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十七歳哀歌  作者: mm
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さくらばな

   さくらばな



 私を愛してくれたあなたは戦で死んだ

 あなたは私のもとで眠りたいと

 最後の力で穴を掘って

 自らその中へ入っていった

  (小高い丘の上

   焼け野原(まち)を見下ろす白い桜の木の下で)

 冷たい冷たい土の中

 冷たくなったあなたは微笑んでいた

 やがて霜が降りて

 春が来て

 戦が終わり

 あなたは大地へ還っていった

 何度も何度も季節は廻り

  (人々を見下ろす小高い丘の上

   焼け野原(まち)は街へと生まれ変わった)

 枯れて

 斬り倒されそうになった桜の木は

 真っ赤な真っ赤な桜の花を

 それは立派に咲かせてみせた



 愛しいあなたの血を吸って

 私は今日も花を咲かせる

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