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気ままな短編集

名無しのファンタジー 序章

作者: 辺 鋭一

このお話は、私が高校時代の憂さ晴らしに考えた物語の序章として書いたもので、本来ならば本編の裏話というか、主人公の村の歴史みたいな感じで考えていた物です。

なので、アイテムとか魔法以外にファンタジー要素は出てきません。

ご了承ください。


では、どうぞ。

   ●



 その村に、名前はなかった。



 その村は鉄鋼技術が盛んな鍛冶の村であり、鉱石や燃料となる木材を手に入れやすいよう、鉱脈の多い山岳地帯のふもとに存在していた。

 その村には気難しい職人が多く、村の名前を考えるよりもより良い鉄鉱石を探し、より良い製品を作ることに熱を注いでいた。

 こうして、この村は名無しの村となり、どうしても必要なときには『鍛冶の村』という簡素な名前で呼ばれる程度だった。

 村、というからには当然働き手である屈強な男たちの他にも、その家族である女・子どももいる。

 総人数300ほどの小さな村であったが、その村に伝わる技術は確かであり、このような時代、特に需要がある刀剣類をはじめとした武具の発注が定期的に来ていたため、働き手である男たちは毎日忙しそうに働いていた。


 そうなると、それ以外の仕事はほとんどそれ以外の者、つまりは女・子どもが担うことになる。

 それゆえ、十にも満たない子どもが、日々の糧を得るために単身山に入っていくのは日常であり、また、将来鍛冶技術を受け継ぐための体力を得ていくための修行でもあった。

 子どもたちは今日もまた、籠を一つ背負い、小さな、しかし特別製の小刀を持って山に繰り出していく。




   ●



 その村に、名前はなかった。



 その村は古代の魔術師が研究のためにこもった、山奥にある小さな研究所が始まりであったとされ、その高名な魔術師に弟子入りしようとして集まってきた者たちがその周りに住居を築いていったことにより大きくなっていった。

 その高名な魔術師はとうの昔に亡くなってしまっているが、その弟子に弟子入りしようとした者、さらにその者に弟子入りしようと集まった者たちがいたおかげで、その研究所は村になった。

 当然、その村では魔術の研究が盛んであり、日夜その技術を練磨しあい、発展させていった。

 無論、多くの時間と労力をかけた研究の成果を、村の外の何者かに盗まれてしまうこともあった。

 そのため村人は強力な結界を村の周りに設置し、村人以外は出入りできず、また外からは村の存在を認識できないようにした。

 『魔術師の村』と世の魔術師から呼ばれていたその村は、それを境に正史から姿を消した。

 こうしてその村は隠れ里となり、特に村を区別する必要もなくなったことで、正式な名前も呼ばれることはなくなり、いつしか消えて無くなってしまった。

 この結界のおかげで、村人たちは安心して技術の発展に精を出すことができるようになった。

 だが、技術とは発展させるだけでなく、受け継がせなければならないものだ。

 外から人が入ってこなくなった今、受け継がせる対象はもちろんその村に集まった者たちの間にできた子どもたちだった。

 向上心旺盛で、さらには才もある者たち同士の間にできた子どもだということもあってか、大きな才を持つ子どもが数多く生まれ、その師である親たちの喜び様は例えることもできなかった。

 日夜鍛錬と研究に明け暮れた子どもたちは立派な魔術師となり、その磨き上げた技術は次の世代へと受け継がれていった。


 だが、子どもという物は気紛れなもので、毎日修行に明け暮れるだけの生活に嫌気がさす者も当然いた。

 そう言う子どもたちの興味は村の外に移り、好奇心旺盛な年頃の子どもたちは大人に黙ってこっそりと村の外の山に繰り出して行った。

 だが、結界を管理しているのは村の大人たちであり、その結界はそんな子どもの浅知恵程度でごまかせるものではなかった。

 大人たちは村を出て危険な場所で遊んでいた子どもたちを叱り、二度と出ていくことがないように諭した。

 しかし、大人たちは考えた。この程度であきらめるような子どもたちではなく、禁止されてしまえば外の世界への情熱はさらに燃え上ってしまうだろう、と。

 その考えをむげに否定することができないのは、かつて同じ思考を持ち、今も魔術の研究という形で持ち続けている大人たちだからこそであった。

 また、研究者としてではなく一親としても、見知らぬ世界に踏み出して好奇心を養うことは喜ばしい事でもあった。


 そこで大人たちは、すべての子どもたちに首飾りを与えた。

 その首飾りは『精霊鉄』と呼ばれる特殊な鉱石をいくつかつなげただけの単純な物であったが、そこに込められている魔法は精密な物だった。

 その効果は、身に着けている者の位置と万が一の危険を村の者に察知させる事。そして危険から身を護り、大人たちが駆けつけるまでの時間を稼ぐ防護壁を展開することだった。

 大人たちの隠れた手に護られながら、今日も子どもたちはひそかに村を抜け出し、外の世界で好奇心を満たしていく。



   ●



 その二つの村は同じ山を挟んだ反対側に位置していたため、長い年月のうちに両村の子どもが出会うという偶然は、もはや必然と呼んでもいいほどのモノであった。



   ●



 『鍛冶の村』の少年は、日課となっている狩猟(とは言っても大きな獲物をしとめることなどできるわけがないので、実際には採集に近いモノであるが)の最中、見知らぬものを見つけた。

 それは、同じ年頃の子どもであった。

 同年代の子ども自体は珍しいモノではないが、少年からすれば目の前の子どもは奇態な物だった。

 多少デザインは違えど、自分と同じように簡素な服を着ているのは共通している。

 だが、その子どもの肌は自分のように鍛冶の火に焼けてくすんだ色ではなく、ろくに日に当たった事も無いような真っ白な物であった。

 小さな体に肩までかかるかかからないかの長さで揃えられた髪からして、女の子だろうか?

 自分の周りには大人も子どもも、女でさえもくすんだ肌を持っている者しかいなかったため、少年は初めて見たその子どもの事を『魔物』かとも思った。

 だが、もし目の前の子どもが魔物だった場合、自分は一瞬で食われてしまっているだろうということを思い直し、少々の安心を得た。

 それでも少年は警戒を解かず、子どもの事をじっと見つめ、観察した。

 それはあちらも同じだったようで、驚き、一瞬の警戒、そして観察という同じステップをたどってはいたが、そこは好奇心旺盛な子どもらしく。さっそく話しかけてきた。


「……ねえ、君、誰?」

「……………………」


 今まで一度も危険な生き物に出会った経験がないのか、警戒心無くこちらに近寄ってきた。

 気が強いのか強がっているだけか、男の子みたいな口調だった。

 だが、それと違って今まで何度も危険な動物や状況に出くわしたことがある『鍛冶の村』の少年は、ゆっくりと腰に下げた小刀に手を伸ばした。

 いつ襲われても切り返せるように、しかし警戒していると悟られないように、あくまで自然体に見えるような構えを取る少年の事を他の戦士が見れば、かなりの逸材であるとして弟子に誘ってくるだろう。

 だが、そんなことは『鍛冶の村』ならば皆が身に着けている技術であり、少年はその中でもまだまだ甘いと叱られている方である。

 そんなことはつゆと知らない子どもは、自然体で立ち続ける(ように見える)少年が警戒を解いてくれたものだと認識し、笑顔で歩み寄っていった。


「ねえ、聞こえなかったの? 君は誰? どこから来たの? ……あれ? もしかして言葉、通じてな――」


 いの、という言葉が子どもの口から出る前に、少年は射程圏内へと不用意に入ってきた不審者へ肉薄し、その首筋に刃を突きつけた。

 いきなり命の危機にさらされた子どもは一瞬頭の中が真っ白になったが、すぐに己が置かれた状況を理解し、その顔を恐怖に歪ませた。


「…………!」


 あまりの事態に言葉も出せなくなった子どもの様子を見て、少年は『危険性はなさそうだな……』と判断を下そうとした。

 だが、念には念を入れておこうと思い、首筋に当てていた小刀を少しだけ離し、様子を見る事にした。


「……(これで襲い掛かってくるようなら殺す。そうじゃなければ放置しよう……)」


 そう考えて子どもの挙動を見る少年は、子どもの表情が恐怖から安堵に変わり、そしてすぐに別の何かにその眼を向けるのを感じた。


「……ねえ、その刀、『精霊鉄』……?」


 少年は子どもの言葉の意味が一瞬解らなかったが、すぐに『精霊鉄』という物が魔術師の使う言葉であり、自分たちの村においての『魔鉄鋼』と同様の意味であることを思い出した。


「……そうだ。この小刀には、お前の言う『精霊鉄』も使われている」


 その言葉の通り、この刃にはほんの少しだけではあるが、『魔鉄鋼』が使われていた。

 本来、『魔鉄鋼』とはただの鉄である。

 その鉄が鉄鉱石として地中に眠っているとき、たまたまそこに魔力の通り道である『地脈』が重なると、鉄が高純度の魔力に長時間晒されて性質が変化し、『魔鉄鋼』に変化するのだ。

 この『魔鉄鋼』、特殊な生成方法を用いれば普通の鋼鉄よりも固く、そしてしなやかになるという性質をもち、普通の刀に少しでも混ぜればなまくらでも名刀と伍する、と言われている。

 だが、その特殊な生成条件ゆえに採掘量は非常に少なく、錬成されたものならば小石ほどの欠片であっても同量の黄金と等価値で取引されることがあるほどだ。

 自分たちは採掘された『魔鉄鋼』の余りを用いて日常品に組み込み、生活に役立てているのだ。


「……で、それがどうした」


 おそらくこの子どもは魔術師の子なのだろう。

 『魔鉄鋼』は武器にとっても最高の素材であるが、魔術師が魔術を使う際にも最高の媒体になる。だから、ある程度の魔術師ならば一つぐらい『魔鉄鋼』の入った魔法具を持っているという。

 この子どもはそれ故に普段から『魔鉄鋼』の持つという魔力の波動(魔術に素養のある者のみがわかるという物。自分には何も感じない)に触れていて、この刀にもそれが含まれていることを察知したのだろう。

 正直、ほんの少ししか含まれていないそれの存在を察知したことに脅威は感じるが、それだけの事だ。

 『魔鉄鋼』の性質を最低限発揮させるためには鉄とどれくらいの割合で配合すればいいのか、などの門外不出の秘密が漏れたわけではないのだから。

 そんなことも知らない子どもは、好奇心をくすぐられたのか自分に突き付けられている刀をまじまじと見つめている。


「……でも、こんなに加工が難しい鉱物を、よくこんな少しだけで使えるね……」


 確かに、『魔鉄鋼』は扱いが難しい鉱物だ。

 錬成した物は固くてしなやかだが、自然界に存在する物の多くは固くてもろい。

 それゆえ扱いが難しく、このあたりで『魔鉄鋼』を扱えるのは『鍛冶の村』の職人ぐらいしかいない。

 それ故に、『魔鉄鋼』を含んだ製品は『鍛冶の村』でなければ手に入らず、武器商人がよく買い付けに来るのだから。

 そんなことを考えて自分の村を密かに得意がっていた少年だったが、次の瞬間に放たれた子どもの言葉にそんなものは吹き飛ばされてしまった。


「本当にすごいね。僕たちの村じゃあこんな見事に加工できないから、鉱石のまま首飾りにするしかないんだ。――ほら、こんなふうに」


 そう言って子どもは首から下げた首飾りを見せてくる。

 見た目は石を5、6個穴をあけてつなげただけの物だが、問題なのはその石だ。


「……お前、そんなものどこで……!」


 それは、『魔鉱石』の塊だった。

 生成していない鉱石の状態だったが、それでも含有率はかなり高い、最高品質の物だった。

 自分でさえもなかなかお目にかかれない代物を、目の前の子どもは首飾りとして持ち歩いている。

 ありえないことだった。


「……? どこでって、お父様に『お護りだ』ってもらったんだ。僕だけじゃなくて、他の皆も全員同じのをもらってたよ?」

「……お前の他に子どもは何人いる?」

「えっと……、20人ぐらいかな?」


 少年は自分の耳を疑った。

 その言葉が正しいとしたら、その村には同じものが20個もあるということだ。

 それらをすべて集めれば、『鍛冶の村』で扱う『魔鉄鋼』の量の一年分に相当するだろう。

 それだけの量を、研究に使うのではなく子どもたちに渡している。

 正気だとは思えなかった。


「……お前の村では、この石がいっぱいあるのか?」

「……うん。お父様たちが研究で使ってるのを見たことあるから。この前も大人の人たちが何人か出て行って、何日かしたらこーんな大きな袋いっぱいに持ってきてたよ!」


 そう言いながら手を大きく広げて大きさを表す子どもを見て、少年は静かに考える。

 そして突き付けていた刀を完全に引き鞘に戻すと、それを子どもの前に掲げ、


「……君、これが欲しいかい?」

「……? くれるの?」

「ああ、ただし条件が二つある。まず一つ。君の持っている首飾り、それを僕に貸してほしい」

「? 貸すだけ? あげなくていいの?」


 不思議そうな顔をする子どもに、少年は頷き、


「ああ、貸してくれるだけでいい。そしてもう一つは、今ここで君に渡した刀を、君の村の一番偉い人に見せてやってほしい。たったそれだけで、この刀は君の物になる。……どうだい? 悪い話じゃないと思うけど?」


 返答は、子どもの元気な首肯によって伝えられた。



   ●



 自分の首にかかっていた首飾りに失せ物防止用の魔法(自分の手を離れてから一定時間後に自分の手元に召喚されるという簡単な魔法)をかけてから少年にそれを手渡し、その見返りとして小刀を渡された子どもは、ほくほくした顔で自分の村に戻っていった。

 結界の抜け道(だと思っているだけで、実際には小さいだけの普通の門)を通り、こっそり自宅に戻った子どもを待っていたのは、両親の怒った顔だった。

 村の外に出たことと首飾りを失くして帰ってきたことの二つの事で叱られてしまい落ち込んだ子どもだったが、すぐに元の調子を取り戻すとこの村で一番偉い人、つまりは自分の祖父に会いに行った。


 この村の長をしている祖父は今日も元気に研究に励んでいたが、かわいい孫娘が来たことを知るとその研究を中止し、だらけきった顔で迎え入れた。

 爺バカ全開の長は孫娘に対してお菓子を出してやったが、当の本人はそれを一瞬だけ(ものすごく欲しそうな顔で)見てから首をぶんぶん振って、それから長に向かって懐から出した小刀を差し出した。

 長は不思議に思いながらもそれを手に取り、言われるままに抜いてよく見てみて――驚いた。

 その刀に『精霊鉄』が使われていることに驚いたのではなく、その使われ方、正確にはその技術に驚いたのだ。


 『精霊鉄』の扱いは非常に難しい。

 生半可な技術で扱えば、あっという間に砕けてしまうほどに繊細な物なのだ。

 にもかかわらず、この刀には『精霊鉄』が完璧に加工されて混ぜ込まれている。

 その量自体は微々たるものだが、その微々たる量ですら加工できる手段をこの村の者は持ち合わせていない。

 この村には魔法に長けているものが多く(というか、子どもやごく一部の例外を除き、全員が魔術師である)、地脈を察知できるものが多いため、そこから『精霊鉄』を掘り出せば量自体は手に入る。

 『精霊鉄』の鉱石は、それそのものでも魔法の触媒には使えるが、錬成し、形を整えてやれば更なる効果を発揮する。

 それをめざし、それの研究のみに人生を費やした魔術師もいたが、結局は今のように手ごろな鉱石に穴をあけ、首飾りのようにして魔術を使うか、実際に手に持って魔法を発動させるという手段しか見つかってかった。

 にもかかわらず、この小刀には自分たちには未知の技術が使われている。


 ……これは、使える……!


 早速孫娘にこれをどこで手に入れたのかと聞くと、少々言いよどみながらも自らのしたことをぽつぽつと話し始めた。

 とりあえず、祖父として孫娘の悪戯を叱ってから、必ず返すという約束の元その小刀を借り、長として村の大人たちを集めて会議を行うことにした。

 議題はもちろん、新しい技術について、だ。



   ●



 子どもと別れた少年は採集をそこで打ち切り、急ぎ『鍛冶の村』へと帰っていった。

 村の入り口にて見張りの若者に収穫なしであることを咎められたが、それを首飾りを見せることで黙らせた。

 そうして家に帰って母親に顔を見せてから急いで父のいる作業場に行き、熱した鉄を打っていた父が一段落ついたところで首飾りを見せ(さっそく砕いて材料にしようとしたので必死に止めた)、その時の事を事細かに説明した。

 そうしてこれから起こるであろうことを父に説明し、納得してくれた父は首飾りを持って長の所へ向かった。

 後は大人たちの会議次第だが、いい結果になることを祈ろうと思う。




 そうして次の日、夜明けとともに首飾りが消え、さらに昼時になった頃、ローブを着込んだ男たちが村の前にいきなり現れた。

 見張りの者はそのことに一瞬面食らったものの、長から話は来ていたためすぐに我に帰って現れた集団に問いかける。


「何者だ。見たところ商人ではないようだが?」

「それはあなたがた次第です。あなた方の対応次第で、我々はあなた方の敵にも味方にもなりましょう。本日は、この刀の件で参りました。この村の代表の方にお目通りを願いたい」


 ローブ集団の戦闘に立つ老人はそう言うと、懐から小刀を取り出して差し出してきた。

 見張りはそれを受け取り、ざっと見ると老人に返し、


「わかりました、こちらへどうぞ」


 と言って、村の真ん中にある建物へ導いていった。



   ●



「ようこそ我が村へ。私がこの村の長です。よろしく」

「歓迎痛み入る。儂は山一つ向こうにある村の長をしている物じゃ。よろしく頼みますぞ」


 『魔術師の村』の者たちが通されたのは、『鍛冶の村』の真ん中にある大きな建物だった。

 そこは昔から村人が集まって話し合いをする際に使われていた場所であり、大人十数人が一度に話し合えるほどの広さを持っている。


「何のお構いもできずに申し訳ない。見ての通り鍛冶場以外何もないような村でしてな」

「いやいや、儂たちも何の手土産も持ってこれなんだ。お互いさまじゃ」


 その集会場では現在、机を挟んだ長同士の挨拶が行われている。

 それぞれの長の後ろにはそれぞれの村から腕に覚えのある者たちが数人並んで控えている。


「さて、先日は貴君の村の若者から大層な物を頂いてしまいましたな。この場を借りて、感謝いたしますぞ」

「いや、こちらこそ貴公の村の大切な物をお借りしていましたからな。いいものを見させていただきました」


 そもそもなぜ『魔術師の村』の者達がここ『鍛冶の村』に来られたかというと、その訳は実に簡単で、少年が持って帰って来た首飾りが教えてくれたのだ。

 その首飾りは子どもたち全員に配られていると言っていたので、魔術師ならば迷子防止のための機能ぐらいつけていると踏んでいたが、大当たりだった。

 その首飾りを村の者に見せた後で村の中心においておき、目的地がどこであるかを示しておいたのだ。

 後は、子どもが持ち帰った刀を見て興味を持ってくれれば成功だったのだが、どうやらうまくいったようで、彼らは今日、大きな荷物を抱えてここにやってきた。


「……さて、前置きはこのあたりにしておきましょうか。ではご老体、本日はどのようなご用件でわざわざこんなところまで来られたのでしょうか?」


 長同士の長々しい挨拶が終わり(一応これにもお互いの村に貸し借りは無く、同等の立場であるということを確認する意味があるのだが)、『鍛冶の村』の長がさっそく話を切り出してきた。

 それに対して、『魔術師の村』の長は真っ白な髭を蓄えた顎を撫でつつ、


「ああ、そのことですがな……。一つお願いがあってきたのじゃが」

「おや奇遇ですな。我々も貴公方に頼みたいことがあったのです」


 互いに要求があると先に宣言した二人は、同時にその内容を告げる。


「貴君の村に伝わる『精霊鉄』を扱う技術を、無条件でこちらに引き渡してもらいたい」

「貴公の村にある『魔鉄鋼』とその探索技術を、こちらに無償で譲渡していただきたい」



   ●



 二人の長が言った要求に対して、反応を示したのは長ではなくその後ろに控える付き人たちだった。

 両者は全く同じタイミングで眉を上げ、顔を赤らめ、目を見開き、声を上げようとして――


「静まれ、お前たち」

「落ち着きなさい、貴方たち」


 己の長たちにたしなめられた。

 長たちは己の背後に立つ者たちを一声で黙らせると、また向き合い、互いに苦笑する。


「すまないな。まだまだ若く血の気が多い者達だ。先の言葉の意味をよく理解できておらぬようだ」

「いや、こちらもまだ修行が足りぬ者達だ。帰ったらきつめの物を課すとしよう」


 二人はそう言って一つ笑い、また表情を戻して話し合いを再会する。

 先ほどの言葉により、『相手の事を考えない場合の、それぞれが目指す最高の目標』が示された。

 後は互いの事を考え、少しでも互いに利があるように意見をすり合わせていけばいい。

 そうすれば、『最高』ではなく『最善』の策が二者の間で取り決められることになる。

 ……まあそうはいっても、隙あらば自分の村が有利になるようにとり図ろうとするのだが。


「……さて、話を戻すとしようか。先ほどの要求だが、到底受け入れることはできぬ。『魔鉄鋼』の加工技術は、我々の祖先が何代もかけて取り組み、確立した大切な財産だ。おいそれと渡すことなどできるわけがない」

「それは我らも同じことじゃ。我々が集めた『精霊鉄』の鉱石は、加工していないそれ単体でも研究には欠かせない大切な資源。それを集めるための魔術も、地脈を探り、地中をくまなく調べ上げる大規模なものであり、それを行える者は我らの村でも貴重な人材。譲渡するなどとんでもない事じゃ」

「――ならば、私は貴公らに依頼したい。貴公らの持つ『魔鉄鋼』の鉱石の一部を、我々に譲っていただきたい。無論、それなりの対価は保障する」

「……ふむ、その案ならば乗っても構わんの。では、我らの村で採掘した『精霊鉄』のうち、研究に必要な最低限の分を除いたすべてをそちらに譲渡しよう。そしてその対価は、譲渡したうちの八割を、我々の注文通りに加工して返すこととする」


 そう言うと『魔術師の村』の長は後ろに控えている物に指示し、持ってきた(というより背負ってきた)荷物を『鍛冶の村』の長の前に置く。

 それは布でふたをされた籠であり、その蓋を『魔術師の村』の付き人が外して見せると、その中には大小様々な石がぎっしりと入っていた。


「これが大体、二ヶ月ほどで持ってこられる『精霊鉄』鉱石の量じゃ。参考にしてもらいたい」


 要は、『渡した精霊鉄の内の二割を好きに使わせる代わりに、精霊鉄の製品を無償で作ってほしい』という要求である。


「……ふむ、考えそのものは悪くない。だが、その比率では少々平等性に欠けるな。我らの技術を買おうというのに、その程度の対価では我らも働く気は起きぬ。ここは、譲渡していただいた『魔鉄鋼』のうち、三割を加工して返却する、という比率ではどうだろうか?」

「七割は持っていきすぎじゃ。我々は掘り出す苦労もあるのじゃぞ?」

「ならば、我々の方から力自慢を何人かよこしましょう。場所を知られたくないのならば、炭坑に至るまでの道中は目隠ししていただいても構いません」

「ふむ、探査はともかく掘り出すのは貴君らの方が上手いじゃろうな……。ならばその分も合わせて我々に返還するのは六割でいいと思うが、どうじゃ?」

「いえいえ、それでは割に合いませぬ。我々は頂いた鉱石から余分なものを取り除き、それを加工するという二つの工程があります。それを考えて頂きたい」

「……ならば、両方折半として半分でどうじゃ? これならば不満もあるまい」


 『鍛冶の村』の長はそれを聞き、腕を組んで考え込むと、


「……ところで、我々が細工した『魔鉄鋼』製品を、貴公らはどうするおつもりか?」

「無論、我らで使うに決まっておる。魔術を使うにしても、その研究に使うにしても、『精霊鉄』の製品は欠かすことのできぬものじゃからな。それ故に、自由に加工・細工のできる貴君らのような存在とかかわりが持てた事、大変うれしく思うておる」

「それはこちらとて同じこと。『魔鉄鋼』は加工もそうだが、同じぐらい探すのも難しい。これだけの量の、しかも上質な鉱石を用意していただけるのならば、こちらとしても大助かりだ」

「それは何よりじゃな。……ふむ、それと、製品の使い道の事じゃがな。もう一つ、加工していただいた物のごく一部は町に出て売ることになると思う。我らは世間には知られぬ隠れ村の民ではあるが、それでも食料などの一部は市井に下り買い求めておる。今までならば研究・開発した物の一部を多少ぼかして魔道具屋に売り払っていたが、貴君らほどの職人が作り上げた物ならば大変高く売れるじゃろうな」

「……ならばその伝手(つて)、こちらで用意しよう。聞けば貴公らは隠れ住む民だという。ならば少しでも目立つような行動は慎みたいはずであろう? ならば貴公らの取り分のうち、貴公らが許可した物のみを我らが贔屓にしている武具屋に引き取ってもらうようにすれば、我らも信用を得られ、貴公らも目立たなくて済む。何より、我らの贔屓にしている武具屋はかなりの目利きで、良い物にはそれなりの値をつける。下手な武具屋に行ってぼったくられるよりはよほど金になると思うが、どうか? ……ああ、勿論仲介料などはとらん。その製品の売り上げは、全額貴公らに届けると約束しよう。何なら見張りをつけてもらっても構わんが」


 『魔術師の村』の長は少しの間難しい顔をしてから、


「……ふむ、わるくない……というか、良い話じゃな。皆の手前、最初は見張りの者を何人かよこさねばならんじゃろうが、それも交流の一環だと思ってくれればありがたい。ではまあ先ほどの話に戻るが、ここまで来たら貴君らとの友好の意味も込めて、返還していただくのは四割で構わん。これでいかがかな?」

「ええ、結構です。無理を通していただき、感謝します。このお礼として、製品は最高の物をご用意させていただきます」

「おお、楽しみにさせて頂きますぞ。詳しい意匠などは後日使いの者をよこすが、とりあえずは今月と来月の分としてこの籠は置いていく。……わかっているとは思うが、我らにごまかしなどは通用しませんぞ? もしそのようなことがあった場合、我らの事を知ってしまった貴君らにはそれ相応の報いがあるとお覚悟なされよ」

「我々も職人の端くれです。そのようなごまかしは誇りにかけて、絶対に致しません。……それと、我々も力仕事が主であり、その鍛錬の一環として剣術を嗜んでおります。その腕前と我らの作る武器の切れ味、味わいたくなくば貴公らの方こそ後ろ暗いことは慎まれよ」


 互いに力を込めた笑顔でにらみ合う事数瞬、おつきの者が圧倒される中、すぐに両者とも顔の力を抜くと、いい笑顔で手を差し出し握り合う。


「今後とも、良い関係を築きあげていきましょう。我ら一同、心より貴公らを歓迎いたします」

「こちらこそ、永の友好を約束いたしましょう。我ら魔術師、契約にはちとうるさくてのぉ」

「それは我ら職人とて変わりません。我らは日々助け合って生きています。その絆、もはや家族と言えましょう。それゆえ、一度得た絆を切るような真似はいたしません。貴公らが望むならば、すぐにでも家族として迎え入れましょう」

「ほほほ……、それは良い。いくつになっても家族が増えるのは良い事じゃ。……近いうちに、村の若い者を連れてきましょう。手土産には上等の酒も持たせようと思うが、肴の用意はそちらに任せてもよろしいか?」

「おお、よろこんでお引き受けいたしましょう。この村に伝わる歓迎の料理、お気に召していただければ幸いですが……」

「それは楽しみじゃ。……では、今はお暇しようかの。あまり長いしても仕方ないし、村に帰ってこのことを伝えてやらねばならぬゆえ。……ああ、長殿。一つお頼みしてもよろしいか?」


 席を立ち、出入り口に向かおうとした『魔術師の村』の長が急に立ち止まり話しかけてきたことに少々驚きながらも、『鍛冶の村』の長は答える。


「なんでしょうか? 私にできる事ならば、何なりと」


 そのかしこまった言い方をおかしく感じたのか、『ほほほ』と笑った老人は、


「もう堅苦しい話は終わった。話し方を崩してもよいと思うが、どうじゃ?」


 その言葉に『鍛冶の村』の長は破顔し、立ち上がって肩を回して体をほぐしながら『魔術師の村』の長に歩み寄る。


「そう言ってくれるとありがたい。なにせこっちは柄にもない事をやらされて肩がこって仕方がない所だったからな。……それで、俺に頼みってのは、何だい?」

「何、大したことではない。儂らの出会いをもくろんでくれた、そちらの村の少年の顔を見てみたいと思っただけじゃて。……いま、会えるかの?」

「ああ、それならば問題は有りません。……おい、聞いていたんだろう? 入ってこい!」


 ……気付かれていたのか……。


 きっちり気配を消していたつもりだったのだが、やっぱり長にはかなわないらしい。

 これ以上待たせると拳骨を喰らってしまうため、すごすごと扉を開けて長たちの前に出ていく。

 長の横に立った俺の頭の上を、長はポンポン平手で叩きながら、


「こいつがそちらの村の子どもに刃物を渡した大馬鹿野郎でさぁ。……ほら、挨拶しねえか!」


 強めに頭をはたかれてつんのめった俺は、そのまま目の前の老人に頭を下げる。


「……こんにちは」


 なのを話していいのかわからなかったので、最低限の挨拶にのみとどめた。

 後ろで長が怒ったような気配を感じるが、だったらどうしろってんだ!!


「ほほほ、この話し合いの最中どうも誰かに見られているような気配がすると思ったら、お主じゃったか。こんな老いぼれに見抜かれるとは、まだまだ修行が足りんぞ?」


 言いたい放題言われてしまった。というかこの爺さん気づいてたのか。

 それと後ろで大笑いしてる長はあとで覚えてろ。奥さんにある事ない事言いふらすぞ。


「……とまあ説教くさいことはさておくことにして……。うちの孫娘に良いおもちゃをくれたこと、感謝する。また遊んでやってくれると嬉しいのぉ」


 ……げ、あのガキ……じゃなくて子どもって、この爺さんの孫だったのか!? やべえ、思いっきり刀を突きつけちゃったよ……。


「ほほほ、気にせんでもよい。森で不審な物を見かければ魔物を疑うのは当然じゃからの。今回は孫にも傷一つ無かったようじゃし、水に流すとしよう」


 ……傷一つでもつけてたら死んでたな、俺。


 そんなことを考えて冷や汗をかいていると、目の前の爺さんは俺の顔をまじまじと見つめ、


「……ふむ、顔も悪くないし、肝も座っておる。何よりこれだけの事をきちんとすべて計算し、見通しておったと見える。その頭脳、大したもんじゃ」


 ……この(じじい)、俺の考えが読めてるのか!?


 確かに最初に子どもから話を聞いて、売り込みのつもりで刀を渡した。

 それから村に帰るまでの間、相手の村がどう動くか、自分の村がどう動くべきかを考え、それを父親と長に説明したのは自分だ。

 しかも結果はおおよそその考えの通りになった。

 自分でも驚くほどにトントンと話が進み、半ば浮かれてしまったことにより気配を読まれ気付かれてしまったのだろう。やはりまだまだ修行が足りない。


「さすがにまだあの歳で刃物を持たせるのは危ないのでの、あの子にこれを渡すのはしばらく先になりそうなのじゃが、……その時は、お主が使い方の指南に来てくれんかの?」

「……え、俺――じゃない、私がですか!?」


 にこにこ笑いながら頷く爺が憎たらしい……。


「うむ、あの子もおぬしの事を気に入ったようでの。楽しそうにおぬしと会った時の事を話してくれたよ」


 いきなり刃物を突きつけられて、なんで気に入ることができるんだよ!?


「……はあ、あの子が喜ぶのなら、私に是非は有りませんが……」

「おお、そうかそうか! だったらぜひうちの村まで遊びに来てくれい。今すぐには無理じゃが、しばらくして村の者が大丈夫だと判断したころにはこの村と儂の村とをつなぐ『門』を作ろうと思っておる。それができれば村の行き来がかなり楽になるからのぉ」


 まあ確かに、いちいち村まで行くのに山を越えていくのは大変だけど……。


「……できれば、お主には孫娘の婿になってほしい、とも思ってるんじゃがの?」

「……………………はい?」


 ……コノジジイ、今ナンテオッシャリヤガリマシタカ……?


 混乱する俺の後ろから、長の豪快な笑い声が響いてくる。


「ははははは! そりゃいいや。よかったなぁおい! もう嫁さんができたぞ!」


 ……え?


「ほほほ、儂の贔屓目から見ても、孫娘はかなりの別嬪に育つじゃろうて。おぬしのような有望な若者が我が家に来てくれれば、安泰じゃと思うんじゃがの?」


 ……え? 俺が入り婿なの?


「おいおい爺さん、そいつは聞き捨てならねえな。こいつはうちの村でも貴重な切れ者だ。いくらあんたとはいえ、勝手に持って行かないでくれや」


 おお、良いぞ長! もっと言ってやってくれ!!


「……持って行くなら、せめてうまい酒の一樽や二樽持ってきてもらわねえとなぁ……?」


 ってこの野郎、酒で売り飛ばす気か!?


「……ふむ、確かに婿に来てもらうのは大変かのう……」


 うんうん、その通り! だからここは潔く――


「……仕方ない。ここは潔く、二つの村の中心に家を一軒建てて、そこに住んでもらうとしよう!!」


 そうじゃねえだろ!! それどこの山の頂上だよ!?



   ●



 俺が長たちにからかわれていると知ったのは、その三分後。


 俺が『魔術師の村』の長の孫娘にもう一度会ったのは、その四か月後。


 俺がその孫娘に異常になつかれたのは、その四か月と一時間後。


 俺が嫉妬に狂った爺とその息子に呪われて腹痛に悩まされたのは、その四か月と三日後。


 二人の所業がその子の母親にばれて二人がぶちのめされるのは、その四か月と一週間後。


 俺がその子を意識するようになったのは、その五年後。


 俺がその子とパートナーになり、魔物を倒す旅に出るのは、その八年後。


 成果を上げて旅から帰還し、その子と祝言を上げるのは――


 そして、その子との間に宝物ができたと知るのは――




 そして、この物語の主人公である、とある少年が旅に出るのは、その100年後――



   ●

いかがでしたでしょうか?


……ええ、どう考えてもファンタジー(笑)ですよね。


というか、なんでファンタジーなのに現実的な交渉系の話になってるんでしょうか?

明らかに華々しい戦いの裏側にある内政系のお話ですよね、これ。


まあとにかく、このお話は先にも触れた通り、ずっと前に考えていたファンタジー物の前日譚みたいなものです。

このお話の約100年後から本編はスタートします。



……が、この先は書いてません。

プロットというか、登場人物案とか簡単なあらすじとかはあるんですが、肝心の終わりが決まってませんし、何より厨二爆発ヒャッハーな物語ですので、書いていると私のSAN値がガリガリガリガリ削られてきて正気が保てなくなります。

なので、書けません。ご了承ください。


また、このお話で人物の固有名詞が一切出てこないのは、出す暇がなかったというのもありますが、前日譚だからというのもあります。

こういうお話ってある意味伝説みたいなものですから、なんでもない登場人物の名前なんて記録に残ってませんよね。

傘地蔵のお話のおじいさんとおばあさんの名前がないのと同じで。

だから、あえて名前を付けませんでした。


……別に、面倒だったわけではないんですよ?




……ホントですよ?




あと、ご意見ご感想、誤字脱字報告、意味不明な点などの指摘、きちんと筋の通った罵詈雑言などなど、なんでも受け付けますので、ぜひ感想までどうぞ。



とまあそんなわけで

本日はこれまでとさせていただきます。

またお会いできる日が来るのを楽しみにさせて頂きます。


それでは最後になりますが、

ここまで読んでくださった貴方に、最大限の感謝を。

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― 新着の感想 ―
[良い点] なにこれ…面白い/// [一言] プロローグだけでもかなり興奮できる内容ですね。この作品。 ファンタジーの真髄を見た気がしました…! 続きが気になる…。
[良い点]  イキイキしていますね。キャラクター達が(特に爺さん) [一言]  ない技術を共存しようと交渉するのは普通かなとは思いますが、ファンタジー? かな、これはという感じではありましたね。  …
[良い点] こ、これは、ファンタジーの新しい可能性を示唆していますね! 交渉を主体としたお話はなかなか見ず私の書いているいちごミルク戦争にもいい刺激になりました! [気になる点] ただ頭脳戦オンリーで…
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