

 というか、目視しないといけないから飛ばさない方がいいな。


「《デカアース》!」


 大きさが元の倍ほどの土の塊ができた。


「《ヘクトアース》!」


 更に倍の土の塊ができた。

 放った後に星の力が引く感じがした。

 力をまた集めるのに少し苦労する。

 たぶん、これがクールタイムの正体だろう。


「《キロアース》!」


 放つとその反動かさっきよりも大きく引き、集まりが更に悪くなった。

 メガにもなると、溜めた力を維持するのにも苦労する。

 ギガまでは何とかやったが、動かす事を考えるとキロぐらいまでだろう。

 それでも、ZP1なら30レベルはないとやれない。

 レベルはあまり気にしなくてもいいようだ。

 圧縮の方はどうだろう?

 こっちも一つ一つ試してみよう。


「《デシアース》!」


 ……出ない。

 溜めたのをそのまま出したのだが、元々の力自体を圧縮しないと駄目なんだろうか?

 試しに圧縮をかけてみる。


「《デシアース》!」


 今度は元の大きさより小さな土の塊が出た。

 この方法でいいようだ。

 センチ、ミリと続くが、溜める量に加え圧縮率も上げなければならず、圧縮はマイクロまでで断念。

 上に五段階、下に四段階だが、実質使えるのは上下とも三段階ぐらいまで。

 拡大圧縮同時にできるのは上二下一か上一下二ぐらいだな。

 となると、実際には10レベルに毛が生えたぐらいかな?

 総合的に考えると、そんなにレベルと離れないのか。

 あと実験する必要あるのは、形状変化だな。

 基本は丸だが四角などに形を変えれた。

 とりあえず試してみよう。


「《アーススクエア》!」


 微妙に四角くなった感じの土の塊ができた。

 溜めた力の形状を目的のものに合わせると、ちゃんとしたのができそうだ。

 もう一度、今度は力の形を四角く溜めて出す。


「《アーススクエア》!」


 きっちり辺があるブロック状の土の塊ができた。

 成功だな。

 これは攻撃の他、陣地を作るのに利用したりした。

 土属性が好まれる理由の一つとして形のまま残るというのが大きい。

 初期五属性では唯一の固体だ。

 立方体だけだったが、溜めた力の形状を変えると長方体にもできた。


「《アースコーン》!」


 先が前を向いた三角錐の土の塊ができる。

 高圧縮なら防御力を抜きやすい形だ。

 この後やろうとしているのは勢いを付けないとできてるかわからないので、何もいない方向を探す。


「《アースショット》!」


 溜めた力のままでやると、固まっていない土がぶわっと広がった。

 魔術系の近接攻撃手段で、特に対人戦に威力を発揮する。

 細かいのが大量なため、高拡大高圧縮したものならばPPを削るのに適していた。

 まあ、そもそも高拡大高圧縮しないと実用できない上、相手の防御力見抜いて適正攻撃した方がPP消費量的に効率よかったのだが。


「《アースセクター》!」


 こっちも固めてない土が広がるが、形状は幾分か横に広く、縦に狭い所謂扇型。

 きちんと形を整えて出すと、更に横に広がり、縦が狭くなった。

 しゃがまれたり、跳んだりされて回避されやすいのが難点だが、一応近接の範囲攻撃なので使い勝手はあった。

 次は圧縮を絡めたのを試してみるか。


「《デシアースライン》!」


 圧縮しながら押し出すようにやると発動した。

 水属性でやると所謂ウォータージェットになる。

 どうしても防御力を抜けない時の最終手段だ。


「《デシアースエクスパンド》!」


 これはちょっと苦労した。

 圧縮が解ける反動で爆発する奴なんだがどうやればと考え、発射する瞬間に圧縮かける事で何とかできた。

 他属性だと基本ぶつかると弾けるのだが。

 その点が土属性の難点だったりする。

 あとはアレだな。

 地面に手を付いて、そこに力を送る。


「《アースアップ》!」


 ぼこっと土が盛り上がった。

 また力を送り唱える。


「《アースダウン》!」


 盛り上がった土が下がる。

 普通の地面に使えば穴が開く。

 地形変化、これが土属性の真骨頂だ。

 これで基本は一通りだな。

 後は自作形状だ。

 複雑な形や効果をやるには魔術が高レベルな必要があるが、簡単なのならまあ大丈夫だろう。

 ついでに回転も試してみよう。

 となると形はドリルがいいのかな?

 ものは試しだ。

 圧縮して、できるだけその形になるように溜めて回し、発射する。


「《デシアースドリル》!」


 ちゃんと回りながら飛んでいく。

 使い勝手はどうなんだろう?

 コーンよりもよさそうだが、ちょっと手間がかかるな。

 まあ、そのあたりは実戦で確かめてみればいいか。

 そろそろ森へ行こうかな?

 そう思ったとき、不意に肩を叩かれた。



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